毎回カビだらけの腐った内容を放送するこの黒カビ番組
どんなインチキ胞子を撒き散らすのか?
「カビ天国日本」
「朝起きてくしゃみが出る」「鼻水が止まらない」「繰り返し咳が出る」「熱っぽい」、こんな症状が出る人は全てカビが原因であるとする恐るべき強引な導入です。原因は浮遊する胞子だということですが、いわゆるハウスダストのひとつとして原因にはなるものの、チリや埃、ダニの死骸なども大きな要因。またホルムアルデヒドなどの化学物質も関係します。なのでここはいつものように大げさ。
しかしカビは抗生物質やチーズ、味噌や醤油、酒などの製造に利用されるほか、土壌の浄化の役割もあり有用な反面、梅雨のこの時期には通常の5〜6倍ものカビが発生することで人体に悪さをするのだそうです。
そして日本は湿度が高いという気候風土からカビが生えやすく、さらにマンションなどの住宅環境も原因であるとし、「カビ天国日本に増殖するカビ人間の実態を徹底解明」だそうです。言うことに事欠いて「カビ人間」だとは、あまりの大げさな表現に私は買ったばかりのプラズマテレビを金づちでたたき割ってしまいました。
「カビ過敏症の原因」
番組ではカビが原因の風邪のような症状に「カビ過敏症」などと名づけていますが、そんな病名わしゃ聞いた事がないぞ。番組上勝手に作ったのか?で、カビはもともと土の中にいた微生物で、細菌や酵母も同じ仲間だということです。ここは問題ない。
そしてカビが繁殖する条件は3つあり、まず90%以上の湿度、次に20〜30度の気温、最後が栄養だということで、日本のコンクリート建築の増加やカビの故郷である土壌も少なくなっているのでこれだけカビが生えるということが言いたいようです。
確かにマンションなどは換気が悪くカビも生えやすいでしょう。でも低湿度でも生えるカビもあるけどな。それに、土壌が少なくなる事と家にカビが増えることの関連性がさっぱりわかりません。ネズミじゃあるまいし。と、小さなツッコミをいれてみる。
そのことを確かめるのに今回は1件のお宅のカビ調査をしていました。その家は鉄筋コンクリート工法で建築されているらしく、北側にはいっさい窓がなく、東側も2階に小さな窓があるのみ。その家は全体が「魔法瓶状態」と比喩され、更に西側しか換気が出来ない「押入れ状態」だとしていました。想像してみてください、押入れの形をした魔法瓶を。
で、その家には通常水場にある黒カビが部屋中から見つかったそうで、そうとう換気の悪さが伺えます。ここは演出というより、視聴者からのメールの中から選らんだか、スタッフの家か。まあ、そんなところ。どんなところ?
そして対策法ですが、まずは「ベンチレーション=換気」ということです。これは当たり前の事で何を今更ぬけぬけとっていう感じ。次が「サーキュレーション=環気」と「ドライネス=乾気」で、扇風機で四六時中部屋の空気を動かすということですが、掃除が行き届いてない家庭ではかえって埃やダニを空中に舞い上がらせる可能性もあり感心しません。
更なる対処法ですが・・・
スポンサーの花王様、大変お待たせいたしました
カビにはカビハイターを使いましょう
カビをとる映像では花王のカビハイターが実ににぎにぎしく使われてました。まあ、これは花王の手前しょうがないか。しかしガッテンならメーカーがわからないようにラベルをひっぺがしているところです。このスポンサーの水虫めが。
「カビの人への影響」
ここではカビ過敏症という駄洒落のような病名を持つ症状がどうして起きるのかの説明ですが、花粉症と同じで要は異物を外に出そうとする防衛反応だということです。花粉症と違うところは花粉の30μm(マイクロメートル)に比べてカビは3μmと大きさが1/10程度と小さく気管に入りやすいということです。
ここも特に問題ありません。気管に到達する大きさである10μm以上の花粉は確かに気管まで入りませんし、吸入療法に使われるネブライザーでは大きさが0.5〜5 μmの範囲にあると気道の各部位に比較的均等に沈着するとされています。ちなみに市販の吸入器は鼻、喉までしかエアロゾルは届きません。
ただしこの後の内容はいただけない。気管に到達したカビが胞子を出して増えた結果さらに肺炎や喘息を起こすとし、それが吸い込んだ人全員に起こるという内容ですが、健常者ではまず見られません。これを見た私は割れたプラズマテレビにハンマーでとどめをさしてしまいました。あーあ。でもおかしな咳が続いたりする人は原因を病院で調べてもらいましょう。
で、ハウスダストの原因であるダニの餌にもなるカビでこうならないようにするには、こまめに掃除をするという、これまたわざわざ放送するまでもない誠に当たり前の内容になるわけです。視聴者を脅しておいて大量のカビとりハイターを使わせようというのが目的なのでしょうが、カビの害もさることながら大量に使用するハイターで健康を害する可能性については何の説明も注釈もなし。ここはスポンサーの手前意図的に放送しないのか?このゲジゲジめ。
ちなみに通常漂白剤には次亜塩素酸ナトリウムが使われるのですが、これは「カビとりハイター」にも当然含まれています。単独使用でも呼吸器の異常や目に入れば最悪失明したり、皮膚に直接つけば角質を溶かしたり、酸性の製品と混ぜれば塩素ガスが発生し大変危険です。こういう注意や危険性をなぜ放送しないのかねチミ。
「女性の水虫」
このコーナーは人間にいやらしくも寄生するカビ、水虫のコーナーです。ちなみに水虫は俗称で足白癬が正式名。他にも頭部(しらくも)、体部(ぜにたむし)、股部(いんきんたむし)など、できる部位によって呼び名が違いますが、全ての原因は真菌(カビ)です。
あるある会員15人中12人が水虫の疑いがあるそうで、街頭調査でも靴の中がどれだけ湿度と温度があるのかを無理やり調べていました。なんか臭そーです。で、パンプスとストッキングの組み合わせは最悪だそうで、そりゃニオイもひっくり返るぐらいヒドイだろうなぁ。女性は気をつけましょう。
水虫が出来る原因は角質層で白癬菌が増殖することで、垢と一緒に他人の皮膚から感染するそうです。そして靴の中は温度と湿度があり、栄養であるケラチンがあるために足に水虫ができるということです。ここも問題ない。
で、水虫にはジュクジュクタイプとカサカサタイプがあり、ジュクジュクタイプは皮膚に炎症が起き、カサカサは起きないとしていました。ここはそうですが、小水疱型といってのたうちまわるほど痒く、赤いポツポツが出来るタイプもあります。こりゃ気が狂うほど痒いです。
そこでいつものように街頭水虫チェック。嫌がる主婦をひっとらえてカサカサした足を無理やり小型スコープのような機械で見た永峯医院の院長である女医さんがとどめの一言。「水虫ですね」だと。このおばさん相当な名医かヤブ医者のどちらかです。っていうか、あんたホントに医者ですか?
我々のような薬局薬店では目視によって判断するしかないのですが、水虫かどうか判断できないカサカサタイプはただ単に皮膚角化症の場合もあり判定は難しいものです。だからこそ病院では皮膚を少し切り取り直接白癬菌がいるのかどうかを顕微鏡で調べるのに、何やってんだか。まあ、いいや。
そしてそういうカサカサタイプの水虫の原因は血行不良で、新陳代謝が悪いので菌を排除できにくいということです。へ〜なるほど〜。おいおい、ちょっと待てよー。原因は白癬菌だろ?そんな屁理屈わしゃ聞いた事がないぞ。せっかくまともな内容なのに珍説で台無しです。
最後が爪白癬(そうはくせん)です。白癬菌が爪に入るとケラチンを食い(というより溶かす)、空気が入って爪が白く変色し厚みが増してもろくなるそうです。ここもそのとおり。ですが、順天堂大学の皮膚科比留間Drの発言、「水虫の半数が爪白癬」は脅かすための発言か?
手元の資料では1991年とチト古いのですが、日本医真菌学会疫学調査によると足白癬が62.2%、爪白癬17.6%、体部8.8%と続きます。これはそんなに変わりはないと思うのだが。なんか文句ある?
参考までに爪白癬は難治性で、一度感染したら治療をしない限り生涯治りません。外用薬では十分な効果が期待できないので、皮膚科で抗生剤を処方してもらい飲むことになります。該当する人は皮膚科で受診しましょう。
「水虫対処法」
最後はいつもの対処法の紹介です。まずは1〜2日かけて角質層に入る白癬菌の進入を防ぐために、1日1回は足を石鹸で丁寧に洗うということです。そんなこと誰でもわかってらーな。しょうもないなーもー。
お次が繁殖しにくい足を作るという、まことしやかな屁理屈が堂々と登場しました。内容は足首を回したり指を回したり、爪の生え際をマッサージするというもの。さらに足の親指と人差し指でペンをつかんで離すという、誰がそんなことするんだよ的なおかしな内容です。でもまあ、いいか。
で、「水虫になってしまったら薬を塗る」という、別にわざわざ放送するような方法でもないことをつべこべ言っています。替わりに言っておきましょう。気をつけることは、乾燥させ清潔にする、バスマットやスリッパに特に注意する、クスリは症状がおさまっても最低1ヶ月は根気よく塗る、という3点です。バカタレが。
さて今回は大きな破綻もなく、まあまあすっきりきれいに終了しました。いつもならにぎにぎしいにも程があるっていうぐらいにぎにぎしいのですが、にぎにぎしいってどういう意味だ?
最後のナレーション
「白癬菌は現代女性の足を醜く蝕む見えない恐怖と心得よ」
ということで、男は完全に無視されちゃいました。でも皆さん感染源には注意し、足を毎日清潔に保ちましょう。もし水虫なら根気よくクスリを塗れば完治します。今は病院に行かなくても薬局に行けば手軽に医療用に匹敵するよく効くクスリがありますので、お気軽に相談してみてください。
ワシは水虫ですが