(公開 : 平成20年3月21日)

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スギタニルリシジミ

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 後日、さっそくchochoensisさんに写真を判定していただいたら、まさしくスギタニルリシジミだった。春の妖精 スプリング・エフェメラルのひとつに出会えたわけだ!うーん、ラッキー。
シジミチョウ科ヒメシジミ亜科  大きさ 16mm 分布 北海道〜九州 
 ルリシジミの仲間で、翅の表は藍色で、裏はやや灰色がかっている。
 年に1度羽化し、4月中旬から5月上旬の一時期のみ、あらわれるまさに春の蝶。
 トチノキの多い渓谷ぞいの低山地〜山地で見られる。幼虫の食草はトチノキ。
 
ウォッチングのコツ・・・ルリシジミによく似ているが、春の一時期しか見られないことと、なかなか翅を広げてくれない蝶ということで、撮影者泣かせなところがあるらしい。発生時期に山へ行って、ルリシジミみたいな蝶を見かけたら、スギタニルリシジミじゃないかと写真におさめておこう。

 chochoensisさんのコメント
 
「スギタニルリシジミです。後翅裏面の1c室という場所の斑がV字型、またはそれに近い形=逆ハの字のようになります。ルリシジミはその斑が明らかに2紋を形成します。難しいかな?それとスギタニルリシジミはルリシジミよりも、その後翅の付け根付近が煤けた様にやや、濃い色になります。春先にしか観察できませんから、貴重品です。」

よかった!大先輩に太鼓判をおされた。

スギタニルリシジミ

ルリシジミ(茨城)

 春らんまんの4月中旬から、5月の上旬にかけてだけ、その姿を見せてくれる素敵な蝶がいる。スギタニルリシジミだ。蝶にうとい僕は、初めて出会ったにもかかわらず、ただのルリシジミだと思い込んでいた。

 場所は栃木県。栃木インターから山道を進む。林道の奥の車止めから、ひたすら歩く。狙いはほ乳類。林道沿いの渓流にはカワネズミが棲み、夜はムササビもシカも見られる。冬のイノシシの食痕も圧巻である。そんなゴキゲンな、お気に入りの山なのである。
 ふと、林道の先のほうに5〜6匹の蝶が地面に集まっている。ほ乳類の糞(ふん)にとまっているな、とピントきた。蝶にはそういう習性があるのだ。案の定、哺乳類の糞が道の真ん中に落ちている。

参考ホームページ 蝶・チョウ・ゆっくり歩き 蝶・野鳥を中心に、いろんな生き物を紹介。中身の濃い、すばらしい博物誌です。毎日更新され、ほんとうに勉強になります。
chochoensisさんのホームページ、とにかく、必見!
 まったく逃げる気配がないスギタニくんに、だんだん大胆になる僕。きっと、正体を知らなかったからに違いない。半分お遊びで指先をおいてみる・・・・でも逃げない。きっと、指先が触れる直前まで逃なかったと思う。

 そういえば・・・・・・糞のことをすっかり忘れていた。内容物を調べるどころか、撮影するのも忘れた。さらに、この時、僕の指が糞に触れてしまったかどうかも記憶がない。写真では完全に触っているように見えるのだが。

 被写体に夢中になりすぎると、他のものは見えなくなってしまう。
 うーーーむ、気をつけよう・・・・。




                chochoensisさん、どうもありがとうございました!
 
 目立つところにこれ見よがしに落ちている糞は、イタチ系か。でもテンの自己主張にしてはちょっと控えめのような気がする。道の真ん中に落ちているあたりは、ヒグマも思い出す。とりあえず糞の撮影を・・・などと思って近づくが、蝶が逃げない。あれれ、と思いながらさらに近づくけど、僕の事を完全に無視している。あわてて、糞ではなくて蝶の撮影に切り替える。
 そういえば・・・・・・・。
 蝶や鳥のことをいつも教えてくださる蝶・チョウ・ゆっくり歩きchochoensisさんに、ルリシジミの写真を見てもらったときに、「この時季、山のほうへ行ったときは、スギタニルリシジミがいるので気をつけてください」とアドバイスをもらっていた。まさかね、などと僕はのん気にしていたが、なんかただのルリシジミとは違うような気がする。
 とりあえず、帰ってから調べてみよう。
 
↑ 見た目は、ルリシジミとそっくりなこの蝶は?
平成17年4月15日 栃木県
 翅の班は、写真ではちょっとわかりにくいかもしれないが、確かに、ルリシジミは班が点になっており、スギタニルリシジミはV字になっている。全体の色合いがグレーがかっているのも特徴だ。
 ただし、斑は個体によっては識別しづらいものがあるそうだ。

 しかし、chochoensisさんの解説を消化するまでけっこうてこずった。うーむ・・・蝶は奥が深いぞ。