依存症


依存症を科学で解明するという今回
こんな非科学おちゃらけ番組に解決策はあるのか?


「依存症とは」
依存症とは「快楽や安心を求め、それがない事の不安に耐えられなくなる状態」だそうで、現代精神医学でも注目され、「依存症が蔓延している」ということです。この番組にしては珍しく、学会誌「アルコール依存とアディクション」の中の記事を紹介していました。


おー今回はまともな内容かと思いきや、「依存症が蔓延している」という学会誌の内容紹介カットが入る時に画面外にはみ出ている文字がありました。それは「軽」という文字です。つまり学会誌には「軽依存症」と書いてあるのに、わざと映していませんでした。こういう手法を使ってまで国民全員を依存症にしたいのでしょうか?


そしてお決まりの「現代に急増する依存症」と派手なナレーションと共に街頭で携帯電話の電源を切るとどうなるかという実験。切られた若い女性が「えー」と不安になったのを受けて「すでにあなたは依存症」という実にバカげた結論をつけています。携帯ぐらい別にいいーじゃないか。そしてその他にはアルコールやギャンブル、サプリ、ネット、買い物などの依存があるとしていました。


さらにその状態が続くと「人の心を破壊し、精神障害を引き起こす」と、今や便利ツールとして欠かせない携帯と精神病を結びつけて無意味な脅しをかけています。こうなると携帯を持つ善良な一般市民全員が病的依存症であると受け取られかねない内容で、あまりの論理の飛躍のはなはだしさに、私は座っていたイスからころげ落ちてしまいました。


確かに過度の依存が起きれば精神に異常をきたして番組の言うような金銭破綻や生活の崩壊が起きるケースもあるでしょうし、携帯電話によるコミュニケーションの変化も様々な社会的影響があることでしょう。しかしストレス解消になる趣味や嗜好品についてぎゃーぎゃー騒いで依存症だと脅すのもたいがいにせんかい。



「依存症のメカニズム」
ここでは、なぜ依存症になるかのどうでもいい解説です。依存状態は快感物質、脳内麻薬と呼ばれるドーパミンが関係するそうで、そのドーパミンが増えれば受容体も増え、そうなると耐性が出来るためにもっと強い刺激を欲しがるそうです。これを番組では「ドーパミン中毒」とヘンテコリンな名前をつけていました。


さらにストレスからの不快感があるとノルアドレナリンが増え、これがこれまたドーパミンを増やすのだそうです。ここで満足感を与えるセロトニンが暴走するドーパミンを抑え、これが出来ない人は依存症なりやすいということです。番組ではストレスが最大の原因で、「ドーパミンが暴走し放題」なんて言っていました。あまりの大げさな説明に、私は思わず座っていたイスごと後ろにひっくり返ってしまいました。


今回は説明の破綻もなく、一見説明がついているように見えますが、依存というよりこれは精神病(分裂症など)の説明に近いですし、脳内伝達物質はまだまだわかっていないことが多いのです。そんな未知の部分に確定したかのような大げさな説明で毎回脅しをかけ、もうすでに精神病のスタッフはどうしても全国民を病気にしたいようです。


ここでスタジオに戻りました。菊間アナが「セロトニンの原料は乳製品などに含まれるトリプトファンで、番組では以前から言ってきました」などとぬけぬけと言っていましたが、そんなもんドカ食いしたところでセロトニンが増えるわけないだろ。それに番組が一貫して勘違いしている依存症とは無関係ですし、そんなことすれば逆に「乳製品依存症」になります。


続けて堺正章が「好きなことにはまっていると言うのは、即依存症ではないです」と言っていましたが、わかってんじゃん。番組では社会生活上問題のある依存と、問題ない軽い依存、精神的依存と身体的依存をごっちゃにしてまとまりがつかなくなっているのですが、その境目は依存することで社会生活がまともに営めない状態かどうかで判断するべきです。ということは、ここまでは一体なんだ?



「依存症3つの特徴」
勘違いしたまま後半に突入してしまいましたが、ここでは依存症チェックと題して3項目の解説です。あまりの大胆な説明に、私はまたしてもイスのみならず机を持ったまま後ろにひっくり返ってしまいました。あ、解説まだだった。


まずは「周期的行動」が関係するとし、一定間隔で周期的に繰り返すと「ドーパミン受容体がその快感を待ち構えるようになる」としていました。例えば「一定時間に携帯メールをチェックする、毎週競馬に行ってしまう、晩酌を欠かさない」などが周期的行動だそうですが、依存とするにはあまりに貧弱な屁理屈。別にいいじゃないですか。


続いて「準備行動」ですが、これは「増えたドーパミン受容体が常に快感を得られるよう準備する」のだそうで、「ケイタイの電波を探す、知らない街でもパチンコ屋やタバコの自販機を探す、買い物の準備をしないと気がすまない」、こういう行動が該当するそうです。これを映像で見せておいて「まさに依存症なのです」とナレーション。うるさいよボケ。


最後が「反応行動」で、「他人の着信音に反応する、新聞を見ると競馬を思い出す」という例を出しておいて「冷静な判断が失われた危険な状態」だと脅しています。これに対する屁理屈は「ドーパミン受容体の欲求が強く、快感に過敏に反応してしまう」というもの。全て日常的な例えを病的依存症に結びつけているので、以上のチェックに該当する人は全国で数千万人いることでしょう。そんなワシはネット依存症です。え?



「ある子のコーナー」
毎回毎回番組に毒されてどんどん頭が悪くなっていく熱狂的視聴者からの今回のくだらない質問は、「彼氏がネットにはまっているが、何か影響はあるのか?」という、間違いなく毎晩エロサイトを巡回しているエロ彼氏に対する不信感を抱かないおめでたくも頭が悪い彼女からの質問です。っていうか、そんなこと番組に質問するなよな。


ここでは番組を監修したと思われる精神神経科の姫野ドクターのトビキリいかした発言がありました。いわく「依存症は心や身体を破壊し生活の破綻を招くのです」だそうです。いやーすごいすごい。もうかんべんしてくださいっていうぐらい脅してます。しかし目を左右に動かしながらセリフ棒読みで脅すのはやめなさいよ、ほんと。


そしてある子の脅しはまだ続きます。依存症にはステップがあるのだそうで、「習慣化→禁断症状→強迫観念→人格変貌」という具合に進むのだそうです。しかしほとんどの人は趣味やストレス解消、嗜好品程度でおさまっているとは思いますし、人格変貌とは明らかに病気の状態です。そんなに脅して一体どうしたいんでしょうか?



「依存症対処法」
さて最後の対処法ですが、「間隔を空ける・快感を分散させる・不快な記憶を植えつける」のがいいそうで、そうすることで依存症を克服できるとしていました。へ〜なるほど〜と感心している場合ではありません。健常者を精神異常者に仕立て上げ、それの解決法をつべこべ理屈をつけて「科学的に解明した」などと言ってるようでは番組を見た勘違い人間が続出することでしょう。


勘違いで「好きなことをすることが依存症」だと思って止め、止めた事がストレスになりドーパミンが暴走し、ノルアドレナリンが増えてセロトニンが不足する。それが依存症のはじまりで何かに頼らなくては生きていけなくなり、でも好きなことをすれば依存症だと言われるわけで、そんな矛盾が番組全体を通して感じたことです。つまり、いつものごとく病的依存以外は何の参考にもならないということです。


私はあまりの短絡的内容に、イスからずり落ちながら机を持ち、机もろともイスごと後ろにひっくり返った挙句に床で頭を打ち、上から落ちてきた花瓶がさらに頭を直撃してしまいました。



さて、ケイタイを頻繁に使う人を人格破綻者のようにしてしまった今回ですが、当然ですが酒やギャンブルも程々にしておくべきなのは言うまでもありません。皆さんも十分気をつけましょう。






私はやめることができません


依存症だろそれ?