平成18年11月19日 撮影: 茨城県坂東市 茨城県自然博物館

ガーパイク (ショートノーズガー)

 茨城県の菅生沼で、アメリカ生まれの肉食魚、ガーパイクが捕獲されたと、平成18年11月9日の朝日新聞に掲載された。ガーパイクとは熱帯魚店ではよく売られている魚であるが、熱帯に棲む熱帯魚とは違い、温帯域に棲む大型魚で、古代魚という、古い時代の形質を今も残している人気種だ。
 それが、今、日本各地で捕獲されては話題になる。そう、ペットとして飼われていたものが、もてあまされて河川や池などに捨てられてしまうことがあるのだ。逃げ出したカミツキガメニシキヘビオオサンショウウオタランチュラが最近話題になったけど、ガーパイクなどの魚類は「逃げた」のではない。「捨てられた」のである。まだ日本での繁殖は確認されていないようだが、もともと温帯域に生息する魚であるから、気を許せない種であろう。捨てられたペットが増えてしまったケースとしては、アライグマが最近は大きな話題になるが、都市公園などで当たり前に見られるミドリガメも同じケースである。
 
 本題に入ろう・・・・。
 菅生沼で捕獲されたガーパイクは、
茨城県自然博物館に展示されている。先日、ぽんぽこと二人で見に行ってきた。休日だけど思ったほど混んでなく、時間にも余裕があったので、年間パスポート(1500円)を購入した。
 


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 実は僕もガーパイクを飼っていたことがある。ワニのような外見といい、大型魚、古代魚という響きは、熱帯魚を始めたころからのあこがれであった。ふたまわりは大きくなった我が家のガーパイクは、その後ヒーターの故障というアクシデントで他界してしまったが、いまだに人気のこの魚の魅力はたっぷり楽しめた。思い返すと、水槽の中では動きがとろく、他の魚と飼うと、いつも最後まで餌をとれずにいた。大きな水槽で、ゆったりと1匹飼いしたほうがいいのだろうと思ったものだ。

 さて、朝日新聞の記事によると、「大きくなり処分に困り捨てたとみられる」とある。
 また、同博物館では、「沼ではウグイなどの小魚を食べていたが、このまま大きくなっていれば、より大きな魚も食べられ、沼が大きな被害を受けていたかも」と話しているとのこと。

 「放す」「捨てる」という行為は過失ではなく意図的な行為だから、当然、飼い主のモラルが問われる。どんな命だって粗末にはできないし、時には人に危害を加える生き物だっている。が、単純に生き物を「捨てる」という行為だけが問題なのではない。その後に環境破壊、生態系破壊というとても大きな問題が待っているということを忘れないで欲しい。

 博物館では、警鐘のためにも展示するという。飼い主に捨てられてしまったこのあわれな古代魚は、今日もぽつんと、博物館に展示されている。 
茨城県自然博物館(坂東市)に展示されたガーパイク(45cm)
 

 茨城県の沼で、アメリカの魚発見!?

 最近はよく新聞やテレビで、本来、日本の河川や野山で生息しているはずのない生き物の発見が報道されます。
 現在、日本ですでに広がってしまった外来生物は、法律で規制されるようになりました。
 しかし、それ以外にも、マナーの悪い人が、ペットとして飼っていた動物を放してしまうことが大きな問題になっています。
 そんな、身近におきた旬な話題をとりあげてみたいと思います。
 

ショートノーズ・ガー
ガー目ガー科  大きさ 1m前後 分布 北米・中米 (ペットとして日本に輸入)
 アメリカ・中米で生息する古代魚の種類ガーには、大型のものでは3mにもなる種類がある。その中で、ショートノーズガーは、小型の部類ではあるが、成長すれば1mにもなる。
 日本では、熱帯魚として売られているが、飼育する場合には巨大な水槽が必要で、一般家庭での飼育はそれなりの設備が必要。
 アリゲーターガーというもっとも大型の種類が琵琶湖など、何ヶ所かで見つかって、騒ぎになっている。性質はおとなしいが、寒冷な日本でも生息に耐えうると考えられ、生息の拡大が危惧されている、とのことだ。
 ちなみに、我が家で飼育していた種はスポッテドガーであった。

2006.11.27 公開