小さな魔法使いの101面の大冒険
フェアリーランドストーリー

    フェアリーランドストーリーは1985年にタイトーから発売された固定画面
    面クリア型のアクションゲームです。
    主人公はアルアルファ王国の王女「トレミー」という女の子で、彼女を2方向
    レバー+攻撃、ジャンプの2ボタンで操作し、画面上にいる敵キャラを全て退
    治すると面クリアとなります。

    敵キャラを退治するにはいくつかの方法があります。まず基本攻撃となるケー
    キの魔法。攻撃ボタンを押すことで発射されるこの魔法は、命中した敵を一定
    時間ケーキに変えてしまうことができます。このケーキは更に連続して魔法を
    当て続けると破壊することがきます。またケーキを押して段差から下に落とす
    と一発で破壊することが可能です。更にこのケーキを使用して敵を押したり、
    段差から落とすときに敵を巻き込んで潰すこともできます。このケーキは敵キャ
    ラも押すことができ、落下したケーキに自分が潰されるとミスになります。
    敵キャラを倒すもうひとつの方法は、各面に出現するアイテムを使用すること
    です。これは敵に当たると倒せるもの、体当たりで倒せるものなど様々な種類
    があり、総じてケーキの魔法を使用するよりも高得点となります。
    更に特定のステージでは、ワームと呼ばれる芋虫に敵キャラを食べさせてしま
    うことができます。ワームはトレミーとY座標が一致すると触手を伸ばしてき
    てトレミーを食べようとしますが、この触手に敵キャラを接触させて食べさせ
    ると高得点(9000点だったような気がしますが、7000点かもしれませ
    ん)となります。
    また、敵キャラを1匹だけ残して一定時間粘ると敵が消えてしまいステージク
    リアとなります。

    各ステージは起伏に飛んだ段差やワープトンネルで構成されており、トレミー
    はこれらの地形を左右移動、ジャンプまたは段差から落ちることで上下左右に
    移動します。また、画面最上部左右の城の見張り台のような場所は左右がつな
    がっており、ここを利用してワープすることができます。更にこの場所は敵が
    上ってくることの少ないセーフティーゾーンでもあるので、ここを利用してア
    イテムの出現を待つこともできます。またトレミーは足場が一ブロックあれば
    壁にめり込むようにして上っていくことが可能で、100ステージなど特定の
    面ではこのテクニックを使用しないと非常に難しい面もあります。
    また、ジャンプ直後にレバーを左右に入れることで、非常に低い段差を上るこ
    とができます。1ステージだけ、これを知らないとクリアできない面があるの
    で必須テクニックです。
    更にトレミーは敵キャラの上に乗っかることが可能で(ミスになりません)、
    この上で移動やジャンプをすることで、通常では行けない場所にも移動するこ
    とができます。更に、ジャンプ中の敵の頭の上でジャンプすることも可能で、
    これを自在に操れると、いざという時に役に立ちますので覚えておいて損はな
    いでしょう。

    このようにして全100面をクリアし、更に最終ステージである101面でラ
    スボスのドラコリスクを倒すことがゲームの最終目的です。

  ★ 敵キャラ紹介

    オーク

    ブタ人間の怪物でステージ1から登場する敵です。特殊能力を何も持っていな
    いので、完全に雑魚です。

    
ウィザード

    年老いた魔法使いの姿をした敵で、トレミーが一定距離に近づくと三日月型の
    魔法を発射してきます。この魔法に当たるとトレミーは小さな妖精に変身させ
    られてしまい、移動速度が大きく落ちます。妖精状態のときに再度魔法に当た
    るとミスになります。妖精状態は自分を妖精にした魔法使いを倒すか、アイテ
    ムのチェンジポーションを取るか、月が出る(ムーンティアラを取る・一定時
    間ごと)と解除することができます。
    自分を妖精状態にした魔法使いを最後に残して、消えてしまった場合は次の面
    以降も妖精状態で始めなければなりません。この場合は次に出現したウィザー
    ドを倒すことで元に戻ることができます。ただ、妖精はサラマンダーの炎に当
    たらないという利点があるので、わざと魔法に当たってウィザードを逃がし、
    妖精状態を維持すると有利になる面もあります。

    サラマンダー

    トカゲのような姿をした敵で、トレミーとY座標が一致すると炎を吐いてきま
    す。炎の射程は障害物に当たるまで無限大なので、少し注意が必要なキャラで
    す。サラマンダーは炎を吐くときには必ず停止する特徴があるので、これを利
    用して敵を足止めすることも可能です。

    
ゴーレム

    グレーの土人形でこちらをほとんど認識してこないランダム性の高いキャラで
    す。ゴーレムは魔法にかかり難いという特徴があり、ケーキの魔法の変身時間
    が短く、壊す際も他のキャラより多くの魔法が必要です。

    
レイス

    フードを被った幽霊で、ケーキの魔法を発射すると消えて避けるという非常に
    嫌な特徴を持っています。サラマンダーとならんで、敵キャラ中最も注意を要
    するキャラです。

    
クレリック

    年老いた僧侶の格好をしたキャラです。このキャラは敵キャラが4匹以下にな
    ると3体の分身を出して4体になる特徴があります。
    分身はケーキの魔法を当てると消え(ケーキにならない)、また本体を倒すこ
    とでも全ての分身が消すことができます。
    分身はアイテムで倒したときは本体と同じように点数が加算される(スクロー
    ル・オブ・ファイアは×)ので、前半で残機を貯めたいときには役に立つキャ
    ラです。

    
ワーム

    巣穴に住む芋虫でトレミーとY座標が一致すると触手を伸ばしてきてトレミー
    を食べようとします。倒すことはできません。ワームの出現までのタイムラグ
    は、ステージ内の出現回数に比例して短くなっていきます。

    
フォーンド

    悪魔の姿をした永久パターン防止キャラで、一定時間内に面クリアできないと
    出現してトレミーをしつこく追跡してきます。倒すことはできません。

    
ドラコリスク

    最終ステージに登場する巨大なドラゴンです。口から大きな炎を一定感覚で2
    発づつ出してきます。炎を吐くときに段差などを利用して射出角を変更させ、
    近づいて魔法を猛連打すると即効で倒すことも可能です。安全に行く場合は射
    出角を変えつつ、段差を利用して弧を描いて動くように攻撃します。

  ★ アイテム紹介

    1〜100面の間は、一定時間ごとに固定位置にアイテムが出現します。アイ
    テムの効果はさまざまですが、基本的には全てプレイヤーに有利に働くように
    なっています。アイテムで敵を倒すと、倒した数によって点数に倍率補正が入
    ります。
    これは1000・2000・4000・8000・16000・32000・
    64000と倍々に増えていくので、大量得点のチャンスです。通常、このゲー
    ムの設定は10万エブリなので、これを利用することであっという間に残機を
    貯めることが可能になっています。

    シルバーセプター

    一定時間トレミーのケーキの魔法の射程が伸びます。あれば便利ですが、無く
    ても困らないアイテムです。

    
マジカルロッド

    一定時間敵キャラの動きが遅くなります。これまたあれば便利ですが、無くて
    も困らないアイテムです。

    
ミスティカルオーブ

    一定時間トレミーが歩く度に30ptsづつ入ります。前半の地味〜な残機た
    めにはそれなりに役に立ちます。

    
グラスポーション

    一定時間トレミーが無敵になります。役に立つようで意外に役に立たないケー
    スが多いです。50ステージ以前でミスをしてしまうと、たいがいここからス
    タートするので頻繁に目にすることが多いです。

    
ゴールドセプター

    ケーキの魔法がHITした際に、一発で敵を即死させることができます。それ
    なりに使えるアイテムですが、敵の頭に乗るために一時的に敵キャラをケーキ
    に変えるといったテクニックが使用できなくなるので注意が必要です。
    倒した敵には倍率補正が付きます。

    
スクロール・オブ・アイス

    取った瞬間に画面上の全ての敵が凍りつきます。凍った敵は接触して押すこと
    で倒すことができます。便利ですが地形によっては全滅が間に合わないことが
    あります。
    倒した敵には倍率補正が付きます。

    
スクロール・オブ・ファイアー

    敵を貫通する炎を発射することができます。一発の炎で敵を倒した数だけ倍率
    がかかります。使えるようで使えない魔法です。

    
ムーンティアラ

    取ってしばらくすると画面上部に月が出現し、全ての敵キャラをケーキに変え
    てしまいます。このケーキは魔法を当てると銅貨、段差から落とすと銀貨、別
    のケーキを潰すと金貨になります。この月はムーンティアラを取る以外にも一
    定時間ごとに出現します。死んだ後の立て直しには有難いのですが、面によっ
    てはこれでクリア不可になる場合もあるので、迷惑この上ないアイテムです。

    
スターティアラ

    取ってしばらくすると画面に大量の星が降り注ぎ、星に当たった敵を倒してく
    れます。星は長期間&大量に降るので、よほど運が悪くなければ全ての敵を倒
    すことができます。倒した敵には倍率補正がかかるので、大量得点をGET可
    能です。ここまでアイテムを成長させることができれば、後は残機がウハウハ
    貯まっていってくれます。

    
チェンジポーション

    一定時間トレミーが無敵のネズミに変身し、体当たりで敵を倒すことができま
    す。ネズミの時は移動速度も上がるので、楽に敵を追跡して倒すことが可能で
    す。倒した敵には倍率補正がかかります。
    スターティアラと違ってアイテムGET後に無敵になるというのが最大の利点
    ですが、地形によっては倒しにくい面もあるので一長一短という感じです。
    一応、ネズミに変身している最中でも魔法を出すことができます。

    
ブック・オブ・デス

    究極の攻撃アイテムで、取った瞬間に画面上に地震が起こり、全ての敵を即死
    させて面クリアとなります。もちろん倒した敵には倍率補正が入ります。
    唯一の欠点は画面上のケーキも破壊してしまうことで、このときは倍率補正が
    かかりません。また、半永久パターン実行時にも面クリアとなってしまうため
    取ることができなくなります。しかし、その点を差し引いてももっとも使える
    攻撃アイテムでしょう。

    
ブック・オブ・ライフ

    取った瞬間にトレミーが1UPします。

    
ミスティカルフェザー

    取った瞬間に画面上に残っている敵の数×ステージ分だけワープします。クレ
    リックを利用すると、最高で8面ワープすることが可能です。

    
ホーリーウォーター

    1000pts入ります。

    
クリスタルリング(ジュエルだったかも・・・?)

    1000pts入ります。

    上記の各アイテムは3種類1パックのレベルが存在します。このレベルはゲー
    ム開始時は1から始まり、ノーミスでいる時間に比例してレベルが上昇してい
    きます。プレイヤーがミスをすると所定のランクまで落ちますが、先の面に行
    くほど所定ランクは高くなっていきます。例えば、50面以前で死んだ場合は
    基本的にレベル3まで落ちますが、60面ぐらいまで進んでいるとレベル4か
    らスタートするようになります。
    従って、このゲームは後半にいけばいくほど立て直しが楽になっていきます。
    
        

アイテムレベル表
レベル 敵5匹以上 2〜4匹 1匹
ムーンティアラ シルバーセプター ホーリーウォーター
スクロール・オブ・ファイアー マジカルロッド ホーリーウォーター
グラスポーション ミスティカルオーブ ホーリーウォーター
スターティアラ ゴールドセプター ホーリーウォーター
チェンジポーション スクロール・オブ・アイス クリスタルリング
ブック・オブ・デス ミスティカルフェザー ブック・オブ・ライフ

    


  ★ テクニック・豆知識など

    ● 点数稼ぎ

      標準設定である10万エブリ設定の場合、7匹の敵をアイテムで倒すと1
      UPすることになります。従って、そのステージ内に8匹の敵がいれば、
      7匹まで魔法で殺した後に8匹目の敵で死ぬことによって、半永久パター
      ンとなります。全100面中2面だけ敵が8匹いるステージがあるので、
      稼ぐ場合はこれを利用します。
      アイテムがチェンジポーションの場合は7匹体当たりした後に変身が切れ
      るのを待って死ねば良く、スターティアラの場合は1匹をケーキ状態に変
      えて星が止むのを待って死にます。残念ながらブック・オブ・デスではで
      きないので、この場合は自殺してレベルを下げます。
      上記2面以外でも、クレリックの分身を利用すると敵8匹の状態が作り出
      せるので、クレリックの本体を見切っていれば半永久パターンが可能です。
      ただし、それは至難の業だったりします(笑)。
      
    ● スタッフロール

      このゲームは全101面をクリアしただけではスタッフロールを出すこと
      はできません。スタッフロールを出すにはクリア後に攻撃・ジャンプのボ
      タンを押し続けるという行為が必要になります(一応、隠し扱い)。
      同メーカーのカイザーナックルと同じで、普通の人はスタッフロールを見
      ることができない(カイザーの場合は理由が違いますが・・・)というの
      は、ちょっとな・・・という気がします。101面も頑張ったんだから、
      素直にスタッフロールぐらい見せてくれてもいいんじゃないと思いますね。
      なんでも隠し技にしてしまう当時の悪習の産物ですね。

    ● バージョンによる違い

      フェアリーランドストーリーには新・旧2つのバージョンが存在します。
      旧バージョンの特徴は画面最上部左右の城の見張り台のような場所に登っ
      てワープを繰り返すことで、出現しているアイテムを変更することができ
      ます。これを利用すると前半の面でもスターティアラやブック・オブ・デ
      ス等を取ることができるので、前半で残機が貯めやすくなります。
      しかしながら、旧バージョンはランクの上昇・下降が安定しないため、後
      半の面でもアイテムを変更しないといけない場合が発生するためパターン
      が安定せず、相対的にみると新バージョンよりやや難しくなっていると思
      われます。

    ● バグ

      最後の敵が逃げる状態(光って星のような状態)の時に月が出現すると、
      敵がそのまま動かなくなります。この状態ではフォーンドが出現しない
      ので、永久パターンとなります。

      グラスポーション、チェンジポーションを取ったときはトレミーは無敵状
      態になりますが、アイテム取得時に画面内に残っているサラマンダーの火
      には攻撃判定が残っているので死ぬ場合があります。またケーキに潰され
      ても死んでしまうので注意です。

  ★ フェアリーランドの思い出

    このゲームは全101面という当時としてはべらぼうに長いステージ数を誇っ
    おり、仲間内で情報交換したり上手い人のプレイを見たりしながら、少ないお
    小遣いの中でいかにして先へ進んでいくか腐心したゲームです。
    下手なうちはアイテムランクがなかなか上がらないので残機が貯まらず、40
    面ぐらいで終わってしまうのが普通でした。BGMが変わる50面までいける
    ことなどほとんどありませんでした。たまに調子が良いとスターティアラ連続
    GETで残機が貯まって先へ行けるのですが、未知の領域であるステージはど
    うすれば良いのか判らず考えているうちに死亡。今の財力ならば継続プレイで
    攻略・・・ということもできたのですが、貧乏とアシュラ男爵状態だった当時
    はそんなことは到底できず、面のイメージを頭でシミュレートしながら翌日に
    一から再プレイというのが普通でしたね。
    確か、当時のベーマガだったと思いますが、全ステージの写真が載ったときは
    目を皿のようにしてステージの構成を覚え、実践してダメだったときは帰宅後
    にステージ写真と見ながら再び長考するという手順が、しばらくは日課になっ
    ていました。その労力を勉強に向けていれば・・・と今は思いますが、当時は
    そんなことはオケラのウンコほども思っていなかったですね。我が人生の全て
    はここにあり、という感じで。
    全面で一番苦労したのは99面のY=Xのステージ。ここは壁めり込みを使用
    するのが普通らしいのですが、当時の私はXの角からオークの頭の乗って2段
    ジャンプでYに到達を実践していたので、湯水のごとく残機を消費していまし
    た。今でもここは思い出すだけでも嫌なステージですね。

    上手くなってからは、自分にとっての長時間プレイできるゲームの代名詞のよ
    うなゲームでした。カウンターストップまで不毛に遊びましたし、最大で何機
    まで残機が貯まるかチャレンジしたり・・・(60機ぐらいまではいったと思
    いますね)。ほとんど毎日プレイしていたような気がします。

    このゲームは今プレイしても大変面白いゲームであり、暇があればゆっくりプ
    レイしたいゲームの一つですね。
    名作と思えるゲームって、こういうものなんでしょうかね。

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