納 豆

「驚異の納豆パワー」と題された今回。
どんなパワーがあるというのか?

はじめに
前回全ての基本「自然治癒力」を放送したにもかかわらず、性懲りもなく一部分を取り上げて今回は納豆。まあ、いつものことなのでこれについては触れないでおきましょう。さて、前回の解説の最後に予告編として大豆に含まれるイソフラボンについて説明しておきました。納豆に限らず豆腐、味噌、醤油などの日本人が日常食べる食材はアメリカでも注目されています。逆に日本はアメリカの食材を次々に取り入れていきました。ハンバーガーやホットドッグなどのファーストフードをはじめ、動物性脂肪の消費量は10代〜20代ではアメリカを上回っています。


そんな逆転現象が今起きています。もちろんアメリカ人の全部が日本古来からの和食にしているわけではないのですが、アメリカでは肉食、バターなど動物性脂肪を多く摂取するために総コレステロールが増加し、それが原因で動脈硬化が促進されています。特に心臓の周りにある冠状動脈の内腔が狭くなり、狭心症や心筋梗塞の虚血性心疾患が多く発症しているのです。


アメリカでは虚血性心疾患による心臓病での死亡が多く、社会問題としての対策が必要になってきています。そのアメリカ医学会が、心臓病死亡率と肉、乳脂肪消費量の関係を検討しました。一般的には肉、乳脂肪消費量が増えると心臓病死亡率が増加するという相関関係を示します。そのためアメリカでは、生活習慣をかえるための試みとして
日本食ブームが起きてきたのです。


前振りが長くなってしまいましたが、納豆はそういった日本食ブームのひとつとして上げられるわけですが、非常にクセのある食品なので誰でも食べられるものではありません。日本人でも「絶対に食べない」と断言する人がいるくらいなのに、はたしてアメリカ人が好んで食べるかどうかは、ものすごーく疑問が残るところです。では番組を解説していきましよう。



「世界が注目する納豆」
「2001年、肉体を病んだ人類が全地球的に注目する日本の伝統的食材・・・それは納豆」

という、もはや
全世界を相手にした



この番組。世界がどうのこうの言ったってこの番組、衛星放送でもしているつもりでしょうか?自分で自分を「すごい」と言うことは、誰も認めていない事の裏返しです。考えてもみてください。私のお店の看板に「ガンをはじめ全ての難病をピタリと治す話題のスーパードラッグ、驚異の効果!!!」などと書かれていたら誰も近づきません。いやその前に免許がなくなります。


さらに続きます。
「ノルウエーでは骨折件数が日本の5倍、オランダは高い喫煙率により動脈効果やアルツハイマーの危険が・・・」

だそうです。ノルウェーに限らず確かに日本人は骨折の少ない人種です。これには大豆製品をたくさん食べるということに関係しそうです。次の喫煙率ですが、オランダでは男性37%、女性30%、日本では男性55%、女性13%というグラフが出ていました。日本のほうが悪いですね。番組ではさらっと流してしまいましたがツッコミを逃れるためでしょうか? 続いてアメリカでは「女性の70%がうつ病に悩んでいる」というナレーションが入りましたが、そんなアホな〜。


アメリカの悩める女性軍から
アフガニスタンに向けて核ミサイルが発射


されないか心配です。


「悩める大国アメリカが選んだ食材もやはり納豆」だそうです。でもね、ごくごく一部の人間が食べているだけですよね? 
それはそれとしてオサマ・ビンラディン氏への報復として納豆責めなんかいかがでしょうか? ビンラディン氏の潜伏先にパックでまいたら食べられますので納豆の中身だけを数千万トン、空からまき散らすのです。納豆まみれで逃げ惑う人々。滑って歩けないばかりか、あまりの臭さに失神者続出、応戦することすらできません。ビンラディン氏の自慢のヒゲには大量の納豆が糸を引きながら垂れ下がります。ラディン氏の怒りは頂点に達し、さらにアメリカへの報復がこれまた納豆。やはり中身だけを空から大量散布です。ブッシュ大統領もネバネバして身動き取れません。もちろん日本は納豆の輸出で大もうけ。いやちょっと待て、原料の大豆はアメリカから大量に輸入しているはず・・・ということは経済危機が叫ばれる現在、これは両国にとって一番いい手段ではないか!!! 
納豆万歳!


「世紀末21世紀、日いずる国、日本から地球を救うもの・・・それは納豆」ナレーションは軽快です。しかし世界を相手にした私の気は重いです。「納豆年間消費量は急激に上がっている。納豆のバイオパワーは食べるだけではない。地球に広がる砂漠化現象に地球規模の救済計画に納豆パワーが使われようとしている」そうです。


そのうち納豆を世界中で奪い合う「第一次世界納豆大戦」なるものが勃発するかもしれません。ここで導入からスタジオに場面が切り替わり、いつものように堺正章の発言です。「健康に悩みを持つ全世界が注目しています、日本だけじゃあございません」との大げさ発言です。「嫌いな方もこりゃ食べないわけにはいかないな」と言っています。嫌いなら食べなくてもいいじゃん。まあ、今回は身体に良い食べ物、納豆だから許しましょう。私も毎日食べてますし。


「納豆菌の基礎知識」
納豆菌の正体は、バクテリア。倉敷芸術科学大学の須見教授が発言しています。「人類が滅んでも納豆菌だけは生き残ると思うくらい強いんです」だそうです。納豆菌を発見したが為に起こる「第1次世界納豆大戦」で人類が滅びても大量にまかれた納豆によって納豆菌は生き残る・・・そういう意味ですか?


 「その納豆菌は人類が誕生する以前、数10億年前から誕生していたのです」と番組ナレーターが入りましたが、それ納豆菌ではなく、バクテリアの事ですよね? その納豆菌は「大豆たんぱく質を食べ猛烈に繁殖する」そうです。つくば大学食品衛生学研究室、熊山助教授によると「大豆が発酵するときには栄養上良い成分がでる」そう
で、100種類以上の酵素が出るんだそうです。


あたしゃ〜ね、納得いかないよー、冗談じゃないっつてんだよ〜〜
(浅香みつよ風)

私はそこまで知りません(涙)。続いて納豆の秘密の解明です。


「納豆ファイブの実力とは」
なんか歌手みたいです。デビューはいつでしょうか?では1番目、ナットウキナーゼは血栓を溶かす作用があり、出来た血栓はナットウキナーゼでしか溶解できないんだそうです。しかし変な名前です。実験では試験管を使って人工的な血栓を作りそこにナットウキナーゼを入れて血栓が半分以上溶ける事を証明しています。ここで先ほどの須見教授がコメントです「出来た血栓を溶かせる食品は世界に納豆しかない」んだそうです。それは試験管の中だけですよね、教授。言葉が抜けていますよ

「試験管の中に作った血栓を」
が。


試験管の中で物を言われては困りますぜ、教授さん。


続いて2番手3番手、老化の原因となる活性酸素を除去する、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)とカタラーゼです。そこで実験。ビーカーに納豆と活性酸素溶液を入れてかき混ぜれば泡が出て活性酸素を分解しました(?)。ビーカーの中ではそうかもしれませんが、人間のお腹の中はビーカーではありません。SODはスーパーオキシド不均化酵素ともいわれ活性酸素を除去する反応を手伝っていますので正解です。しかし、カタラーゼの作用は生体内で生成する過酸化水素を除去することにありますが、生物の生存に不可欠なものとは考えられていないのです。ざ〜んねん


最後のふたつはデンプン分解酵素のアミラーゼとタンパク質分解酵素のプロテアーゼ。アミラーゼとプロテアーゼは腸内の善玉菌を増やすので整腸効果が高まるんだそうです。その説明に専門家の登場です。食品技術センター、細井さんのコメントです。「納豆菌はプロバイオティクスとして最近世界で注目されています」だそうです。


プロバイオテクス
は前回にも出てきた用語で、「腸内フローラのバランスを改善することにより、宿主(人間に)有益な作用をもたらす生きた微生物」すなわち腸内細菌のことです。その腸内細菌のうち悪玉菌は大腸ガンを増やすんだそうです。正解! しかし、前回放送の自然治癒力からスムースにプロバイオティクスをつなげています。見事な展開ですな。


補足ですが、大腸ガンはもともと欧米人に比べ1mぐらい腸が長い日本人が穀物主体から肉食主体にかわって来たために増えているものです。なぜ欧米人より腸が長いかというと、消化吸収の悪い穀物を食べてきたために必然的に長くないとうまく消化吸収できないためです。日本人はやはり穀物主体で食べるような胃腸になっています。


ところで焼肉をたくさん食べた翌日、強烈なニオイのするウンコをした経験は誰でもあると思います。この強烈なニオイが腸内の異常発酵の証拠です。さて善玉菌を増やすのに納豆よりヨーグルトの方が善玉菌は増えるのでは?と言う事で実験です。(前回私が指摘した、乳酸菌が胃酸で死ぬということがわかったのでしょうか?)



「あるある大実験!ヨーグルト対納豆」
ここでヨーグルト2人と、納豆3人に振り分け、たったの6日間おのおの毎日100gを食べてビフィズス菌を調べました。結果は納豆を食べた方がビフィズス菌を増やす作用が大きいことがわかりました。ここで専門家の意見です。先ほどの、つくば大学、熊山さんのコメントは「納豆菌は芽胞(胞子)になることで腸まで届く」ということでした。ここでの結果はもろに個人差です。映像ではシャーレにビフィズス菌を培養していましたが、どうやって人の腸内にあるビフィズス菌を抜き出したかが個人的に非常に興味があります・・・

ウンコからですか?
 

さらに、たったの6日で善玉菌が増えるというのもかなり怪しいです。そんな簡単なもんじゃあないですよ、あるあるさん。


通常腸内は前述の乳酸菌などの善玉菌と、大腸菌ウエルシュ菌などの悪玉菌がいるのですが、ただ単にビフィズス菌を補給しても簡単には増えません。なぜなら腸内に存在できる菌数は限られるからです。例えば県営住宅のようなものを想像したらわかるのですが、全室入居者が入っていたら当然すご
く良い人でも新しくは入居できないわけです。


たとえばロビーでウンコをしたり、エレベーターのなかでゲロ吐いたりオシッコをするような悪い住人がいても簡単に追い出すことができませんよね(例え最悪?)? そういう現実を考えたら住民が県に対して抗議をしたり住民集会で退室してもらおうと決めたりするでしょ?そうこうしてやっと退室してもらい、良い住人が住めるわけです。腸内も同じ事で、悪玉菌を追い出さないと善玉菌が住めません。例えば緑茶などに含まれるカテキンなんかは悪玉を追い出すのに有効です。


結論については番組では「腸まで届くという納豆はミラクルな食品」だそうです。間違いじゃあないんだけどねー。ちきしょー


「海外で注目の納豆のミラクルパワー」
アメリカは更年期障害が日本の3倍だそうです。実際には3倍かどうかはわかりませんが、確かに欧米人は更年期障害が日本人に比べて多いです。これには動物性脂肪を多く食べる食生活が深く関連しています。更年期障害とは閉経前後の2〜3年に現れる女性特有の症状で、エストロゲンというホルモンが減ってくると起こるいわゆる不定愁訴です。


欧米人が納豆に注目しているかどうかニューヨークへ、久々の海外取材です。スタッフが派手な黄色いジャンバーを着てニューヨークの街中を走りまわっていましたが、いき当たりばったりの取材がバレバレです。そうやって走り回った結果、たった1軒の自然食品店に押し入り・・



「フリィ〜〜ズ」

などとは言っていないようですが、それに近いコメントの要請です。「納豆は以前は日系人しか買わなかったのに、今ではいろんな人が買っていくんですよ〜」だそうです。


偶然を装って打ち合わせどおり、カップルの登場です。その女性のコメントは「更年期が楽になったわ〜」だそうです。この人30歳でもう生理がないのでしょうか? 
大丈夫かジェーン


先ほどのカップルの家に無理やり押し入りました。この夫婦の家庭で食べ方を観察です。ここでは納豆にハチミツをたっぷりとかけ、更にごまを混ぜてクラッカーに乗せて食べていました。言うまでもない事ですが、アメリカ人すべてがこのような奇怪な食べ方はしていません。おえ〜〜、失礼。


さらに寿司バーでのインタビューでは「納豆巻きは週に一回は食べているわ〜。冷え性や更年期の症状が和らぐような気がするの〜」などと若い女性がコメントしていましたが、単なる気のせいです。
週1回の納豆巻きで解決はしないの
だよナンシー


ここまでの3人へのインタビューを受けて
「アメリカでは更年期が気になる女性に支持されているようです」

と番組の解説が入りました。この番組に・・・
統 計
という言葉はないのでしょうか?


さらにノルウエーでは緯度が高い為、日照時間が短いので骨粗しょう症が社会問題だそうです。これにはビタミンDが関係していると番組では解説していますが、ビタミンDはそんなに日照時間を気にしないといけないぐらいシビアなものではないです。体内生成できますし、日光浴は1日5分でOKです。


続いて病院では骨粗しょう症の治療にビタミンK2を使うとのことでした。これに関連して40代男性のインタビューでは、「長期入院をした時に骨密度がかなり落ちちゃってねー、ビタミンK2のサプリメントでだいぶ改善されたよー」だそうです。入院して寝ていたら歩くことをしないために、両足に負荷がかかりません。これが骨量を減らすのですが、歩けるようになったら自然と骨量も負荷により回復します。
ビタミンK2だけでなく、身体への負荷、カルシウムの補給の結果だよジョン


尚これらのアメリカ人の名前は私が勝手につけたものです。


「日本の納豆消費には骨密度は関係あるか?」
と言う事で納豆を大量に食べる福島市の6人、納豆消費が最低の和歌山市の6人、いずれも閉経後の60代後半の女性の骨密度の計測です。結果は和歌山が少ないということでした。被験者の数が少ないので個人差が大きく、カルシウムの摂取量にも関係しますので、この結果は?ですが、さらに番組では、納豆消費量と骨折のデータを日本地図で出してきて、その分布が見事に一致すると豪語しています。


特に異議はありません(泣)



この後スタジオで納豆の臭みや苦味、ネバネバを克服すると題して色々混ぜていましたが、ニオイが気にならない私にはどうでもいい実験です。でも食べられない人は試してみてもいいかもしれませんね。


「未知の成分が含まれた納豆は全世界が注目すると心得よ」
これが今回の結論。あれ、こんだけ解明しておきながら未知の成分?全世界は注目しませんが、なんと自信のないことで。そんなことは抜きにしても納豆は毎日食べたい食材。トンデモ取材はありましたが、今回は・・・


納豆食べましょう(泣)


今回の感想
冒頭の全世界を救うなんていう大げさ極まりない表現を除けば、番組的にはトンデモ学説がなく、安心して見れる内容でした。そのかわり、私のツッコミがさえなくて、単なるいちゃもんのように見えるのが悲しいです。納豆が好きだという個人的な感情が入ってしまうとダメですね。実際に納豆は誰でも毎日食べたい食品ですし・・・今回は負けました。
でもアメリカ人は
絶対に納豆を食べれない人がたくさんいるはずです(負け惜しみ)


注意!
病院から血栓症に使う経口抗凝血薬のワルファリンを処方されている方は納豆に注意してください。血栓が出来易くなる可能性があります。同様に緑黄色野菜も控えましょう。尚、健常者は全く気にする必要はありません。


さて次回は・・・ウオーキング
どんな小走りの展開なのでしょうか?