タマムシ
甲虫目タマムシ科 大きさ 30〜41mm 分布 北海道〜九州、屋久島、対馬 |
日本でもっとも美しい虫のひとつ。玉のように光る羽をもつ。夏の真昼のもっとも暑い時間に木の上に集まって飛ぶ。よく光ることで鳥がこわがって近づけないという説がある。サクラ、エノキ、ケヤキなどの枯れ木を食べる。タマムシは種類が多く、本種は正確にはヤマトタマムシという。有名な法隆寺(ほうりゅうじ)の玉虫厨子(たまむしのずし)など、装飾品に使われたり、タンスに入れておくと着物が増えるなどの言い伝えがあり、きれいな色彩から、古くから宝物やアクセサリーとして扱われていた。吉兆虫と呼ばれた時代もあったらしい。 |
ウォッチングのコツ・・・よく晴れた暑い日に、陽のあたるエノキやサクラの大木のてっぺん付近をさがしてみよう。縦長の十文字の形で飛ぶ姿が見られるはずだ。でも、かなり高いところを飛ぶことが多いので、タマムシ自体は小さくて見落としてしまいがち。粘って観察していると時おり低いところも飛んでくれるので、そんな個体を探してみよう。意外と都市部でも見られるが、まずはエノキなどの大木がたくさんある公園や神社を見つけることが肝心だ。 |
ふるさと・北海道にタマムシいなくて、子どものころからあこがれの昆虫。だから初めて見つけたときはずいぶん感動したものだ。色彩は図鑑どおりだが、メタリックな光沢と質感がたまらなかった。もう10年近くも前のことだが、雑木林を歩いていた時、足元の倒木にとまっていたのだ。
だが、倒木の周辺にいたタマムシは、たぶん発生(成虫になって朽木から出る)か産卵(メスは朽木で産卵する)の前後だったのだろう。そんな場面はあくまでも偶然のたまもの。足元の倒木を探すという僕の作戦は、見当違いもはなはだしく、タマムシは僕にはちょっと遠い昆虫になってしまった。
後日、5mを超えるデカ網で、撮影用に捕獲する。
タマムシは、産卵木に卵を産み、生まれた幼虫は3年を経て、成虫となる。そのため、3年もの間、放置されているような朽ち木がある場所でないと育ちきることはできないのだ。もっとも最近は、カブトムシやクワガタ人気が高く、自然公園の中で産卵木をつみあげてあるような場所も見受けられるようになった。
公園を管理されている方には、そうした生き物たちへのちょっと配慮をお願いしたいものである。
さて、タマムシの見つけ方、参考になっただろうか。
暑い日の午後も思い切って出かけて、この日本でもっとも美しい甲虫を探してみて欲しい。
↑ やっと再会したタマムシ(茨城産)
↑ あれは??もしかして・・・・・・
↑ はるか木の上の方に飛ぶムシを発見
↑ タマムシだ!
↑ 葉っぱにとまった!!
上の写真の真ん中やや上方に小さな黒い点。頭上はるか15m近くも上、エノキの葉陰から一瞬現れては再び葉の中に消えていく・・・・・。よく見ると、風がやんだとたんに2,3の同じ黒点が現れる。うーーーん、黒点は昆虫に違いない。飛び方が不器用な虫。でも、風の合間に次から次に飛んでいるぞ。 ・・・・・・・こ、これは????
おおーっと、今度は7,8mの高さで飛び始めた。このシルエットは甲虫だ。もしかして???
さらに低く、頭上5、6mくらいの高さを飛ぶタマムシ。写真のように体は垂直、羽は水平の飛び方。タマムシ独特の縦長十文字の飛翔だ。もう、肉眼でもタマムシだと確認できる。
飛んでいるタマムシはすべてオスだという。メスを探して飛び回っているのだ。
↑ 葉っぱの上、もう1枚
↑ やっと捕まえたぞー!
平成18年7月 茨城県古河市・古河市総合公園
エノキやサクラ、ケヤキの大木といえば、大きな公園や神社の林。
まずは、近所の古河市総合公園に行くことにした。桃園が有名で、春先には見物の客がたくさん訪れる。
その桃の林とは反対側の東の林に向かうと、大きな池に何匹ものチョウトンボが迎えてくれた。林の中では、カブトムシやノコギリクワガタに混じり、僕の好きなクロカナブンにたくさん会うことができた。そして林縁に大きなエノキを発見。さっそくてっぺん付近を見上げるが、エノキは僕が思っていた以上に大きい。こんな高い場所の虫探しなんて、今までしたことがない。