見てることの楽しみ
今更ですが、私はダライアスが好きです。
ただ、他のゲームとちょっと違うのは、私がプレイすることがではなく、友人にプレ
イさせて見ることが大好きなのです。
私もいい年の親父(苦笑)なのですが、それでも未だに友人とゲーセンに行くことが
あります。そのときは、私はほぼ決まって友人にダライアスをプレイさせます。
その理由として大きいのは、私も友人も「凄いプレイ」を期待するのと同じくらい
「無様プレイ」というのを求めているからだと思います。私個人の意見ですが、この
ダライアスぐらい事故率・無様率の高いゲームはそうそう無いのではないかと思いま
す。
2P側特等席に座って無茶な要求でプレイさせるダライアスは、点数稼ぎや超絶プレ
イに匹敵するほどのエンターティメント。ヘボったときの友人の「言い訳」を含めて、
至福の楽しみです。
私の観戦するダライアスとはどのようなものなのか、よくある風景であるダライアス
のリプレイを以下に記します。
★
このゲームの場合は、プレイヤーは友人、私は(優秀な)ナビゲーターとなります。
ダライアスにはノーマル、エキストラ(厳密にはノーマルにも新旧ありますが)の2
バージョンが存在しますが、レーザー、ウェーブが弱いという点を買って、私的には
ノーマルでプレイさせることにしております。
ナビゲーションするルートは主として2つで、最後にイカのゾーンにたどりつかせる
場合はA−>B−>E−>I−>N−>T−>Y、クジラのゾーンにたどりつかせる
場合はA−>C−>E−>I−>N−>T−>Zです。最初のBとCの違いは、イカ
のゾーンではバリアをスーパーのままで進まないと危険なのでバリアの多くでるBへ、
クジラの場合はバリア切れでの力負けによる敗北期待値が高いのでミサイルの多くで
るCへ行かせるわけです。
このルートでの最大の醍醐味は赤の少なさ。全ての赤を逃さず取っていったとしても、
ウェーブには最後のゾーンまでなることはできません。特にIゾーンでのピラニア戦
は赤2段階のレーザーで対戦というかなり厳しいもので、しかも次のNゾーンでは赤
が1個も出ません。そのため、このあたりでのポカミスをかなり期待できます。
さて、とりあえず友人を1P側に(無理やり)座らせ、私は2P側でナビゲーション
スタート。手始めはAゾーンですので指示は「とりあえず進め」にします。
特に問題の無いAゾーンですのであまり期待はできませんが、欲張りな友人は点数を
無理に狙って弾を浴びてくれることがあります。もし、バリアがここで痩せたりした
場合には「下手だね・・・」と優しく声援を送ってるのを忘れてはいけません。
まあ、Aゾーンでは死ぬことはまずないので、何発バリアに弾を喰らったかをなるべ
く正確に記憶し、次に行くゾーンを決めることにします。今回は、バリアの被弾数が
多い模様なのでCゾーンを選択です。
Cゾーンにはトモヤマやワ・ガセハなどが出現しますが、弾速が遅く被弾はあまり期
待できないので、ここは撹乱戦法を使用します。
「次の編隊、青じゃなかったっけ?」と次のアイテム出現を予告し、3つのうち1つ
くらいガセを混ぜます。このガセも「1編隊前で間違う」「アイテムの色を間違う」
など「本当に間違えたんだよ」という言い訳がたつようにすることを忘れてはいけま
せん。ガセと誠を織り交ぜることで、相手が信じようが信じまいが精神的に焦りを誘
うことができるので、さも親切そうに、かつ、ほどほどにナビをしていきます。
Bゾーンを突破したら、次はEゾーン。ここは海のゾーンですが空中物にセトア、砲
台としてワカサ(連射砲台)、ニータササ(回転砲台)などが出現する厄介なゾーン。
友人の顔も少しマジになります。ここではプレイヤーの注意はセトアとワカサに集中
しているので、むしろ余計なことは言わずに黙っているほうがベター。というのも、
バリアは上下から出現するホルムが持っている場合が多いので、そのほうが逃がして
くれる可能性が高いのです。そして、アイテムを逃がしたのを確認してから「青、逃
がしたよ」と報告することで、「えっ!?」という驚きを誘うと同時に次の行動を遅
らせて被弾させる確立を高めます。ここで大量に被弾してくれれば、友人の頭の中で
は「もしかして・・・やばいか?」という気持ちが芽生えてきますが、あえてそれを
指摘せずに次に行かせます。
Eゾーンのザリガニを倒したところで、ナビゲータの私に選択肢があります。
それはここまでの被弾数があまりに多い場合に、IゾーンではなくH−>Lと進ませ
るルートです。これはHゾーンで赤が1つしか出ない(Iゾーンは2)ことを利用し
てピラニアで死亡または丸裸にしてしまい、次のLゾーンで全滅=終わりが期待でき
る場合に使用します。ただし、Lゾーンを抜けられてしまうと途端に難易度が下がっ
てつまらなくなるので、HorLで確実な死亡が期待できるときに選択します。今回
はまだ頑張れそうなので、いつものとおりにIゾーンへ進ませます。
Iゾーンは都市地帯でゾーンそのものの難易度はやや難。後方からサイクリンが頻繁
に出るので見た目には厄介ですが、慣れてしまえばどうということはありません。
(少なくとも、見ている限りはですが・・・)
全ての期待はボスのピラニアに賭けます。
ここまで全てのアイテムを逃さずとっていると、ショット=レーザーで赤×2、ミサ
イル=ツイン、アーム=スーパーの状態になっているはずです。
この状態での対ピラニア戦は長期戦必死でかなり辛く、友人の目はかなりマジになっ
ています。ここでのナビゲーターである私の役目は、「紅白歌合戦時の日本野鳥の会」
宜しく被弾数を数えてあげること。これは友人の目につくような高さで、無言で指を
折っていくのが作法です。上手くプレッシャーがかかれば、友人はここで死亡=全滅
して「無様な言い訳」の一つも出してくれることになるので、ここはナビゲーターと
しても手に汗を握る瞬間です。
幸か不幸か、バリアが0の状態で友人はピラニアを撃墜しました。ここは「よくやっ
た」と口では誉めておきますが、心の中では軽く舌打ち。次のNゾーンに期待をかけ
ることにします。
Nゾーンは宇宙洞窟。このゾーンはノーマルのダライアスで最もパワーアップが出な
い(緑×1、青×2)ゾーン。しかも、青アイテムは厄介なフェナ(テレポート雑魚)
が持っているので、バリア0でたどり着いた場合はかなり高い確率で死亡が期待でき
ます。フェナの出現は開幕いきなりから、ここで死ぬことを心の中で拍手を打って祈
りますが、ヘタレながらも友人は突破。しかも、痩せバリアながら1段階のバリアを
残しました。生意気です。
危なっかしいプレイながら、なんとか先に進むシルバーホーク。ここで2回目のフェ
ナが出現。友人はレーサーのギアチェンジを思わせる激しいレバーさばきでバリアを
はがすと、青アイテムを取ります。実はスーパーアーマーになってからは、バリア所
持時に青を取ったときのバリア回復量が2に増えているので、無理にはがさなくても
バリアの耐久力は変わらないのですが、友人は未だに1段階目のバリアははがしてか
ら取ったほうが得と信じているので、私自身、黙って死亡率の高い方法を選択する様
を暖かく見守ります(書いちゃったから、もう使えないけど・・・)。
ボスのキーンベイオネット戦はレーザーの長さはピラニアと同じですが、胸ビレを壊
した後に口の下に張り付いてミサイルで「うがい」をされてしまうと、あっさり倒さ
れてしまうので期待薄。唯一の可能性は位置の調整を誤って最下段で鼻で殴られるか、
口の下に張り付いたときにヤズカ・タカーミが真下から出現して直撃死することです。
が、卑怯にも、友人は背ビレを無視して胸ビレだけを集中して破壊し、ヤズカ出現前
に「うがい」でキーンベイオネットを葬りました。今後は背ビレ破壊を条件に加えよ
うと堅く心に誓いながらも、とりあえずは先に進ませました。
次のTゾーンは隕石のくるバンアレンベルト。ここまで緑を逃がさないできていると、
最初の緑2個でマルチ(萌え)ボムになってしまうので、以下に赤が少ないといって
もアイテムの回収率が飛躍的に上昇してしまいます。イカのゾーンに行かせる場合に
は問題ないのですが、クジラのゾーンに行かせる場合はアームが7個も出てしまうこ
のゾーンはかなり有利。ここはCゾーン同様、撹乱戦法で少しでもアイテムを逃がす
ように画策します。もちろん狙いは赤。ウェーブにするのを少しでも遅らせることで、
最後のZゾーンでの地形ギリギリの砲台撃ちの失敗を誘って地形での即死を期待しま
す。
が、敵もさるもの。緑と青は見送っても、赤だけは必死に目で追っているようで全て
の赤をGET。こうなってしまうと全滅は正直期待できないので、楽勝でアイアンハ
ンマーを屠った友人をガッカリしながらZゾーンへ進ませることにします。
最後のZゾーンは海底基地。出現するアイテムも赤×5、緑×5、青×6と大盤振る
舞いなので、「もう後は好きにしてくれよ・・・」という感じです。ウェーブになっ
てしまうと、地形の影の移動戦車もあっさり始末されてしまうので、期待は前半戦の
み。しかし、青の数を考えるとそれも期待薄です。
狭い幅ながらもウェーブになったシルバーホーク。ラスボスのクジラ戦で「イルカ頑
張れ」と声援を送ってみても、エキストラと違って動かなければ当たらないイルカ弾
では勝負ならずクジラ撃沈・・・。「ツマンネェ〜・・・」という感想を漏らしつつ、
ナビゲータの仕事を終了することにします。
★
この他にも、たまにルートを変えてやることで「金バリアの地形はじかれ」を誘発し
たりするのでたまらないですね。
やるほうはたまったものではないでしょうが、見ていてこんなに面白いゲームはあり
ません。超絶プレイを見るのもいいですが、たまにはこういう心にゆとりを持った遊
び方はいかがですか? 皆さん・・・