ブロッコリー脅威のパワーと題された今回
どんな新発見が待っているのか?
はじめに
現在の日本人の野菜平均摂取量は292g(平成9年国民栄養調査)と目標値350g以上を大きく下回っています。特に緑の濃い緑黄色野菜の成人の1日あたりの目標摂取量は120g以上であり、98gの現状から考えてもやはり不足です。ブロッコリーは野菜の中でも栄養価が高いのですが、その食品にだけ注目しても意味がないことです。しかし食べるに越したことはありません。特定の食材を深く調べていけば何らかのよい成分があるのは当たり前ですから、「同じ物ばかり食べていては飽きる」ということを考えますと、やはりバランスを重視するべきだと思います。
がん予防に関してはブロッコリーに限らず野菜の摂取が当然関係してきます。また、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンなどの摂取は、循環器疾患やがんの予防に効果的に働くと考えられていますが、特定の成分を強化した食品に依存するのではなく基本的には通常の食事として摂取することが望ましいことです。それでは番組を見ていきましょう。
「ブロッコリーとは」
いつもの導入ですが、今回は脅しがありませんでした。まあ、タイトルから考えて、
ブロッコリーの恐怖があなたを襲う!
なんていう脅しはできないわけです。で、ブロッコリーの説明が入りました。アメリカでは「史上最強の野菜」だとか、抗がん作用が確認されたとか、日本では25年前から輸入され18年前からよく食べられるようになったとか、もともとは地中海原産でケールの改良種だとかいう説明がありました。これは間違いなさそうです。そのブロッコリーはつぼみに栄養がたっぷりだそうで、野菜の栄養価ランキングでも1位が多いそうです。以上の説明の後「緑黄色野菜の王様ブロッコリー大検証」ということでスタジオに場面が切り替わりました。
菊間アナ「ということで今日もいろいろな情報をお持ちのゲストの皆さんです」
しゃくれの俳優、斎藤さん
「絶対に食べないです。うちの子供2人とも全く食べません」
元プロ野球、金村さん
「僕大嫌いです。息子も3人とも食べません」
情報あるわけないじゃんかよ〜〜〜
ゲスト選びなさいって
「ブロッコリーのビタミンUパワー」
ここではいきなり実験から始まりました。清掃業に入社1年の関谷さん(男)、4ヶ月の星さん(女)で、関谷さんには2日間4株のブロッコリーを食べてもらい、星さんは食べずに実験するんですが、なんとフジテレビの高さ123メートルのところにある球体展望室の外壁を掃除させるというものです。タマですから滑りやすいのですが、星さんは心拍数も低く安定し、逆に関谷さんは心拍数が上がりストレス状態だとしていました。どうせなら関谷さん、実験終わったらストレス発散に星さんにタマ掃除してもらったらよかったのに・・・
仕事帰りの関谷さんに星さんがささやきます。「今日はごくろうさまっ。今夜はわたしが関谷さんのタマのお掃除、し・て・あ・げ・る」 これを聞いた関谷さんは家にすっとんで帰りシャワーを浴びて身支度し約束の場所に急ぎますが、こういう時に限って渋滞です。車が動かないと見た関谷さん、その場に車をほったらかしてなんとマラソンよろしく必死で走り出します。途中で犬のウンコを踏むこと3回、なぜか道端に落ちていたゾウのウンコに片足を突っ込み転倒すること2回。小さな猫のウンコを踏むこと数知れず、ついにはウンコにまみれた靴を脱ぎ捨て、はだしで走り出します。素足になってからもあらゆる動物のウンコをことごとく踏んだ関谷さんの足は茶色く変色しています。「これではデートもできないな。ちっきしょー」 関谷さんはそれでも星さんの元に急ぎます。途中で靴とクツ下も買い、時間がないからと足を洗わずにはいてしまう関谷さん。4本足のほうが早そうだといつの間にか犬のようなスタイルで走り出しました。当然両手にも数え切れないウンコがへばりつき、帰る道がわかるようにと片足上げてオシッコまでする始末。待ち合わせ場所は目前というところで鼻を鳴らして残飯までをも漁っている関谷さんを程なく星さんが発見します。「なにやってるの関谷さん」 その言葉を聞いた関谷さんの体に異変が起きてきました。この夜オオカミに変身しようとした関谷さんは満月の光を背に受けて「わおおおおぉぉ〜〜〜〜ん」
で、実験結果はブロッコリーを食べた関谷さんには胃の変化はそんなになく、平気だった星さんはただれていました。この実験は全く無意味なのですが、食材がブロッコリーなので許します。ただし、いくらお金をもらうからといって、胃カメラで検査した戸塚先生の言葉はいただけません。先生曰く
「これだけ差があるとは正直思いませんでした」
そこまで媚びるとは正直思いませんでした
お金のためならえ〜んやこ〜らっと
これはブロッコリーを食べたか食べないかだけで当然判断できるはずもありません。この先生、そういった実験の意義がわかってないようです。もう高齢なので忘れちゃったんでしょうか? でもまあ、食材がいいので目をつぶります。
続けて番組ではビタミンUについて解説していました。これはキャベジンなどの胃腸薬に配合されている成分で、消化性潰瘍を防止する因子として新鮮キャベツ汁から見出されました。タンパク合成、結膜修復作用があるとされ医薬品として製剤化されており、消化性潰瘍に用いられています。ですからここでは正しいことを言っています。解説ではブロッコリーの含有量が多く、キャベツ、ほうれん草がそれに続くとしていました。調理法ではレンジでラップして3分くらいでいいそうです。ここも間違いはなさそうです。
「葉酸パワー」
ここでは大げさな表現が出てきました。
「21世紀、地球上の女性の体を襲う葉酸不足!」
だそうですが、これにはブロッコリーを食べれば良いというものでもなく、葉酸だけに注目しても意味のないことです。ブロッコリーに無理やり結論を持っていくためのいつもの展開に逆戻り。やっぱダメです、この番組。色々な食材をバランスよく食べるということが何より大切ですから、ブロッコリーも食べるしほうれん草も食べる、キャベツも食べるという事で結構。たまにはブロッコリーも食べましょっていう程度でOKです。
ここで女子栄養大学、安田教授が登場して「1日200μgの摂取が必要で、調査した200人の女子大生の55%が葉酸不足だった」ということです。これにはダイエットやコンビニ弁当、ファーストフードが関係すると解説していましたが、これを受けて番組では
「なんと若い女性の55%が葉酸不足だと判明」
としていましたが、そんな話聞いたこともありません。勝手に断定しないでいただきたいものです。
ちなみに葉酸は摂取量が必要量の1/10に低下すると、約4ヵ月目で葉酸欠乏症となり、骨髄に巨赤芽球症を認めるようになります。葉酸の需要が増加する妊娠、成長、悪性新生物、溶血性貧血などの状態で欠乏症を起こしやすいとされています。葉酸が欠乏すると回転が速い造血細胞、舌・消化管の粘膜細胞のDNA合成が阻害され、成熟障害が起こります。骨髄細胞がこの状態になれば巨赤芽球性貧血となります。ここは番組でも同じような説明をしていましたので、ちゃんと調べたようです。しかし不足はしていませんので、ここでもブロッコリーに結論付ける為の脅しに過ぎません。ただやはりそういうことは無視してもブロッコリーなどの緑の濃い野菜は積極的に食べたい食材です。
さらに脅しをかけてきました。
「健康な赤ちゃんが生めない可能性が!」
「1500人に1人の胎児に神経管閉鎖障害発症」
だそうですが、わが国では葉酸不足と、番組が脅しの材料に使った「神経管閉鎖障害」は関係あるとする疫学調査や研究はほとんどありません。以下厚生労働省ホームページよりコピペ。
「厚生省では、本報告書をもとに検討した結果、神経管閉鎖障害の発症が葉酸の摂取不足のみから生じるものではなく、葉酸摂取は神経管閉鎖障害の発症に関する一因子であるという観点から、我が国において葉酸の摂取により神経管閉鎖障害の発症リスクが低減する確実な証拠があるとはいいがたいものの、葉酸の摂取により一定の発症リスクの低減がなされるものと考えられることから、現時点で得られている妊娠可能な年齢の女性等の葉酸摂取による神経管閉鎖障害のリスク低減に関する科学的な知見について正確に情報提供を行うことが必要と判断し、当面の間、別紙「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る情報提供要領」に基づく方策を保健医療関係者等を通じて広く一般に周知することとした。」平成12年12月28日
つまり、葉酸は一因となりうるのですが、発症リスクの低減を考えたら摂取したほうがいいという内容で、特別危機的な状態でもないようです。さらに男性でも葉酸不足が動脈硬化と関係があるとアメリカ、カナダの報告を受けて言っていますが、今のところこういった研究は日本では進んでいません。ですから葉酸にだけ注目するのではなく、緑の濃い野菜を積極的に摂取していればまず不足はおこりませんので、特別ブロッコリーだけをむしゃむしゃ食べる必要はないですし、
毎日むしゃむしゃ食えるかってんだよ〜〜
「ブロッコリースプラウト」
ブロッコリースプラウトとは発芽3日程度の新芽だそうで、これには
「全世界が驚くブロッコリーパワー」
があるのだそうです。しかし全世界ってあんた、ビックリ世界博覧会じゃあるまいし。中東から大量の白い粉入り封筒がフジテレビに届いても私は知りません。
続けてアメリカでは1970年に比べ現在は10倍以上売れているそうで、具体的なデータを出さなかったのでこれはよくわかりません。そんなええかげんな数値を証明するのがなんと八百屋のおじさん。曰く・・・
「特にガンに効果があるってんで最近よく売れてまさぁー」
それがどうしたって言うんだよ〜〜
ここで、ホプキンス医科大学、ポール教授が登場して「1997年のデータによると、通常のブロッコリーよりもスプラウトには20〜50倍のスルフォラファンが豊富に含まれます」という発言をしていました。スルフォラファンは解毒酵素を活性化させてガンを無害化して排泄されると番組では解説していますが、肝臓の解毒機能のことを言っているのでしょうか?いずれにしても抗がん作用は特定の食品だけにあるものではなく、スプラウトも含めて緑の濃い野菜を食べましょうってことをさて何回言ったでしょうか?
では日本ではどうかということですが、この秋からブロッコリースプラウトの販売が始まったようです。ブームの火付け役をこの番組に頼んだのでしょうか? 裏で取引があるような、そんな気がします。で、スプラウトにどれだけスルフォラファンが入っているのかを番組では日本大学の桜井教授のところで調べてもらっていました。そして1週間後に結果がでました。
桜井教授曰く
「こんなにスルフォラファンが入っているとは正直思いませんでした」
こんなに良い結果が出るとは正直思いませんでした
はじめからわかってますって
「ブロッコリースプラウトの抗がんパワー」
では実際にガンから身体を守れるかということで学芸会の出し物です。1日2箱のタバコを吸う6人と、睡眠不足の6人でスプラウトを食べまくるという内容なんですが、そんなもの食べるより禁煙、充分な睡眠をとった方がよっぽどガン予防には効果的です。そんなことを無視して過酸化脂質の値に注目していますが、これは動脈硬化に主に関係するもので、抗酸化作用を考えれば遠くはないものの、的外れと言わざるを得ません。
さて、実験はどうでもいい内容で、東京農大の渡辺教授の「30〜60歳の半分がガンで死んでいる。発がん物質を避け、予防効果のある食べ物を食べましょう」という誠に当たり前な発言もスプラウトに結びつけるために利用されています。でもまあ、緑の濃い野菜は積極的に食べましょうってあんたいったい何回言わせる気?
そして結論。
「日頃の食生活にブロッコリーやスプラウトを取り入れよう」
だそうです。たまに食べるのには良いかもしれません。
そして私の結論
毎日むしゃむしゃ食えるかよ
この後ゲストで試食会。スプラウトチャーハンなんていうのが出ていましたが、これだけではバランス悪すぎです。サラダを一緒に食べるんならいいのですが、それでもたんぱく質が不足ですし、スプラウトやネギだけではやはり野菜不足です。最後にずっこけるのはしょうがないか。
さらに絶対食べないと断言したしゃくれの斎藤さんがアゴを出して一言。
「ブロッコリーの種とかないの?」
ヒロミのツッコミ
「見るのもやなのに育てんの?」
私のツッコミ
食べるんかい
食べる人たくさんいるんだろうなー
今回の感想
番組全体を見ればさして間違っているわけでもなく、ブロッコリーは食べるに越したことはない食材。番組が言うように栄養価も高いですし、味や食感が嫌いな人以外はたまには食べるといいでしょう。しかしスプラウトなんていうまだ日本に出回っていないアメリカの情報を持ってきてはいましたが、この番組は海外での情報を十分調査しないで放送するという非常に悪い癖がありまして、そういういいかげんな海外データは今回でも顔を出しました。さて今回のブロッコリースプラウト、スーパーではたくさんの人が買い求めた(?)でしょう。って売ってんのかな?
さて来週は「アミノ酸2」
面白実験たぶん目白押しのはずです。
みんなで笑いましょう。クックックッ