「自然治癒力を高めて病気に勝つ」と題された今回。
あるある大事典に自然治癒力はあるのか?
はじめに
自然治癒力とは生体が恒常性を維持する機能「ホメオスタシス」により、傷を治したり、病気になっても回復する力のことです。この自然治癒力の低下の原因は、食事バランスの乱れ、過労、睡眠不足、過度のストレス、夜型の生活などが原因です。前々回の酸性体質でも同じ事を言っていますが、人間が健康であるためには番組のいう特定の食品などはあてになりません。そう言うことは無視して以上の点を気をつければ自然治癒力など気にする必要はありません。それでは番組を解説していきます。
「現代人の自然治癒力は低下している」
導入は昔のイメージ映像です。子供が外で遊んで怪我をして帰った時、母親が「ツバつければ治るわよ」と言っていました。その子供は両ヒザのすりむけかたが尋常ではなく血まみれで、ツバで治るなんていうレベルじゃないです(笑)。しょうもないツッコミは置いておいて、年配の人にインタビューです。「自然治癒力の低下を感じた事があるか?」という質問に「若いときは風邪をこんなにひかなかったのになー」とか「傷跡が治りにくくて、跡がのこるんだよねー」などと答えていました。あたりまえです。これを
老化現象と呼びます
若い世代でも「ニキビの跡が治りにくーい」とか「傷跡がなかなか治んなーい」などと水着の若い女の子がコメントしていました。目がクギヅケになったのは言うまでもありません。このインタビューは以前のO脚と同じ海岸で同時にまとめてロケをしたことはこの際目をつぶりましょう。そしてインタビューの結果、若い世代のなんと7割が自覚症状があるというのです。そんなアホな〜。しかしこの番組の対象人数はスゴイです。その数なんと
毎回数千万人!!!
いやはや、日本国民は「あるある」によって大部分が毎回病気にさせられます。
さてその現代人を襲う自然治癒力の低下を証明するためにデータを出してきました。それは「自己防御機能低下率のグラフ」です。グラフによると20年前に比べ20代から30代は3割も自己防御機能の低下があるそうです。しかしこれは「自己防御機能低下率」をグラフにしたものらしいのですが、何を調べたらこの様なグラフが出来るのかがサッパリわかりません。例えばナチュラルキラー細胞の活性を調べるとかならわかるのですが、これには具体的な対象がないです。いったい何を調べたのでしょうか?ひょっとして自覚症状だけでグラフを作ったとか?
さらにその自然治癒力には自己再生能力と、自己防御能力があり、特に現代人は自己防御能力が低下しているとのことです。しかし出所のよくわからないおかしなグラフからこう言われてもなー。確かに今の若い世代は体格は良くなっても運動能力は昔に比べて劣っています。また免疫は生まれてからいろんな異物に接することで獲得していくものです。私がいつも言っている食事バランスの乱れはこういう生体防御機能すなわち免疫機能を低下させます。ここまでは前回と違ってデータ以外はあまり破綻のない導入です。
「自己防御機能低下の原因をさぐる」
以前放送の細胞の再生や外敵からの防御を助ける3戦士がでてきました。私はこの放送を見ていないのですが、番組によるとSOD、顆粒球、リンパ球の3つだそうです。合ってはいますが抗原提示細胞の単球(血液中)=マクロファージ(細胞内)を忘れています。これが最初に異物の偵察をしますので忘れては困りますね。免疫は非常に複雑なのでこの様な説明をしたのか、それとも目に付いた3つを取り上げたのかは定かではないのですが、この3戦士の働きを低下させる原因が専門家の意見として登場です。
日本ヒト細胞学の博士が「現代の15歳くらいまでの生活は、抗体が出来にくい生活」と発言していました。さらに富山医科大学の医師は「現在の食生活に原因がある」としています。これちょっとおかしいです。「抗体が出来にくい」ということは過保護が関係あるとのことですが、過保護になるとわがままになるだけで、抗体とはほとんど関係ないです。外で遊ぶ機会が極端に少ない現代人は昔に比べたら細菌や病原菌などに接触する機会が減るので抗体が出来にくいっていうなら分かるんですけど。
一部アトピーや喘息、花粉症などは抗原抗体反応が異常になった為に起こるので、こう言う表現にしましたが、一部を取り上げて全てを言い切るのは番組ならではの見解です。「食生活に原因」は大いに言える事です。今の日本人は肉の食べ過ぎで、逆に緑黄食野菜や食物繊維、カルシウムは不足しています。食生活、見直しましょうね。
「前代未聞の実験で判明したサーカディアンリズムを壊す原因とは」
お待ちかね、実験です。ここではたった2人の大学生に無理やりむちゃくちゃな生活を3日間押しつけました。A君は幸い11時には寝て、朝8時に起きるというまっとうな生活ですが、もう1人のB君は悲惨です。強引に徹夜させて朝の8時まで寝させずに、朝8時から睡眠をとるという、まるで拷問のような実験です。サーカディアンリズムとは明るくなれば起床し、暗くなれば寝るという人類が何万年も繰り返してきた当たり前のリズムだそうです。正解です、おみごとっ。
ちょっと補足しますと体内時計は25時間周期で毎日1時間のズレを調節しています。太陽の光などの自然のリズム、睡眠覚醒などの生体リズム、食事や仕事などの社会的リズムの3つによって常に恒常性が保たれ、これが狂うとホルモン分泌や身体の各器官が正常に働かなくなります。海外旅行の時差ボケがいい例です。
そうやってB君の地獄の3日間が過ぎました。B君のバイト代はA君より多かったのは言うまでもありません。後でA君と、もめなかったかが心配です。では血液検査です。B君は徹夜した挙句に注射針を刺されたかと思うとかわいそうです。でもバイト代をもらった後のことを考えてドーパミンを出しまくって耐えました。
話しがそれました。血液検査の結果はなんと、不摂生を強要されたB君の顆粒球が上昇し、リンパ球が下がっていたのです。これを受けて新潟大学医学部の医師がコメントしています。「顆粒球が増えると自己細胞を傷つけます」だそうです。顆粒球増加症の事を言っているのでしょうが、実験とこの医師のコメントは何にも関係ありません。反応性の増加として、膠原病(リウマチなど)などがあった時に顆粒球は増えますが、病気の状態です。膠原病は自己免疫疾患のことです。自己免疫疾患は自分の細胞を自ら傷つけるという免疫の異常が起きた難病です。
さてあわれなB君は実験によって生活リズムを狂わされただけでなく、自分の細胞までも傷いたと脅され、精神病にならないか心配です。前代未聞の実験は3日間我慢した大学生を痛めつけ、しかしバイト代をたくさんもらったという、前代未聞の結果が出たのです。
「病は気からのメカニズムとは」
先ほどの3戦士の司令塔は脳がしていると強引に説明していますが、通常脳はそんなこと考えてないです。脳の指令など関係なく生体に進入したウイルス、細菌、原虫、カビなどの異物は免疫機能によって常に排除されています。「あっ、今カゼのウイルスが身体に入ったなー。よ〜し、やっつけてやるぞー」などと誰も考えません。ただし、敵が侵入した際の情報伝達物質は神経、免疫、内分泌には関係はしていますが、まだまだ解明されていないことがたくさんあります。病は気からという現象は確かにありますが、脳の指令が主ではありません。
ここでは東京理科大学講師の発言です。要約すると「脳からドーパミンが出ると副交感神経が優位になりリラックスする。ドーパミンは免疫細胞を活性化しウイルスを殺すリンパ球に直接働きかける」というものです。このコメントはわからなかったので調べてみましたが直接リンパ球に働きかけるという記述は見つけられませんでした。怪しいかな?。さて、このことを確かめる実験がなんと
パチンコ
パチンコで大当たりしたらドーパミンが出てリンパ球が増えるのでしょうか?
では4人の被験者で実験です。実験の前にディレクターが「自腹でパチンコしてくださ〜い」と軽快な口調で言っていましたが、被験者は後でバイト代が出るのでモーマンタイです。しかしその中の1人の女性が下手なリアクションをしていました。いわく「えぇぇぇぇぇぇ〜〜〜」です。パチンコは出れば極楽でなきゃ地獄、タバコの煙がもうもうと舞う中を長時間ずっと同じ姿勢で耐えながら出るか出ないか台を凝視し、リーチなら心の中で「当たれ、当たれ、頼む当たってくれぇ〜〜〜」などと全員が沈黙の中で心の雄たけびをあげる場所です。不健康極まりないですね。
また話しがそれました。で、実験はというと大当たりした女性の血液を調べた結果、SODや顆粒球は変化がないのにウイルスを殺すリンパ球が増えていたと言うものです。不健康極まりないパチンコで健康の度合いを調べるこの番組はいったい・・・
ここでドーパミンを邪魔する物質ノルアドレナリンが登場していました。これはストレスやイライラが原因で出る脳内物質ですが、リンパ球の活性を低下させるそうです。ここでたった1人の主婦で実験です。何もごほうびがない状態で掃除をすればベータ波が多いのでノルアドレナリンが出てイライラしているとの解説です。逆に掃除が終わった後にケーキを食べられるというごほうびがあると、アルファー波が多いのでドーパミンがたくさん出てリラックス状態だと言うのです。たった1個のケーキに反応してしまうこの主婦は・・・
犬ですか?
「自己防御機能をアップさせる食材とは?」
『いままで「あるある」ではいろんな食材をテーマに取り上げたが全ての根底が自然治癒力』と菊間アナが説明していました。今までの食材はこの時点で番組自ら否定されてしまったのです。これは番組の存亡にかかわる重大発言です。自分が掘った穴に自ら落ちてしまうような内容をよくぞ放送してくれた、フジテレビッ! 秋の番組編成でなくなりますか?でもね、視聴率高いんですよ、この番組。どんなにトンデモでも続くんだろうな〜、ブツブツ
いけません、話しがそれっぱなしです。では、自己防衛機能をアップさせる食材とはなにか?SOD活性の原料がマメ、豆腐、タマゴに多く含まれるアミノ酸、それと組み合わせて食べるのが牡蠣、ホタテなどに多く含まれる亜鉛だそうです。しかしアミノ酸が好きですね。組み合わせて食べると言う発想は「おもいッきりテレビ」で放送していました。やはり「トンデモ情報共有協定」は固く結ばれているようです。ちなみに亜鉛が不足すると味覚障害があらわれます。しかし番組が言うように簡単にSODの活性化は出来ませんので、ここでの食材はそんなこと考えなくてよろしい。
で、リンパ球を活性化させるのは「マイタケ」だそうです。そこではD−フラクションなる成分がβグルカンの一種として登場していましたが、番組での解説は「構造が複雑なので、よりパワーがあると推測される」んだそうです。この番組はやはりトンデモですね。構造の複雑さとパワーがあることにはなんにも関係がありません。さらにマイタケをテンプラにする方が成分を逃がさないとしていますが、ほとんどカロリーゼロのマイタケを油で揚げたらなんと100キロカロリー。やはり都合の悪い事は隠すという姿勢は見事に貫いていました。
ついでに言うならβグルカンは分子量が大きくほとんど腸管から吸収されません。巷でアガリクスがガンに効くなどと宣伝していますが、私の意見は「吸収されないのにどうやって働くの?」です。これは消化管の免疫反応を担うリンパ節様装置のパイエル板に関係しているそうですが、確かな研究はないそうです。詳しくは、私も情報を集めているところです。βグルカンは最近の研究で心臓の筋肉に障害が出るのではないかということがわかってきました。これはまだマウスの実験なのでまだ確立されたわけではないのですが、いずれはっきりしてくるでしょう。
「プロバイオティクスとは?」
ここでヤクルトの社員の登場です。「腸内細菌を整えれば善玉菌の乳酸菌を増やし、リンパ球を増やせる」とコメントし、これにはさすがにヤクルトを飲みましょうとは番組では言えなかったらしくヨーグルトを食べましょうとしていました。異議あ〜り。乳酸菌製剤で有名なのはビオフェルミンですが、ヨーグルトであれビオフェルミンであれヤクルトであれ補給しても最大の敵が待っています。それは胃酸です。乳酸菌は胃酸によりそのほとんどが死んでしまいます。腸まで届くのはごくわずかで効果的な方法だとは言えません。ヤクルトさん、いちゃもんつけてすみません。
さらに!と大げさなテロップで視聴者を驚かせて、リンパ球、顆粒球の両方を増やすのが「プロポリス」だと救世主のような形で紹介されました。プロポリスとはミツバチの唾液分泌物と樹脂が混ざったものですが、これが蜂を病気から守る抗菌物質だというのです。これを最初に舐めた人は勇気があったんですね。得体の知れないものを舐めようと思いますか?道ばたに落ちているこげ茶色のカリントウ様物質を拾って食べるのと同じぐらい勇気がいる行為です。
ちなみにプロポリスに注目する医学関係者はプロポリスの製造元からお金をもらっている人だけです。つまり、医学的にはなにも証明されていません。この放送を受けて悪徳業者が
「テレビで放送!プロポリスが免疫を活性化する!!!」
などと宣伝し、はびこらないことを願います。マジで。
「普段からバランスの良い食生活を心がけ自己防御機能を高めよう」
これが今回の結論。しごくあたり前の結論です。皆さんもう忘れたでしょ?今回の内容。
プロポリスを買うんじゃなく・・・
バランスよく食べましょう
今回の感想
変な導入や犬の実験、いや主婦の実験(笑)などはアトラクションとして楽しめました。しかしそんなにデタラメではない内容なのに、最後のプロポリスが一番いいとする内容は社会的影響を考えたらいただけません。いつもどおり最後でめちゃくちゃになるのはワザとしているのですかねー?私には理解できませんが、皆さん誤解しないでくださいね。
プロポリスなど買わないように。
さて次回は・・・「納豆」
全ての根底「自然治癒力」を説明したのに、舌の根の乾かぬうちにまた逆戻りです。
どんなねばっこい展開なのでしょうか?
ちなみに私は納豆大好き人間です。
その納豆ですが・・・
ここで一部を紹介しておきましょう。
納豆には「イソフラボン」という成分が豊富に含まれ、これには女性ホルモン様作用があります。女性ホルモンのエストロゲンが減ると骨がもろくなる「骨粗しょう症」や、更年期の不快な症状の原因になったりします。そこで納豆の登場です。続く・・・