十脚目ザリガニ科(日本固有種) 大きさ 7cm前後  分布 北海道 本州の一部(秋田以北)
絶滅危惧U類
水温が低く、きれいな川にしかすめない。アメリカザリガニやウチダザリガニに比べると、ずんぐりと丸い体型で、こうらがすべすべしている。日本固有種だが、最近はすっかり数を減らし、絶滅危惧種になっている。
ウォッチングのコツ・・・・本流に注ぐ支流に、さらに注ぐような小さな沢で探す。運がよければ会うことができるだろう。石や倒木をそっとどかし、水が澄むまでじっと待てばよい。おすすめは大雪山周辺だろうか。が、現地で人に聞いてもなかなか情報は出てこないだろう。生息地なんて知らない人がほとんどだし、知っている人もたいてい教えてくれない。

←採集したニホンザリガニ

 
水量以外、水質や温度にも敏感で、飼育は難しい。いろんな水族館を見たが、ニホンザリガニを飼育している水族館を僕は知らない。それほど飼育が難しいということだろう。
 そういう意味でも採集は控えて欲しい種だ。

 デリケートな生き物だからこそ、開発や水質汚染にもすぐ反応して数を減らしてしまう。

ニホンザリガニ

撮影 : 北海道・道北地方(平成13年8月)

 本流には沢から流されてきた個体をまれに見つける程度だ。が、下の写真は本流なのだけど、なぜかここからは毎回数匹のザリガニが見つかる。

 たぶん知らない人のほうが多いだろう。日本でザリガニといえばアメリカザリガニのほうがすっかりポピュラーになってしまった。でも、日本にしかいないこのザリガニのことを、忘れないでほしい。

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ニホンザリガニ2(物体X編)

 この澄んだ水こそ、豊かな森の証し。この森にはザリガニのほか、クマゲラやカワガラス、エゾサンショウウオなどが暮らしている。

 ザリガニのいる沢は大人よりも子どものほうがよく知っていて、子どもたちはその「秘密の場所」を、めったに人に話さなかったものだ(今は大人も教えてくれないけど・・・)。人に知られた生息地は数年で子どもたちに採りつくされてしまうなんてことがたびたび起こるからだ。本州のザリガニ釣りのような感覚で採集していたら、3年くらいでザリガニがいなくなってしまう。それは、ザリガニの生息地がきわめて局所的だからなのだと思う。

 
局所的、というのはあくまでも経験上の話だ。たとえばザリガニは沢の30mくらいの範囲でしか見つからず、沢の上にも下にも生息していないことが多い。そして、同じような沢が周囲にいくつあっても、他の沢からは一匹も見つからなかったりするのだ。

 北海道ではまだまだ探せば見つけることができるが、僕が子どものころと比べるとすっかり減ってしまった。冷たくてきれいな水にしか生息できず、環境の変化にきわめて弱いのだ。