ヒメオオクワガタ
甲虫目クワガタムシ科 大きさ オス29mm〜56mm メス28mm〜42mm 分布 北海道の一部、本州、四国、九州の一部 |
1000mを超えるブナ帯に生息。昼行性で、ヤナギの樹液に集まる。6月より出現するが、晩夏から秋にかけてもっともよく活動する。幼虫はブナの朽木(くちき)を食べて育つ。 |
ウォッチングのコツ・・・・6月から10月上旬まで観察可能。昼間、ヤナギの枝にとまっているところを見つける。慣れないとけっこう難しい。有名なところ以外でも高度1000m以上の山でヤナギがあればチャンス。見つけにくいクワガタだから、思わぬところで穴場があるかもしれない。 ちなみに僕は、こいつに会いたくて高度計を購入した。 |
桧枝岐の森。やっぱりブナの森はいい。
山梨のように朽木採集のあとがないから、あまり荒らされているようには見えないけど、クワガタ採集の人はいっぱい入っている。いくら豊かな森でも心配になる。来年のため、採りすぎないよう気をつけよう。
下の写真はともに地面を歩いていたもの。時間は午前9時ころ。そのころから活動を始めるのだろう。木から木への移動も、飛ぶよりは地面を歩くことのほうが多いのかもしれない。
←葉の上に落ちたオス
危険を感じると枝から地面に落ちる。写真のように葉の上に落ちてくれればよいが、すばやく移動して地面にもぐるので、見失ってしまうことのほうが多い。
この写真は足が長さがよくわかる。
←ヤナギの木にいたオス
ヒメオオクワガタはヤナギの枝に自ら傷をつけ、樹液を吸う。
大あご(つの)はオオクワガタと似ているが、ヒメの名のとおりずっと小さく、足が細長い。大きさも姿もオオクワガタとコクワガタの中間といったかんじ。
撮影 : 福島県南会津地方 (平成15年6月)
1982年に生態がはじめてわかるまで、発見することも困難な神秘のクワガタだったそうだ。
生息するブナ帯は寒いので、暖かい日中に活動する。また、寒さに強いせいか、9月、10月でも姿を見ることができる。
←飼育中のペアの交尾。
繁殖まではいたらず。
本などでは飼育は難しいとされる本種であるが、繁殖を狙わず、ただ飼育するだけならわりと長期の飼育も可能だ。寒さには強いが、暑さには弱いので、夏を乗り切るかがポイントだろう。
左上:メス。やっぱり足が長い。
右上:オス。1枚目とは別個体。
プラケースの中で頭を飼育マットに隠していると、オスもメスもそっくりな背中だ。