オオクワガタ

平成18年6月24日 福島県南会津地方 
甲虫目クワガタムシ科 大きさ オス32mm〜72mm メス36mm〜42mm 分布 北海道南部〜九州、対馬
 日本で最も大きいクワガタの一種で、人気も高い。黒くてツヤのある体。メスと小型のオスは背中に縦筋が刻まれているので、見分けるポイントになる。クヌギなどの広葉樹からなる低山の雑木林などにすむ。夜行性で、夕方になると出てきて樹液をすう。オス、メスのペアで暮らしていることが多い。幼虫は2年くらいの間、クヌギなどの朽ち木を食べ育つ。成虫は長生きで、飼育下では5年近く生きる個体もいるという。
 自然下での生息数は、採集や環境破壊で激減しているが、飼育下での繁殖技術が普及し、飼育・繁殖されている個体の数からも、当面、絶滅の危機はないとされている。
ウォッチングのコツ
 
夜、灯りに集まる習性があり、僕は、夜の街灯で探すことがほとんど。懐中電灯のほか、特別な道具などは使わないシンプルな採集法。めったに会えないけど・・・・。街灯以外には、樹液採集、ライトトラップ、朽木割りなどの採集方法がある。詳しくは、多数の本が出ていたり、いろんなサイトがあるので、参考にしてほしい。
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2006.11.9公開

 オオクワガタとの念願の再会を果たすべく、僕は福島県南会津地方に足を伸ばした。
 南会津はオオクワガタの有名産地で、夜はあちらこちらでたくさんの採集者を見かける。採集方法は夜の街灯まわりライトトラップが中心だ。夜、灯りに飛んでくるオオクワガタを採集するのである。
 オオクワガタの採集ポイントはかなり広域で、どこがいいやら見当がつかない。沢沿いに登っていく脇道に入り、途中の街灯を一つ一つ見ていく。道を山に向かってすすんでいくと、他の採集者に時おりすれ違う。ということは、可能性があるということだ。
 40分ほど探すが、ミヤマクワガタ、コクワガタしか見つからず、とうとう折り返し点に・・・。やっぱり簡単には会えるもんじゃないや、と思いながら、灯りの真下を見るとクワガタがじっとしている。すぐに車を降りて近づくと、黒くてツヤのあるメスだ。ミヤマ?と思って拾い上げると足を縮めて丸まった。

 むむむ・・・。こ、これは!?  オオクワガタだ!


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 オオクワガタはいくつになっても男のロマンだ。
 簡単に捕まらないこそ、少年たちは大人になっても追い求める。
 だから、ペットショップで買うわけにはいかない。夢はお金では手に入らないものだ。

 僕とオオクワガタの出会いは、もう10年以上も前にさかのぼる。栃木県のとある場所、渓流沿いの公園にある大きなサクラの木の根元に、見慣れぬメスのクワガタを見つけた。なにやら背中にしっかりと縦の筋がある。まちがいなくオオクワガタのメスだった。夜のうちに街灯に飛んできて、サクラの根元にもぐったのだろう。あまりにも偶然の出会いに拍子抜けしたものだ。
 「会おうと思えばいつでも会える」、とわりと気軽に思えたのだが、甘かった。それ以降、その地でオオクワガタに再会することはなかった。
 

 オスとメスのツーショット。同じ日にペアで採集とはラッキー!
 体長は、オス4.78cm、メス3.70cm
 このあともぽわ〜んとしながら採集を続ける。しかし、2時間近く周囲を散策したが、オオクワガタに再び会うことはなかった。
 やっぱりこの2匹、僕には奇跡のような出会いに違いない。

← ライトトラップ(灯火採集)の様子

 左写真がライトトラップの様子である。白や青、緑っぽいライトなど、人によって戦術が違うそうだ。
 自家発電機、ハロゲン等の明るいライト、シーツなどの白布が必要となる。
 子どもには手の届かぬ、大掛かりな採集方法だ・・・。
 

 トラップを使わなくても、街灯まわりでオオクワガタを探せる。この日はけっこう激しい雨が断続的に降っていたけど、雨の合間にはごらんのように蛾などが多数集まる。
 オレンジ系の街灯より、白色系のほうが虫は集まる。田舎道でオレンジの街灯が多いのは虫を寄せないため。

 気温20℃以上の湿気の高い日にクワガタが良く飛んでくる。時間は20時から22時くらいがもっとも虫が集まる。その時間をはずすと蛾なども明らかに減ってしまう。また、満月の夜も芳しくない。虫はみんな、月に向かって飛んでいってしまうみたい。

← 街灯にあつまる虫たち

↑ 何度見てもかっこいい

↑ 採集したオスのオオクワガタ

← メスのオオクワガタ!

↑ オス(右)とメス(左)

 オオクワガタは、日本産クワガタの中では最も人気があり、そのため、各地で乱獲された。
 自然下でのオオクワガタは数を減らし、かつて産地と言われた場所でもほとんどとれなくなったそうだ。しかし、飼育・繁殖が盛んになったおかげで、日本全国ではオオクワガタの数は増えたとも言われている。とりあえず絶滅の危機は少ないそうである。

 本当は僕も、もしオオクワガタを捕まえても持ち帰らないでリリースしようと思っていた。
 でも、オス、メスのペアになったので、自宅で飼育することにした。今度は繁殖に挑戦だ。

 会えないからこそ、少年たちの夢は、時を経ても色あせない。
 そんなオオクワガタ・・・・時代が変わっても、いつまでも日本の少年たちの夢であって欲しい。

 翌朝、採集地近くで見つけたときの再現写真を撮影。左上が街灯の柱である。
 メスの特徴は背中の縦ジワ。オスも小型のものには入るが、メスは必ずこのシワが入るので、種類のわかりにくいメスのクワガタを見分けるポイントになる。

 ついにオオクワガタに再会! 舞い上がってしまって、撮影も忘れる。条件がそろうとこうもあっさりと採集できるものなのか? 今日はオオクワガタがガンガン獲れる気がするぞ、 なーんて都合のいい期待を抱きつつ、民家の間の細い道を下りはじめる。その数分後、畑の中を抜け、左手に林が見える街灯で、道を横切る黒いモノを発見。おお?甲虫だ。
 手前で車を停める。車を降りる前からクワガタと確信できる。黒くてツヤがある。もしや・・・?と思い駈け寄ると・・・・・。


  おーおーおー今度はオスだーー!!

 ついにゲットしたオオクワガタのオス。
 やはりこの夜は撮影などふっとんでしまい、翌日、クヌギの木でやらせ写真を撮影(採集地にクヌギはありません)。ショップで売っているオオクワガタに比べれば、かなり小さく、大あごも小さい。でも、天然のオオクワガタはこんなサイズが多いらしい。
 小さくたって自分で採集した天然モノだ。男のロマンを実感するぜっ。

最後にもう一度、、オオクワガタだ!