拡張版・瓦版-Vol 1-
2001年9月5日
〜ノアの子供達〜取材レポート
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9月6日補足・・・補足されたぶんはこちらへ

■2001年9月1日、現時点では困難とされる日本で出産されたジェルボアの子供飼育を成功しておられる、横浜にあるインナー・シティ・ズー・ノア様へ取材を兼ねてお話を伺いに行ってきた。取材に対応してくれた代表:高橋さまは動物飼育にも大変熱意を持たれており店内に飼育されている沢山の動物たちの状態は良好であり、また人慣れもしている・・・・
今回の取材対象であるジェルボアの子供達も普通ならば店頭公開し集客にも繋げられるはずなのに、それをせず店の奥の一般では入れない飼育・メンテルームでストレス無く飼われているようだ、この姿勢に普通のペットショップとは違う臭いを管理人は感じた・・・

インナー・シティ・ズー・ノア
★店内には普通のペットショップでは見られないほどの種類の多さで正直ビックリした・・・<アニファ>編集長と午後1:00に現地待ち合わせだったのだが、思ったより早く着いたので取りあえず一通り店内を見学させてもらうことにする。この数は半端じゃない・・・ちょっとやそっとじゃ見切れないな・・・・普通、これだけの種類を有するならばメンテが滞りがちになりそうなものだが見た限りどの個体も調子が良さそうで、元気に動き回っている。噂のフェネックが目に付く・・・うわ〜〜これか〜〜、すげ〜〜カワイイ〜!フェネックはかなり人慣れもしているようだ。店の奥にピューマが居るのに気づいた・・・うっはwこんな子までいるの??ピューマはおとなしくこちらに視線を合わせてくる・・・ふぇ〜〜人慣れしてるんだな〜・・これはこれでかわいいなぁ・・・とこんな調子で動物好き丸出しで(笑)見学する。
予定よりほんの少し遅れて、編集長と合流・・・・さっそく高橋様にジェルボアキッズ^^を見せてもらう・・・うわ!ちっちぇ〜〜〜!なんだこりゃ!オイオイ動いてるよ(笑)自分の顔が緩んでいくのが分かる。
ジェルボアの子供
★印象・・・顔!!足!!はい終わり!!!!見たいな(爆)、そりゃもう親にも増してディフォルメかかってますよ^^なんせ1円玉より小さいと思われるサイズですからwそれがちょこまかと動くとなると・・・目は水槽釘付け・・・心臓バックンバックン・・・よだれダラダラものです(笑)。
ぽつりぽつりと今回の件で質問を問いかけてみる・・・
「餌はもう自力で食べるのですか?」
高橋様
「ええ、水槽に散らばってる餌をポリポリやってますよ。今は産まれてから1ヶ月程です」・・・
子供に対する質問を色々ぶつけてみる、それに対し高橋様は独自の見解を織り交ぜ色々語って下さる。対話形式で載せてしまうと長くなるので、まとめてみよう・・・・
共同育児・群
★まず、出産に入ると思われるメスを専用ケースに移し出産させる、失敗例はこれまででいくつもご報告してきたので想像できるが、やはり育児放棄や死産などにより失敗をくり返されたようだ・・・ここでのポイントは複数の妊娠・出産個体を同じケースに入れていると言うことだろう。結局残った子供は2匹だが、そのケースの中には2匹の出産したメスが同居しており、育児も誰それの子供に関わらず共同育児の様な状態になっている。
高橋様の意見もそうなのだが、野性下では群で子供を産み、共同で育児をしているのではないか・・・という見解だ。事実高橋様はご愛用の分厚い洋学術書を取り出し私たちに見せながら色々説明してくれた。ここでお伝えしよう、その本にもハッキリとジェルボアは
群を形成して生活すると書いてある。6匹程の群で寄り添うように寝床を共にすると言うことらしい。この事を考えると今回の高橋様が取られた妊娠個体の複数育児は正解だったと思われる。
離乳の時期・出産期
★さらに続く・・・・離乳の時期なのだが、生後1ヶ月の時点でもうすでに自力で餌を取っている、体こそは小さいがそろそろ親の手も放れてきていると思われる。学術書によると、やはり確認されている出産期は6月と8月の2回で、メスは6月に子供を産み、子供の手が放れた8月にもう一度出産すると言うことだ・・・これを見ても分かるように、子供の成長は1ヶ月半〜2ヶ月程で母親の手から放れると伺える。ただ、その時期の子供達が野性下で巣穴から出てきているかは不明、巣穴から出ていっても母親に連れ戻されている可能性はある。また、巣穴に隠っているなら餌はどうしているのか?と言う問題も残されている。まぁ・・・飼育下ならその辺の問題は無さそうですが・・・・。
冬眠については・・・・
★話は、子供の話から離れ今年の冬季飼育に焦点が移っていく・・・
これは、管理人含め多くの飼い主様がジェルボアを迎え初冬飼育を経験されるからだ・・・
「冬の対策はどうされますか?野性下では冬眠すると言われてますが・・・・」
高橋様
「え??冬眠?冬眠はしませんよ!だってほらここにもちゃんと書いてある。」
またまた、学術書が登場!うっへ・・・ホントだ!明らかに冬眠しないって書いてある・・・・・これには管理人もビックリした・・・ただ、冬季の捕獲は難しいのは事実なようだ、この時期は捕獲が出来ないとも書いてある。これを踏まえ考えてみると、やはり冬眠はしていないが数匹で群を作り、代謝を落として巣穴に隠っている事が考えられる・・・ただその時期の餌の確保はどうしているのかは分からない・・・リス達に見られるように巣穴に餌を貯蔵しているかも知れないし、現地の写真を見て分かるように草木が生えているので、巣穴を掘り進んで行けば根の部分にぶつかりそれを食しているのかもしれない・・・この辺は憶測でしか物事を判断できない。
オスのこと・・・
★これも高橋様から聞いたのだが、ひょっとしたらオス同士が喧嘩しているかもしれないと言うことです。尻尾を囓られた形跡がある子がいるそうです・・・また、以前にネットで耳や尻尾に傷があるオスの子がいると言う報告もありました。これも憶測でしかまだ言えませんが、ひょっとしたら発情期はある程度オスによる争いがあるのかもしれません。発情期と思われる5月後半〜9月前半ぐらいまではオス同士は引き離しておいた方が無難かもしれませんね・・・・
餌の事・・・・
★最後にこれも意外で面白かったのが、ノア様は餌箱に切ったリンゴを与えていると言うことだ・・・管理人の「これ食べるんですか?」の問いに、あっさり「食べますよ」と返答された。ジェルボアは入ってきたばっかりの個体で情報も少なく、間違った情報も出てきていると思われる。水を与えると死ぬ・・・という噂も出てきたりして、なるべく水分の多いモノは与えないようにと考えてきた、しかし、ノア様ではなリンゴを与えている・・・また、ネット仲間のくろっちゃんさんも小松菜を与えて食べていると言う報告も聞かされる。ジェルボアは齧歯類なので、雑食なはず・・・とすれば餌の幅は結構広いのかもしれない。(追記)現時点では切ったリンゴは程良く乾燥させたものの方が良いとの情報もある。水分はやはりある程度飛ばした方が良いのかも知れない・・・やはり雑菌などの繁殖を考えるとご注意頂きたい。(10/17追記)現時点で管理人を含め友の会の多くの方が野菜系を中心に生餌を与えています。適度の水分補給は個体の状態を保つのに有効な手段として有効だと思われます。ですが給水ボトル等による直接水を与える方式は現時点では行っていません。

※ノア様で見せられた学術書のジェルボアの部分が入手出来てますので、今週中にでも和訳したモノをアップします。

■非常に有意義で沢山の情報を得られた取材だったと思う、現在ジェルボアは高価であるため、希少価値も高くまた輸送などのストレスから亡くなる個体も多い為、飼育も難しい個体なのではないかと、とらえられているが、輸送問題のクリア・飼育法の確立などが整理されて来ると、意外と飼いやすい個体なのかもしれない(一概にそうとも言い切れません・・・)。なんにせよ希望の持てた1日でした。
最後にノアの高橋様がおっしゃられた「ここをノアの箱船みたいにしたいんですよ・・・」と言う言葉が印象的でした。

★取材協力・・・・インナー・シティ・ズー・ノア 公式ホームページはここをクリック。育児日記もありますよ^^


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