毎度おなじみの単品食材追求シリーズ
今回はどんなええかげん情報で視聴者を惑わすのか?
「キウイとは」
キウイは1970年の大阪万博でニュージーランド展に紹介されてから日本に輸入され始めたそうで、1997年にはアメリカのラトガーズ大学で「健康の為に摂取すべきフルーツランキング」の1位にランク付けされたそうです。だからどうした。
そして現在日本ではニュージーランドからの輸入が88.4%にのぼるということです。そのニュージーランドでは日本で言うリンゴやバナナぐらいポピュラーな果物だそうで、実際にオーストラリアはキウイ消費世界一だそうですが、これはさしずめ日本で言うみかんといったところか。
今回はアメリカ、ニュージーランド、中国と「環太平洋をまたにかけたリサーチ」と大げさなナレーションとともに「ゆがんだ身体を正常化するキウイパワーを大公開」だそうですが、番組最後まで見てもアメリカのリサーチはただ1位がキウイと調べただけで後はナシ。私はあまりの大げさなテーマに久しぶりにイスごと後ろにひっくりかえってしまいました。
スタジオでもあるある会員全員が普段食べないとか嫌いとか。おまけに堺正章は「一度も食べたことない」なんて言ってました。そりゃそうでしょ。日本でキウイを毎日むしゃむしゃ食う人がどれだけいることか。いつも言ってますが、この番組は健康を食い物にした特定商品の販促番組です。この腐ったキウイめが。
「キウイの酵素パワー」
ニュージーランドではキウイの酵素が注目されているそうで、日本の6倍もの消費量だそうです。そして病院に来る患者間でキウイジュースがはやったり、果てはキウイカプセルなるシロモノまであるのだそうです。中身は不明ですが、真夜中にビデオカメラを持って住宅街をウロウロする人間くらい怪しいブツです。
そしてオークランド病院では過敏性腸症候群の治療にキウイカプセルを使っているらしく、まだ初期調査中ということです。そこでは下痢に対して驚くことに100%の有効率だそうで、まずこんなことはありえません。これは比較対照試験を行わないで少人数で調べたのでしょう。だから初期調査ということなのか。
ここから番組が勝手に解釈するいつものパターンになるわけです。まずは過敏性腸症候群についての説明です。これの最大の原因はストレスだとし、腸に炎症や潰瘍がないのに下痢、便秘、交互型が3ヶ月以上続くと診断されるとしていました。ここは正しい情報です。
しかし番組はわざとさらっと流してましたが、一番の原因はストレスによって内臓の働きを司る副交感神経系が持続的な緊張亢進状態になることで、結果として腸管の運動亢進、分泌亢進が起きて下痢をする、逆の便秘は腸管の痙攣が原因です。そのほか食物繊維不足も関連しています。ここをよく覚えておいてくらはい。
ではどうしてキウイが過敏性腸症候群に有効なのかの解説です。番組によるとたんぱく質分解酵素「アクチニジン」が悪玉菌の餌である異種たんぱく質を分解して増殖を防ぎ、その結果下痢の悪化の原因である有害物質の発生が抑えられる、さらにオリゴ糖などが善玉菌のエサになる、なので便秘にも下痢にも有効だということです。
はぁ〜そうでやんすか、この屁理屈野郎。別にキウイでなくてもいいじゃんか。で、キウイがいかに腸内環境を改善しようともそれだけで過敏性腸症候群が改善するほどこの病気は甘いものではありませんし、場合によっては心身症的アプローチも必要です。
それにこの話はハッキリ確証されてない海外の得体の知れないカプセルで効果があったということを元に、それを例によって異常に少人数の実験やらお金をもらった専門家のおふざけコメントで遊んでいるだけだろ。だし、そんなに毎日キウイばっかり食えるかよってんだ。ヨーグルトの方がよっぽど現実的。
「ある子のコーナー」
「キウイを食らうと喉がイガイガするのはどうして?」という視聴者からの問い合わせが多数(たぶん)あったので、放送したくないのに渋々取り上げていました。しかしこの番組を見れば見るほどひねくれていくわしゃどうすりゃえ〜んじゃ。いや、そうではなくて。
で、キウイは厚生労働省が指定しているアレルギーを起こす代表的な果物で、食後に胃の不調や口の中の腫れ、喉のイガイガ、かゆみが出たら病院に行きなさいということです。そのとおりです。そういう人は食べないようにしましょう。
ちなみにその他の果物ではオレンジ、モモ、リンゴが表示を推奨する品目に入っています。詳しくは食品衛生法で決められてますので、知りたい人は自分で調べてくらはい。
しかしここは親切情報です。っていうか、番組的にはこれで全てオジャン。シッコを飲むかウンコを身体に塗るかどっちだ、っていうぐらい苦渋に満ちた放送だったのでしょう。アレルギーを起こす可能性がある食品を誰が好き好んでむさぼり食うのだ!好きな人はどうぞ。
「中国のキウイ研究」
中国でもキウイは研究されているのだそうで、60種類以上あるキウイは市場では「果物の王様」と名付けられているそうです。「デタラメ情報の王様」に言われてもなー。そして中国の研究している大学に厚かましく「情報くーださーいよー」と依頼したところ、その返事は「テメーなんぞに教えられるかよっ、バカタレ!」と返答があったそうです。
これは裏を読むと、「はっきりわかってないので公表できる情報ではない」と見るのが妥当なところ。それでも収まりがつかないスタッフは日本の文献を引っ掻き回して見つけていました。
その文献とはキウイが免疫に関わっているマクロファージを活性化させるということが、試験管内で確認されたというもの。こういった試験管やマウスを使った実験は基礎実験といって「効果があるかもしれない」ということを確かめる最初の手順であり、イコール人間で効果があると言うことではありません。
もう引っ込みがつかなくなった番組では、何がなんでも効果があるとしたいようで、少人数に1日2個のキウイを10日間食わせると言う嫌がらせのような実験を行い、おまけに肌にも効果があるというトンデモな結論をしています。今ならなんともう一袋付いてお値段ジャスト1万円!ってな感じだな。
なぜキウイにそういう効果があるのかと言えば、多糖体やキウイポリフェノールという何のひねりもない名前を持つ成分が関係していると推測されるのだそうです。これは推測ですよあくまでも。しかもどれだけの量をどのくらいの期間摂取すれば効果が期待できるのかの説明もな〜んにもナシ。毎度の事ながらほとんどひり逃げ。
「効果的な摂取法」
さて最後のコーナーは、効果的な摂取法をつらつらと放送していました。いわく腸内環境を整えるならばグリーンを熟させて生でやる、いや食うのだそうで、免疫をアップさせるのには固めを選んで煮たものを皮ごと食うと良いのだそうです(そんなことするやついるのか?)
最後にスタジオではキウイの大試食会を開催してにぎにぎしくエンディングを迎えました。今回もトンデモ情報が目白押しでしたが、腸とか免疫とか考えないで食いたいときに食いましょう。今回も役立つ情報はナシでごんす。
最後のナレーション
「キウイは丸ごと摂る事で現代人に必要な健康パワーを吸収できると心得よ」
キウイばっかり食えるかよ