カルシウム


カルシウムが老化に関係するという今回
どんな恐怖を見せてくれるのでしょうか?


「カルシウム不足」
「突然ですが」というナレーションとともに5人の31歳の女性の顔だけを見て何歳に見えるかを街行く人に答えさせるという理解不能の実験から始まった今回。29歳に見える人は標準カルシウム量に近く、40歳に見える人はカルシウム量が少ないので「老化を早める原因はカルシウム不足なのです」としていました。バカかー


国民栄養調査によると、確かに日本人はカルシウム摂取量が目標とされる1日600mgに達していなく(平均94%)、食物繊維と並んで積極的に摂取したい栄養素であることには間違いありません。ですが、5人を見た目だけで判断してカルシウム不足がふけ顔に関係するという前代未聞の導入に、またしてもイスごと後ろにひっくりかえってしまいました。もうひっくりかえるのにも飽きました。


さて導入はいつものダイジェストで、カルシウムが細胞の老化、物忘れやイライラ、生理不順や足がつる、血管や神経もボロボロになると毎回恒例の脅しをかけています。まあ、一部を除いてまるっきり的外れでもないですし、今回はそれを信じてカルシウムの摂取に気をつけるようになれば、それはそれでいいことなので何も言いますまい。このウンコたれ。



「カルシウムの働き」
「人間の根幹を支えるカルシウム」という大げさなナレーションから始まった最初のコーナーは、カルシウムがどう働くかの紹介です。まずは小腸から吸収され血液中に移行して骨に貯蔵されるとし、再び血液中に戻って全身の細胞のスイッチを入れるのだそうです。そのカルシウムが細胞内にとどまる時間は0.1秒ということです。どえらい早漏です。


番組では都合上カルシウムとだけしか言ってないのですが、カルシウムはまず胃でイオン化され、小腸での吸収もイオンの状態でしかできません。さらに吸収率が非常に悪い栄養素で、成長期でも40〜50%、成人で30%程度で老齢期に入ると15%にまで低下してしまいます。


番組でも言っていましたが、そうして吸収したカルシウムのさらに70〜80%が体外に排泄されるという悲惨な運命を持っています。まるで「少しニガイけど飲んでも大丈夫っ。タンパク質だから」とかなんとか言って飲ませた後の精子のような・・・・バシッボコッ・・・イテテテ。誰ですかたたいたのは。


そしてカルシウムが60兆ある人間の細胞のスイッチを入れるので、ホルモンの分泌にも免疫にも関係しているとしていました。もともと人体はカルシウム調整ホルモン(副甲状腺ホルモン、カルシトニン、ビタミンD)が働き、血清カルシウム量をほぼ10mg/dLに維持されるように種々の調節機構が作動しています。スイッチという例えは意味不明ですが、まあいいです。あと番組では説明がなかったのですが、アレルギーにもカルシウム不足は関係しています。



「不足の弊害」
では不足するとどうなるかという説明に入るわけです。まずは筋肉が収縮したままになり足がつったり瞼が痙攣するという説明はカルシウムだけの問題でもないのですが、この後の「心臓や血管で起これば機能停止」とする内容はいただけない。こういう下手な脅しをやめれば普段よりマシな内容なのに。この寝しょんべん野郎めが。


さらにホルモン分泌の異常で肌荒れ、生理不順が起こると続きますが、ここは女性ホルモンのエストロゲンが減ることで骨量が減少するという事実を無理やりカルシウム不足にこじつけています。きちんと女性ホルモンとの関係をなぜ放送しないのか。ここいら辺がバカタレ番組と呼ぶゆえんですが。


続けて免疫細胞も活性化せずに免疫力がダウンするだとか、ミトコンドリアがカルシウムを沢山吸収してTCAサイクルが狂い、老化が加速されるという珍説が堂々と登場しました。免疫には関係するのは確かですが、カルシウムが細胞の老化に関係するなどという記述は見たことがありませんし、人体の血中カルシウム量は様々なホルモンによって調整されています。ですから摂取量の不足が起これば一番ダメージを受けるのは骨なのです(病的低カルシウム血症は除く)。


まだまだ脅しは続きます。カルシウムの不足で動脈硬化、高血圧、心筋梗塞になる確率が高く、また不足を補うために骨から補給するので骨粗しょう症になるそうです。確かに摂取不足によって骨から溶け出したカルシウムは血管壁に付着したり血管の中膜というところに進入し血管を硬くさせたりして動脈硬化を促しますが、動脈硬化の一番大きな原因は脂肪や野菜不足、塩分過多(高血圧)の食生活や肥満、運動不足などです。ですからカルシウムだけでは解決しませんし、要はバランスが大切ということです。



「カルシウムと脳」
不足が招く脳の機能低下というつまらん脅しから始まった中盤は、神戸大学、藤田博士のコメント「最も深く影響を受けるのは脳です」と、とぼけた発言をしています。カルシウムの不足で頭がおかしくなったのでしょうか?


そして身体の細胞のカルシウムの通過時間は0.1秒に対して脳細胞は0.001秒だそうで、こうなると入れる前にはもう我慢できずに出しているようなもので、ケンカになるのは必至です。ここであるある実験。今回は奮発してなんと驚くなかれ30人での実験です。このへなちょこ番組にしてはあまりの人数の多さに家財道具一式窓から放り投げてしまいました。あ、もう飽きたんだった。


結果は6割以上が骨密度が年齢相応より低かったそうで、まあ若い年代ではこういう結果もありえるでしょう。そして足りないグループと足りているグループでトランプタワーを作る実験を行い、出来る出来ないは差がなく、しかしベータ波が強く出ているのは不足しているグループで、なのでイライラしやすいとしていました。


実験はどうでもいいのですが、確かにキレル子供はカルシウム不足が関係するという指摘もあります。私はこの番組のせいで常にカルシウム不足です。前回は完全にキレてしまい、飼い犬の毛を全部むしってしまったぐらいです。


続いて神経細胞の情報伝達がスムースにいかなくなり、イライラや情緒不安定、ここまでは良しとしよう。さらに記憶力の低下や物忘れがひどくなり、ひいてはアルツハイマーやボケにつながるとしていました。ボケはおまえじゃ。ここは無視して結構。わしゃ知らん。



「効果的摂取法」
カルシウムは毎日の摂取が大切で、1日600mgが所要量だそうです。ここはさすがにウソはつけません。そして注意点としてまず塩分の多い食事でナトリウムの過剰が関係するそうです。これは初耳。通常はリンやマグネシウム、タンパク、糖、脂肪などの量にも影響されます。まあ、塩分は少なくするに越したことはないので見逃してやろう。


お次が加工食品やインスタント食品、スナック菓子などに含まれるリン酸塩だそうですが、これはサイト内のどこかに書きましたし、間違いありません。例えばカルシウムを強化したかっぱえびせんなんかは愚かな商品です。そして無理なダイエットで起こるマグネシウム不足だそうですが、カルシウムの摂取不足とともに吸収にMgは大切です。おおーイェーいいじゃないか。


そして効果的な摂取法ですが、小腸でカルシウムと結合して吸収を高めるビタミンDが大切だそうです。ここも間違いありません。ちなみにビタミンDは日光浴をすることで体内生成されますので、不足が問題になることは少ないのですが、逆に摂り過ぎは禁物です。


ビタミンDの摂取のために番組が推奨するのは干しいたけ、干キクラゲ、サケ、ウナギだそうですが、ウナギは脂質の過剰につながりますのでお勧めできません。まあ、毎日食うやつもいないと思いますが。


続けて出てきたのが腸内ペーハーを下げて吸収を高める有機酸。クエン酸を含む果物、酢酸を含むお酢、乳糖を含む牛乳やヨーグルトが効果的だとしていました。腸内ペーハーを下げるというのが意味不明ですが、摂取する際はそればかりむしゃむしゃむちゃ食いをせず、あくまでバランス重視で食いましょう。



「ある子のコーナー」
今回は前回に比べ内容的にはまともなので、視聴者からの質問もまともです。っていうか、デタラメな内容の時にはわざと視聴者をおちょくっているのでしょう。それはそれとして質問は「カルシウムの過剰で結石が起きやすいか」というものです。


結論は全く逆で、カルシウムが多いと小腸でシュウ酸と結合して便として排泄され、少ないと腎臓でシュウ酸とカルシウムが結合して結石を起こすのだそうです。腎臓の結石はシュウ酸カルシウムだけではないのですが、これはいいでしょう。私が今まで勉強してきた知識でもカルシウム不足は結石を起こしやすいというのがインプットされています。



さて今回はボケた花咲かじいさんが途中登場し灰を撒き散らしたりしていましたが、無意味な脅しがなければ内容自体は最近まれに見るほどまともでした。やはり栄養素としては不足している(他は過剰)カルシウムの摂取は大切です。


私の毎日のお勧めは、牛乳200cc(Ca含有200mg)、ヨーグルト100g(130mg)、プロセスチーズ1切れ(126mg)、木綿豆腐1/3丁(120mg)、納豆1パック(45mg)、ヒジキ大さじ2杯(140mg)、いわし丸干し1匹(200mg)、小松菜1/3束(290mg)などです。




これらを毎日積極的に食べましょう



私もカルシウムの補給に毎日食います







かっぱえびせんを