酵 母


酵母と聞けばダイエットを連想する視聴者は多いでしょう
はたしておふざけ単細胞番組に発掘できるのか?


「酵母とは」
いきなり、8ヶ月で23キロやせたという女性獣医が登場し、そのやせた方法というのはビール酵母とヨーグルトの組み合わせを食ったのだそうです。いやがうえにも視聴者の期待が高まり、そうやって番組を続けて見させる手法をとってはいますが、これは後ほどずっこける。


で、酵母とは7000年前にブドウが偶然発酵した事から利用されているのだそうで、メソポタミアのビール、日本の酒などがあるとしていました。酵母はその名の通り発酵食品を作り出す母なるものだそうです。ここはおかしくない。


そして現在では酒、みりん、醤油、酢、ぬか漬け、そしてビールは製品になる段階で酵母は取り除くのだそうで、残っているのはパン、味噌、酒かすだけだということです。でもなんで取り除くんだ?さあ〜


ここでビール酵母が登場するわけですが、ビールを作る際に出る絞りカスがその正体で、「摂取することで思いもよらない効果が!」という毎度の展開になっちまうわけです。今回の放送ではダイエットがメインになるはずなのに、良くも悪くもインパクトがない。


その酵母は真核単細胞微生物なのだそうで、350種類もあるのに利用できるのは3〜4種類であり、その共通点は「糖を分解しアルコール発酵」することだそうです。しかもその際にビタミンやアミノ酸を自ら作りだし、特に酒かすに豊富に含まれるということです。なので、酒かす漬けを食うときには酒かすを多く残して焼けばいいそうで、これは覚えておいて損はないでしょう。しかし毎日食うわけにはいかないがな。


ところで酒かす以外にも何か発酵させるいいものはないのだろうか?そうか、チンカスを利用するってのはどうだ!チンカスもある種の発酵だ。ということは日本人のほとんどが仮性包茎であることを考えれば、原料は豊富にあるではないか!!!日本中からぞくぞくと集まる大量のチンカス。ついには献血ならぬ献チンカスも開始され、そして製品化に成功。「チンカス漬け」「チンカス汁」「大吟醸チンカス酒」「チンカスビール生絞り」「本醸造チンカス醤油」などのチンカス製品が所狭しとスーパーに並び、そしてついに登場「チンカス楽々ダイエット」・・・・いや、なんでもない。



「ダイエット効果」
ここは視聴者が待ちに待ったコーナーで、もうしびれを切らしてしびれっぱなしだったことでしょう。ここではビール酵母とヨーグルトで23キロものダイエットに成功した人がいると言うことで専門家に意見を聞いていましたが、結局ビール酵母にはダイエット効果は全くなく、どうしてやせるかといえば満腹感と便通がよくなることが根拠だという内容です。ここは全くそのとおり。


これを見たあっしは驚くと同時に身体が固まってしまい、番組終了まで金縛りにあってしまいました。おーなんということでしょうか?この番組の最大の特徴であるインチキを堂々と放送するというのがここでは今までと全く逆で、散々大ウソついといて今更いい子ちゃんになろうとでもいうのか?クソッタレめが。


なぜ満腹感が得られるかは細胞壁に含まれるグルカンとマンナンという繊維が水分を吸って膨れるからで、それがそのまま便のかさを増し、腸の蠕動運動を助けるので便秘解消にも役立つし、腸内環境も整うということです。ここはそうでしょう。ですが、他の食物繊維でも同じことで、野菜をしっかり食いましょうと言った方がよっぽど現実的。


ではどうやって23キロもの減量が出来たかといえば、結局厳しい食事制限に加えてビール酵母とヨーグルトを主体に食っていたからだそうで、ビール酵母の豊富な栄養素が急激なダイエットでも体調を崩さなかった鍵だということです。ただしこの方法ではリバウンド必至。こんな方法はすぐに飛びつくのではなく、3食バランスよく食べ運動をするべきです。ですのでビール酵母はあくまでも食事の補助。ま、言うのは簡単だけどな。


ということで、ダイエットに期待した視聴者はガックリと肩を落とし、肩を引きずって歩いたことでしょう。いつもなら「ビール酵母は至上最強のダイエットサプリと認識せよ」なんてやらかしているところです。しかしここまで正直に放送するのなら、いっそのこと以前放送したダイエット関連、アミノ酸やクエン酸、中国茶やセルライトなんかも「全部ウソでした」と放送したらどうかね、バカタレどもよ。


ちなみにビール酵母を使った医薬品にエビオス錠というのがあります。効能効果は「食欲不振、胃弱、腹部膨満感、消化不良、栄養補給、栄養障害etc」なので、食欲がないなどの理由でバランス良く栄養が摂れない人にはいいかもしれません。



「更なる酵母パワー」
せっかくまともな内容なのに、何かを新発掘しないと番組にならないとでもスタッフは思い込んでいるのでしょう。ここまでで止めときゃいいのに。ここでは肝機能向上、コレステロール低下、免疫力向上を取り上げ、毎度のごとくお祭り騒ぎをおっ始めてました。


まずは5人の男女の血液検査を行い、1週間毎日1杯のカス汁を食わせるとどう変化するかを見ています。いつも言ってますが、このようなアトラクションのような実験からは何ら意義のある結論は出てきません。そんなことはお構いナシにまずは肝機能について。


10人中8人がGOTという数値が低下したそうで、1例では21→14に下がっていました。なので「肝機能が飛躍的にアップ」したということですが、ちょっと待ちなさいよチミ。まずはGOTだけで肝機能を測ることは出来ないということがあげられます。それと肝機能を知る目安としてGPT、γーGTPなどを参考にして総合的に判断するのが当たり前なのに、正常範囲内のわずかなGOTの変動を見て何が肝機能アップじゃ。ここは実にいいかげん。


続いて免疫力向上はNK(ナチュラルキラー)細胞の比率が向上したそうで、それはアガリクスなどに含まれるβーD−グルカンと同じグルカンが含まれるので免疫力が向上したという説明です。グルカンと名が付けばみんな同じだという屁理屈にまずおったまげますが、その効果すら十分解明された訳でもないのに効果があると結論できる事に私は失神しそうになりました。あーそうかいそうかい、そういうことかい。


さて我に帰ってお次が総コレステロール。これも被験者の数値を見て「効果あり」なんですが、これは繊維質の効果か。と思っていたら細胞膜に含まれるエルゴステロールがコレステロールの吸収を阻害するのだそうです。エルゴステロールはプロビタミンD2と呼ばれ、日光に当たることによってカルシウムの吸収に深い関係があるビタミンDに変化する物質ですから、まず関係ない。


ということで、どういうことなんじゃバカタレが。いや、ということで今回は前回と違いまあまあまともな内容です。これを見て毎日かす汁を食う人もいないとは思いますし、酵母が何かということがわかっただけでもいいのか。毎回こういう内容なら何も言いますまい。アホンダラ。しかしあるある大事典よ、一体どうしたのかね。


さて皆さん、今回の放送を見て毎日かす汁を食ったりしないように、そういうモノも含めてバランス良く食べましょう。しかし夏にカス汁を食うヤツもいないか・・・










エビオス錠好評発売中!


おい