その名前が示すとおり、魚をはじめとする魚介類が描かれた皿で、中央に窪みがあり、口縁は下へほぼ直角に折れ曲がり、小さな台を持つ。その用途はその文様と中央の窪みから魚を食べるときに使った皿だといわれ、中央にはソースが入れられたと考えられている。しかし中にはこれはコッタボスと呼ばれる、ワインの残りかすを飛ばして遊ぶゲームの的として用いられたとする説もある。
この皿はアテネでも作られたが数は少なく、むしろ南イタリアが主要な産地であった。両者を見分けるポイントは、前者では魚が腹を外に向けるのに対し、後者は背を外に向けていることにある。その描写は写実的なものが多く、コイかのものを含む様々な魚、ナマズ、タコ、イカ、エイ、イルカなど多岐にわたる。なおプルタルコスはこれらとほぼ同じ時代のある壁画家が魚を好んで描いたと記しているが、両者に何らかの関係があるのかどうかはわからない。
Cf. Malibu 86.AE.700 (Perseus
Project).
大きさ:幅およそ30cm前後。 |