今回は熱帯地方のお茶がテーマ。
暑い夏を乗り切るすごいお茶とは・・・
「日本の夏の熱帯化」
日本の夏が熱帯化してきているそうです。「大阪湾で熱帯魚の稚魚が発見されたとか、東京の熱帯夜が増え続けているとか、熱帯植物が仙台で発見されたとか」、とかく一部を取り上げて全てを言いきるのはこの番組の特徴なので仕方ないですが、なんせ大げさ過ぎです。まあ、実際は日本に限らず、二酸化炭素の排出量が増えたことによる「地球温暖化現象」で世界中の気温は確かに上がっています(100年間で世界の年間平均気温は約1度上昇)。しかし、夏は暑いのが当たり前で、時には冷夏もあったりするけど、今年の夏が結構暑いので、こういうこじつけを考えたんでしょうか?導入から強引です。
「日本の夏の熱帯化と熱帯産の健康茶の増加これらが同時に起こるのは単なる偶然ではないのか?」
はい、偶然です。いつも通りの展開で安心しました。最初の導入でのこじつけがここで大幅に飛躍します。「ドラッグストアーの異変?」笑っちゃいます。うち薬屋ですけど熱帯化と健康茶はなんの関係もありません。念の為。
「早速、スタッフが熱帯の各地域に出発」
さすが高視聴率番組、スポンサーからのCM料がたくさんあるんですねー。やはり海外に飛ばなくては「あるある」の名が泣きます(笑)。フィリピン:「暑くてもあのお茶があれば問題無しさ」、ブラジル「冷房が効いていてもこのお茶さえあれば身体はホカホカよ」 南アフリカ「ここでは"驚異のお茶"と呼ばれているんだ」・・・たった数人のそこいら辺のおじさん、おばさんへのインタビューが終わったところで出てきた言葉が
日本の暑い夏を乗り切るには熱帯のお茶しかない!!!
だそうです。そんなアホな〜
「南アフリカのお茶は夏の疲れに最適!?体内を潤す秘密を徹底追及」
ここからが本番です。ここではルイボスティーを取り上げています。ルイボスティーを飲み続けている人に聞いてみた「身体の中からだるい物がとれる感じがする。夏バテしなくなるかなという気がする」 (愛飲歴2年 片野さん)・「ここ何年かは熱帯夜で寝れなかったということがない」 (愛飲歴8年 山元さん)やはり暑いところで育つ植物は暑い時に良いのかもしれない・・・。もうお分かりですね?このコメントにはなんにも意味がありません。「感じがする、気がする」は気のせいです。寝れるというのもルイボスとは無関係です、ハイ。
「その謎を解明すべく南アフリカへ」
ご苦労様です。ここで一般家庭にどこでも常備されているとか、スーパーに行けばたくさんあるとか、カフェのメニューにあるだとか言っていました。日本で言うコーヒーや紅茶になりますね。さらにルイボスティー協会にまで押しかけ、資料を漁り、ついに見つけました「とても暑く疲れる日のハイキング後の水分補給などに最適」(←そんな日にハイキング行くなよなー)と書かれた資料を!おいおい〜それだけかよー。
「乾燥した土地で紫外線を浴びて育つこの植物にはきっとなにか秘密があるはず!」
と言う事で調べたのがナトリウム。ここではそう間違った事は言ってないのでつまらないのですが、水分補給の大切さと、ルイボスティーを無理やり関連づけようとしている魂胆がミエミエ。「ところが夏には一日、5リットルがら10リットルの水分をナトリウムと共に失います。特に現代人は汗腺機能が弱っているため更に多くのミネラルを失ってしまうのです。」この様に程度の低いおどしをかけて、ルイボスにはナトリウムが多いのでからだに良いとしています(そんなことありません)。夏は大量の水分を失うと言っておきながら、汗の出ない現代人は更に多く失う?理論展開に無理があります、さっさと次に行きましょう。
「実験!ナトリウムを失いがちな日本人の水分補給にも良いのではないか!?」
ナトリウムは不足してないですね。逆に日本人は塩分摂りすぎ。国民栄養調査によると、食塩の1日平均摂取量は約13g、40歳から70歳の平均摂取量はなんと15gにもなります。目標摂取量は1日10g以下、高血圧の人は5g以下です。いかにいいかげんな番組かわかるでしょ?血圧の高い人がこれを実行して血圧上がったらどうするんでしょうか。あくまでも、大量の汗をかいた時以外は考えない方が賢明です。
続いて実験です。男女を6人づつに分け、片方にルイボス、片方に水を1Lずつ飲ませ、30分ごとに採尿し、90分間の総尿量を比較しています。女性は恥ずかしくなかったのでしょうか?。まっ、それは置いておいて、ここでの問題点は、まず被験者が少ない(今回は多いほうかなー)。さらに、各人の状態が「のどが乾いた状態」なのか、「乾いてない状態」なのかで当然結果は違ってくるのに、そういう統一をしていない(例えば全員4時間水分の補給をせず、実験前は排尿するとか)。いつもだが、飲ませる飲ませないだけで判断している(意味ないです)。というように実験にはこれだけの重大な欠陥があります。
結果は、「ルイボスほうが尿の量が少なく(約700cc)、水のほうは尿の量が多かった(約1000cc)」というものでした。小人数で効果があったということは、たまたまそうなった可能性が十分考えられます。それ以前に必ず良い結果が出るように被験者を振り分けたか、もっと多くの人がいたのに、都合の良いデータがとれた部分だけを放送したかどちらかでしょう。単なる余興の範囲をこの実験でも越えることはできませんでした。そして、結論。
「その結果、やはりルイボスティーを飲んだグループの方が排泄される水分量が少なく、体液が回復していることが判明」
尿量が少ないので体液が回復した???この時点で、この番組のトンデモ指数が1000を超えました。番組制作者は何も知らない人間です。人間の体液は、常にある一定の量を保つようにできていて(精神的な影響や気温も関係あるがここでは省略)ルイボスを飲もうが飲むまいが関係ないことです。余分な水分を取れば老廃物とともに排泄されるし、汗を大量にかけば体液を減らさないように尿量が減ります(利尿作用のあるコーヒー等なら別ですが)。こういう人間の排泄機能を無視してルイボスが体液を回復させるなどと平気で言っているのには開いた口が塞がりません。言うまでもないことですが、この実験でわかったことは
「水分を補給してから排泄するまでの時間には個人差がある」
ということです。今度は逆を飲ませて調べて欲しいものです。
「さらに、もう一つ注目すべき情報が南アフリカから届いた」
これは抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、フラボノイドの事について放送されました。確かに抗酸化作用がありそうというのは当たっていますが、まだはっきりわかったわけではありませんし、なにもルイボスを飲めば必ず効くとは限りません。ルイボスをさらに印象づけるために、取ってつけたようなコメントです。また、フラボノイドに脳の老化を抑制する作用があるとしてラットを使った実験を行っていますが、動物実験がそのまま人間に当てはまらないのは医学の常識です。そして最後に番組から一言。
「ルイボスティーは、未知なる可能性を秘めたお茶だったのです!」
結局なんにもわかりませんでした
「未知なる可能性」というのは当然なんの意味もありませんです、ハイ
何も考えずに飲みましょう。
バナバ茶とマテ茶は省略します。これは・・・
「注目されているので不思議な効果があるかもしれないし、未知なる可能性を秘めていると言われて期待されそうなので研究中」のお茶です。
もうおわかりですね?