花粉症

詳しい原因が未だ不明なスギ花粉症。
こんなデタラメ番組に何がわかるというのでしょうか?
「花粉症とは」
導入はいきなりこんなナレーションから始まりました。



数多くの現代病を解明してきたあるあるが満を持して最強の現代病に挑む」







え?今までに一体何を解明したんだ?


毎回毎回視聴者をおちょくっておきながら、よくも平気でこんなことが言えるものだな。さて、毎日アミノ酸を飲むとするか・・・


続いて導入では、スギ花粉症は戦後の植林計画で大量に植えたスギが原因だとか、1980年代から増え始めたとか、都心部では5人にひとりが花粉症だとか、将来3人にひとりが花粉症になる可能性があるとか、このあたりの説明は間違いないようです。こんちきしょー。


ここで花粉症に苦しむ美容師の映像が出ていましたが、彼らは鼻に詰め物をしたりしていました。そんなことせずに、どうせなら鼻水ヘアパックでも考案すればよかったのに・・・


そうなると花粉症の美容師5人は女性客の周りに全員集合です。遠慮なくくしゃみを連発し、鼻水を客の髪の毛に垂れ流すのです。自然に垂れるのでは間に合いませんので、この際手鼻でひっかけます。「じゅるるー、しゅっ、しゅっ」やがて髪の毛が鼻水でベトベトになった頃、ケープを掛けられ両手が使えない女性客は床に到達するほどの鼻水を垂れ流し・・・


さらに「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ」が4大症状だとし、その反応は侵入者から身体を守る防衛反応ということです。そうですね。で、IgE抗体と花粉の反応でヒスタミンは鼻水を、ロイコトリエンは鼻づまりをそれぞれ引き起こすと明確に分類していましたが、ロイコトリエンは気管支平滑筋収縮作用や細動脈収縮作用、血管透過性亢進作用が強いものの、ヒスタミンも当然関係しますので、ここは説明としてはどうも変。


そして粘膜の機能低下の原因が3つあるとし、花粉をはじめハウスダストやダニなどの異物の増加、排気ガスなどの化学物質の増加、空気の乾燥が関係し、その状態ならば「粘膜での異物の処理スピードが低下する」としていました。ここも問題ないのですが、処理スピードというより害のない異物に過剰に反応してしまう免疫反応の暴走が原因と言えますので、通常は処理されないと考えていいのではないでしょうか。



「ある子のコーナー」
ここでは鼻づまり解消法に的を絞って説明していました。甜茶、シソ、ペパーミントガムなどが鼻水の原因ヒスタミンを抑える効果があるとし、ロイコトリエンはサバやマグロなどに多く含まれるEPAやDHAによって弱体化させることができるそうです。


ここでの青魚を3人に1週間食べさせて症状が改善したとする実験はどうでもいいとして、実際問題として甜茶はよくわかりませんが、シソ油にはαーリノレン酸が含まれ、これは体内でDHAやEPAになります。そのDHAやEPAは血栓を予防したり免疫を抑える効果はありそうです。


ただむやみやたらとむしゃむしゃ食えばいいのではなく、普段の飯をバランスよく食べながら青魚を上手に取り入れるということが大切です。一応言っておきますが、健康食品のEPAやDHAはしっかりしたメーカーのものを利用しないと酸化しやすく効果が全くないモノがありますので、やはり青魚を食べるという方法で摂取したいものです。さてと、明日から青魚を食うのを止めるとするか。



「花粉症の真犯人」
ここでIgE抗体の産生をコントロールするという物質「Th2」が登場し、異物が侵入するとTh2がIgEを増やすのだそうです。そして「現代人はこのTh2が活性化しすぎている」としていました。番組では解説がなかったのですが、Th2はマクロファージからの侵入者情報を攻撃役のB細胞に伝達する役目をしているヘルパーT細胞の一種です。


そのTh2はインターロイキン4という物質を産生し、IgEを増加させるのがインターロイキン4、減らすのがインターフェロンというわけです。話は難しいのですが、つまりTh2の働き、言い換えればインターロイキン4の産生を抑えればIgEの産生が減り、結果として花粉に対して過剰反応が抑えられるということを番組では言いたいようです。ここはわからなくてもよろしい。


ここ難しいです。冒頭で堺正章が「ついに真犯人を見つけました」なんて言っていましたが、ここで登場する「Th2」は別に新発見でもなんでもありません。最近の研究であることは間違いありませんが、Th2が活性化するというのがどうもわからん。活性化したから花粉症になったんじゃなくて、過剰反応の結果としてそうなったことに屁理屈をこねているのか。


そしてTh2が活性化しすぎる原因が食生活にあるとし、ニワトリやイクラ、ウニ、タラコなどの卵類、肉類全般に含まれる異種タンパク質を現代人は多く摂り過ぎているということです。「異種タンパク質」という概念はDNAの突然変異や欠損から生じるものですからおかしいのですが、そうですね。食生活の乱れはアレルギー反応を起こしやすくします。


ですが、そんなに単純なものではないですし、自律神経の働きを乱すストレスにも深い関係があります。よくわからないと正直に放送しなさいよ、まったく。


どうして異種タンパク質がTh2を活性化させるのかは、腸内で悪玉菌が増えるために腸粘膜に穴があき(なんじゃそりゃ?)、そこへ異種タンパク質が接するとIgE抗体が作られるからで、下痢が鼻水と同じ状態だとしていました。ん?変だぞ。そしてTh2は全身の粘膜を監視していることから弱い鼻の粘膜を重点的に強化するのだそうです。おや?なにかおかしいぞ。


食物アレルギーにも即時型アレルギー反応にIgEは関係するものの、原因食品は鶏卵、牛乳、鶏肉、小麦、大豆、それから魚、え〜っと貝、そいでそば粉、う〜んピーナッツ、お次はチョコレート、うむぅ〜キウイ、パパイヤ、う〜んう〜ん、え〜い、もう思い出せんわい。などです。これらは喘息やアトピーにもかかわっていますので、花粉症にも関係あるっていうことで、なんだ正しいじゃないですか。それにしても強引だな。


しかし腸と鼻の粘膜を同列に解釈できるのかということがさっぱりわかりませんし、未だに詳しい原因は不明なのに、そんな短絡的な発想で花粉症を解明したつもりになってもらっても困ります。しかもこんなへなちょこ番組に解明されたら、たまったもんじゃありません。ワシが泣きます。


ここでスタジオに帰って「まとめ」をしていましたが、花粉症の真犯人ということで箇条書きで罪状を読み上げていました。


真犯人→Th2

容疑→花粉症を引き起こす

プロフィール→全身の粘膜を守り、侵入する異種タンパク質を撃退

罪状→IgE抗体を大量に出し、花粉症を起こす


さて、今回の放送はいいして、いつものあるあるを見てみると・・・



真犯人→番組スタッフ


容疑→視聴者をたぶらかした


プロフィール→何も考えていないノータリン軍団



罪状→社会に混乱を引き起こし、健康を損なわせた


とまあ、こんな感じかな。ふっ



「対処法」
ここで2つの対処法が出てきましたが、悪玉菌が全て悪いとする強引な展開から出てきたのはなんとヨーグルトと30分間のウォーキング。毎日ヨーグルトを食べて適度に運動している花粉症の人を、どう説明するのでしょうか?しかも花粉が飛びまくっているこの時期に外を歩けとは。このバカタレが。


番組によれば「ヨーグルトが善玉菌を増やし、腸内細菌バランスを整えるので穴だらけになった(なんじゃそりゃ?2)腸粘膜を修復し、運動がナチュラルキラー細胞を活性化させるのでTh2を正常に働かせる」としていました。


番組ではナチュラルキラー細胞がTh2を抑えると説明していますが、ここは変です。それにしてもそんなに単純なもんじゃないってば。あくまで仮説でしょ仮説。さて、雪印のヨーグルトを毎日食うとするか。


しかし適度な運動は身体を鍛え、粘膜の強化に役立つのでいいものの、ヨーグルトに含まれる乳酸菌はほとんどが胃の中で胃酸によって死んでしまいますので長期間食べ続ける必要があります。まあ、毎日食べたい食材のひとつに変わりはないので、何も言いますまい。このアホンダラ


毎回毎回国民全員を病気にしておいて解決法をしゃあしゃあと放送していますが、花粉症に大切なのは、まずは抗原を知り避けること、身体を鍛える又は適度な運動、ストレスをためない、睡眠は十分とる、バランスの取れた食事、こういった健康に過ごすための基本になるわけで、番組が言うような青魚をどか食いしたり、ヨーグルトをむしゃむしゃ食ったりするだけで解決するわけではありません。


今、例の雪印食品や肉の卸問屋の偽装、野菜産地の偽装などで食の安全が崩れてきています(たぶん常習)。これは今に始まったことではなく、高度成長期以降から我々が口にしているものは、ジャンクフードを代表として化学肥料や農薬漬け、防腐剤や発色剤などの添加物がたっぷり入ったトンデモない食品ばかりです。こういった食の崩壊がアレルギーを助長しているのではないでしょうか?



最後のナレーション
「花粉症は腸内細菌と免疫バランスを整えることで改善できると心得よ」






おまえにわかってたまるかよ(号泣)



ちなみに現在アレルギー反応の原因になるIgE抗体を抑える治療法が臨床試験中で、早ければ2004年に承認されるそうです。詳細は不明。




<3/8追記>

掲示板でHN285さんからご意見がありましたので、紹介しておきます。
要約すると、腸と鼻が同列で関係しているなら、ヨーグルトを効果的に摂取する方法は・・・





鼻から食べるのが最善策


というご意見です。おもしろい発想です。


<さらに追記>

今回の放送はどうしても腸管免疫と鼻粘膜の関係が納得できないので、調べてみました。


名古屋大学医学部生体防御研究所、吉開教授によると、

●腸管は多種多様な微生物や食物抗原に対して巧妙な免疫応答を行う

●免疫応答の中心的役割は、パイエル板、粘膜上皮細胞、上皮リンパ球および粘膜固有層に存在するリンパ球などの消化管関連リンパ装置である

●腸管粘膜面で感染防御に最も重要な役割を担うのが分泌型IgAである

タンパク抗原に対しては通常全身性の抗原産生等の全身免疫応答は行われない

●これを免疫学では傾向免疫寛容が成立していると言う

●一般に毎日食べている少量のタンパク抗原に対してはインターロイキン4産生Th2細胞の誘導は抑制されており、抗体産生を抑制している



これが崩れたらアレルギーが起こるということか・・・







ますますわからなくなりました



っていうか、解明してないからアレルギーは治らないんです。



あるある大事典よ・・・






今回はこれぐらいで勘弁してやろう

(やはり号泣)