甲虫目エンマムシ科 大きさ 6.5〜7.5mm   分布 北海道〜九州 
 虫の死がいやフンなどに集まる虫や、朽木に巣くう虫などを捕食するエンマムシの仲間。エンマムシの仲間は、日本で80種あまりが確認されている。
 ヒラタエンマムシは、体が平べったく、黒くて、つやのある頑丈な翅があり、クワガタを思わせるようなするどい顎(あご)がある。材木などの樹皮の下にいて、木に巣くう虫を捕食する。樹液にも集まる。
ウォッチングのコツ・・・・今回は材木置き場でのウォッチングであった。その他、朽木などの表皮をめくると見つかる可能性があるだろう。古い本では「林間を良く飛ぶ」などと記されているものもある。

ヒラタエンマムシ


もどる

ぶんぶく ぶんぶく探検隊トップページへ
リンクフリーです

 材木置き場の昆虫採集って、かなりはまってしまう。いろんな昆虫(主に甲虫)がたくさん集まっており、他の場所ではなかなか出会えないレアなやつも当たり前にいたりする。そんなわけで、今回は材木置き場で出会った甲虫から、ヒラタエンマムシの登場である。
 

平成18年7月  福島県岩館村

             ↑ ヒラタエンマムシ
       エンマムシの仲間は世界で約3600種、日本では
       32属80余種の記録があるそうだ。

↑ 材木置き場(岩館村)

 暑い昼下がり、材木置き場の木材を見てまわっていると、見たことのない甲虫が木に張り付いていた。あ、エンマムシの仲間だ、とすぐにわかたものの、なんか違和感がある。頭頂が赤い種類っていたっけ??? ・・・・しかもおしりも。
 なんか、クワガタに似た大あごがかっこいいぞ。大きさは6mm程度だ。でも、やっぱり頭部の赤い点が気になる。ウルトラマンのカラータイマーみたいだ。うーーーん、同定は撮影のあとにしよう。

 車に戻って本を調べると、この虫はヒラタエンマムシかオオヒラタエンマムシのどちらかということがわかった。大きさで言えばヒラタエンマムシだ。でも、ネットで検索するとオオヒラタエンマムシのほうがヒットしやすく、ヒラタエンマムシの写真が見当たらない。だから、はじめはオオヒラタエンマムシかと思った。保育社『原色日本甲虫図鑑(U)』では「上翅端側方に短条があり・・・・」ということになっている。その短条がよくわからない。
 一方、ヒラタエンマムシは、「背面は露出した腹部を除き、顕著な点刻がなく、上翅は肩部に短条溝があり、その内側基部にも痕跡的条溝がある。」とある。
 
 さっぱりわからない。文章の意味も・・・・・。
 帰宅して写真を取り込み、上翅を拡大して見ることにした。下がその写真だ。 

 拡大してみると、上翅に溝が二本みえるが、端側方ではなく、肩部である。これが短条溝と痕跡的条溝と思われる。たぶん、この写真の虫は、ヒラタエンマムシだろう。自信はないけど・・・。

 ところで、カラータイマーの正体がわかった。
 拡大写真をみれば一目瞭然・・・・ダニであった。頭といい、お尻といい、なんともまぎらわしいつき方をするダニである。

 さて、材木置き場の採集は楽しいが、まず、持ち主の人や管理している人に一言断ってから始めよう。そして、けして材の上に乗ったり危ないことはしない。また、材木を荒らしたり、表皮をめくったり等もしないように。
 良い場所が見つかったらしばらく楽しめる。僕は特にカミキリ類を狙って観察をするが、小さなタマムシ類など、ていねいに見れば見るほどいろんな虫が見つかる。時期によって集まる虫は変化するので、春先から秋口まで楽しめる。機会があればぜひ挑戦を。

↑ かっこいいぞ!

図鑑もこんくらいのサイズで写真を載せてくれると助かるのだが・・・・。

(2006.8.12 公開 )