毎度のことながら論理のすり替えを平気でこなすこの番組
今回はどんな破綻があるのでしょうか?
「新陳代謝とは」
毎回毎回視聴者を死の淵へと追いやるこの低俗番組。今回は新陳代謝がテーマですが、新陳代謝とは「エネルギーを消費して活動をし、古い細胞が新しく生まれ変わること」だそうです。そして60兆ある人間の細胞は臓器によって細胞の生まれ変わる周期が違い、最長の骨が90日なので、「賞味期限は3ヶ月」としていました。
ここは破綻がないのですが、臓器によって違うといいながら骨が3ヶ月なので「賞味期限が3ヶ月」という表現にまず腰を抜かし、その後の専門家のコメントでイスから10センチ飛び上がってしまいました。
謝礼金のことしか考えてない四国学院大学、漆原教授
「いわば賞味期限切れの細胞が残ってしまうと思います」
こんなおじさんに教授をまかせてもいいのでしょうか?
もうさっぱり訳わかりません。古い細胞の蓄積などありえませんし、細胞はあらかじめプログラムされたプロセスにより生理的細胞死を起こします(プログラム細胞死)。こういう古い細胞の蓄積状態が現実にあるとすれば、それはすなわち死を意味します。もうこうなったらテレビをぶっ壊して屁をこいて寝るしかありません。
ここでスタジオに戻るわけですが、もう触れないでおこうと思ってもやはり堺正章らの頭上にあるオブジェは気になります。ホンマになんじゃこりゃ?そして菊間アナの二の腕のたるみも今回新発掘。あるある女子高生会員のパンチラは発掘できませんでした。おい
「賞味期限切れのメカニズム」
もう導入だけでお腹いっぱいなのですが、ここでは現代人が賞味期限切れの(アホか!)細胞をかかえており、それが全身の機能を衰えさせるとしていました。もうバカバカしくて屁をこいて寝ていたのにたたき起こされてしまいました。
さらに、手入れをしても肌が良くならない、やせない、疲れがとれない、体調を崩しやすい、こういう症状は「まさに腐りかけた身体なのです」とナレーションが入りましたが、私はこの時点で完全に気を失ってしまいました。
失神している場合ではないのですが、続けてなぜ腐る(バカタレ!)のかの説明では、栄養素を作り出す肝臓の機能低下が原因で、それが細胞の材料の不足を招き、結果として細胞の賞味期限切れを起こすのだそうです。なんじゃそりゃ?
そして肝臓が機能低下を起こす原因は脂肪過多やアルコール、ストレスなどだとしていましたが、人間は恒常性維持機能(ホメオスタシス)が非常に精密に働いていますので肝臓がそうそう簡単に機能低下など起こしませんし、肝臓病の状態を説明しておいて健常者を肝機能低下だなどと説明出来るわけないだろ、バカタレ。
代謝に関係する肝臓の説明はこれだけで、ここで例のごとく大きく脱線してしまいました。第二の原因は基礎代謝の低下だとし、新陳代謝とごちゃまぜにしています。基礎代謝とは心臓を動かしたり体温を保ったり等の生きていくために必要な代謝のことです。
そして「現代人は基礎代謝の低下が加速している」とし、TCAサイクルでのATP合成が出来ないために細胞の新陳代謝が低下し、その結果細胞の賞味期限切れが起こるとしていましたが、その状態であれば死んでいます。
さらにお決まりのいいかげんな街頭調査を行い、50人中27人が平均で180Kcal分の基礎代謝が低下しているとしていました。通常肉体的にも精神的にも安静状態で、食後12〜15時間後の消化・吸収終了時の状態を計測するのですが、ここではそんなことはまるで無視。
ですから街中を歩いている人を捕まえてその場で測っても目安になる基礎代謝量は出てきませんし、身長によっても変わってきます。それに平均より低い人が27人ということは約半分。すなわち平均としてあたりまえの事を大げさに放送しているだけのことです。
ここで被験者の10年後の太った姿をパソコンの画像で映し出し、「すべて新陳代謝の低下が原因で、賞味期限切れのふきだまり状態」としていました。この説明に再び意識を失い、我に帰った私は50メートル程全力疾走していました。ぬおおぉぉぉ〜〜
「たるみと新陳代謝」
あまりに脱力させられるのでもうどうでもいいのですが、ここでも番組はどんどん加速しながらとんでもない方向へ転がっています。賞味期限切れ細胞の原因は基礎代謝の低下だとし、脂肪が増えた10年後の体型予想を見せておいて、「たるみとは賞味期限切れのふきだまり」だとぬかしていましたが、あまりの屁理屈に私は失禁してしまいました。
そんなふきだまりは筋肉量の低下が原因で、そうなるとエネルギーの消費の低下が起こり、それがすなわち新陳代謝の低下だとするどうしようもない短絡的な思考。老化と共に徐々に現れる筋肉量や臓器重量の減少にともなう基礎代謝量の自然な低下だけに着目し、細胞の再生についてはすっかり忘れ去られています。生体の代謝をエネルギーの側面からとらえただけで新陳代謝だとは、私はアゴがはずれてしまいました。
で、結局筋肉の新陳代謝の低下が起こると身体を支えることが出来ずにたるみが出るのだそうです。番組では「筋細胞の賞味期限切れでふきだまり状態」としていましたが、アホかほんまに。この時点で気がふれた私はテレビを風呂場でゴシゴシ洗ってしまいました。
たるみは本来老化に伴うムコ多糖類(ヒアルロン酸やグルコサミン、コンドロイチンなど)の減少が肌の弾力性に大きく関係していますので、筋肉の減少や肥満状態だけで「たるむ」とする内容を見ていると、やはりイスごと後ろにひっくり返ってしましました。このゴミ溜めどもめが。
「新陳代謝UPの新物質」
さて、ここまで大きな勘違い理論を展開しておいて、さらに「これで終わるあるあるじゃーございません」などと堺正章が言ってましたが、もう止めときなさいよ。ここでは毎回なんの参考にもならない対処法の紹介です。
番組では「最近の医学理論を徹底リサーチ」などと銘打って映像を見せていましたが、その調べる方法は驚くなかれなんと電話。「せんせー、お願いしますよ〜。謝礼弾みますから〜」なんて言ってんだろうな、どうせ。この映像を見た私はテレビのリモコンをむしゃむしゃ食べてしまいました。
ここでは新発見としてUCP(アンカップリングプロテイン)という物質が登場していましたが、これはよくわかりません。番組によればTCAサイクルとは別のエネルギー消費工場だそうで、「TCAプラスUCPで細胞の生まれ変わるスピードがアップする」としていました(ありえません)。こんな説明が付くぐらいだからどうでもいいものに違いありませんが。
そしてUCPは脳に働きかけるのだそうで、アドレナリンが分泌されると脂肪酸が増え、それがUCPのスイッチを入れATPも活性化するのだそうです。ここでどうにも見過ごせない専門家のおばさんのコメントが入りました。
国立健康栄養研究所、笠岡医学博士
「基礎代謝に最も関係していると考えられるUCPは肩甲骨と肩甲骨の間に最も多く存在しているのです」
このおばさんは一体何を研究してるのでしょうか?
番組では呼称が出てきませんでしたが、これは体温維持の為の熱を産生する「褐色脂肪組織」のことです。熱を発生する主役の肝臓や、量が多いために結果として最大の熱量を発生する骨格筋が未発達の新生児では褐色脂肪組織が大切な熱産生の役割をしているのですが、基礎代謝に最も関係するのはやはり骨格筋や肝臓、心臓などです。
さらにやめておけばいいものを、「効果が検証されたものを紹介しましょう」と、あたかも効果があるかのような解決法を紹介しています。その方法をみるやいなや、私は2階の窓から脱糞してしまいました。
まずは脂肪酸を摂取する、つまりEPAやDHAを摂ればUCPが活性化するそうです。勘違いした視聴者が魚をむさぼり食わないか心配です。あ、基礎代謝はあがらないけど別にいいか。しかし筋肉量を増やさないで青魚を食べて基礎代謝がアップするとは、この時点で私は風呂で洗ったテレビにリンスをしてしまいました。
お次がいつものカプサイシンとカフェイン。これがアドレナリンの分泌を促進してUCPを活性化し、30分から効果が出て3〜4時間は持続するそうです。よって3〜4時間おきにコーヒーを飲めばいいとする乱暴な結論を強引に導いています。これは効果がないばかりか胃が弱い人の胃粘膜障害が心配です。
カプサイシンについてはこのサイトであちこち書いていますが、もう一度。ねずみちゃんでは褐色脂肪組織の割合が人間よりはるかに多く、そんなねずみにカプサイシンを与えて体重が減少したので「やせる」としているだけのことです。人間での効果はまずないと思って差し支えないでしょう。
コーヒーのカフェインも確かに中枢神経興奮作用があり、これが代謝をわずかに上昇させることは間違いないことですが、これで基礎代謝が増えるかといえばそんなことはなく、さらに基礎代謝とは安静時の代謝量ですから興奮して基礎代謝がアップするという説明は屁理屈以外の何ものでもありません。
さて、今回はこの番組らしさがモロに出ていて私は気を失ったりひっくり返ったり大変でしたが、番組はここで終了です。
最後のナレーション
「新陳代謝の復活には肝機能と基礎代謝のアップ、さらにエネルギー消費物質の活性が欠かせないと心得よ」
とまあ、このようなお粗末極まりないバカバカしい結論になるわけですが、番組の言うような方法で新陳代謝がアップするわけもないですし、そもそも新陳代謝や基礎代謝自体を大きくねじまげて解釈しています。ですのでコーヒーを飲んだり唐辛子を食べたって基礎代謝はアップしません。
さてと、明日から唐辛子を噛みながらコーヒーをがぶ飲みするとするか・・・
基礎代謝アップ間違いなし!
なんでやねん