秋の健康診断スペシャル

高視聴率番組だからこそ企画される番組改編時の特番。
半年間のデタラメ放送の総集編とも言える今回。
どんな脅しが待っているのか?

はじめに
番組の極端な脅しは別として現代人は、まず一番問題になるのが食事バランスの乱れと食べ過ぎです。これは私が常々このホームページで言っている事で最重要課題です。次に運動不足。体力は年々低下し、現在の10代は30年前、すなわち自分の親の世代よりも体力的には遥かに劣っています。生活が便利になればなるほど人間の機能は衰えていくのです。それが飽食の時代とあいまって急速に身体を蝕んでいます。


健康である為には、番組で言う特定の食品や、番組内容とは関係ない専門家の意見など無視して、食事バランスを整える、食べ過ぎを控える、適度な運動をする、ストレスを発散する、休養と睡眠を十分とる、と言った事がなによりも大切です。こういう原則に反して散々脅した挙句に特定の食品や、とても続くとは思えないおかしなエクササイズばかり紹介しているこの番組は、健康を願うなら真剣に見るべきではないのです。こういう健康情報の氾濫は同時に間違った不健康な習慣を実行する人々を増やす結果となってしまいます。今回は個人差が大きくてほとんど意義のない実験は無視して、脅しがきつい今回を辛口解説してみます。


「緊急事態宣言発令」
ここは導入です。現代人はまず「身体の歪み」があり、これが危険回避能力を低下させるのだと言います。これは以前放送の反射神経の説明です。次に「骨の歪み」が寝たきりや骨粗しょう症の原因だとしています。これは猫背の放送の事です。続いて「脳の歪み」が痴呆を招く
と説明がありましたが、これを受けてナレーションでは



あなたの命が危ない!

と仰々しく脅していました。全世界を相手にし、命が危ないとこれ以上の脅しはないくらいに脅しています。しかし、私から言わせればこの番組を見ても健康にはなんの役にも立ちません。健康維持には何を差し置いても一番大切なのは食事バランスです。それを崩す内容ばかり放送しているのでこれには触れていないんでしょうか?


食生活の歪みを自ら作りながらそれを解決する為に体力、骨、脳の歪みをスペシャルで出してくるあたりがこの番組らしいです


脳の歪みなど全くもって意味不明です。



「体力のゆがみ」
ここでは体のゆがみを調べるのに「片足垂直ジャンプ」という方法が出てきました。要は片足でジャンプし着地点がずれたらバランス能力が悪いと言うのです。以前登場した宮崎先生のコメントです。「体力低下は調整力を低下させます」だそうです。このコメントは片足ジャンプの実験とはなんら関係ありません。さらに番組の解説が続きます。筋紡錘の指令が脳に伝わるのが低下すると、身体が瞬時に動かないので転倒した時に手をつけない、すなわち身体を動かせないので身を守る事が出来ないんだそうです。筋紡錘は繊細な動きをする手の虫様筋や骨間筋に多く、一般に脳神経支配の筋には欠如しますので

わざわざ難しい用語を出した意味がありません

単純に運動神経の個人差です。


それを解決する運動として「変身運動」を紹介していましたが、これがまた傑作。片足で立ち、目をつぶって両腕を同時に円を描くように大きく3回まわすと言うものです。もちろんこんなものでバランスの低下が解決するはずもないのですが、全国で数千万人がテレビの前で変身したことでしょう。
この夜、ひょっとしてオオカミに変身した男性がたくさんいたかもしれません。


わぉ〜〜〜〜ん ぴゅっ

私など昔懐かしい仮面ライダーを思い出しました。


続いて菊間アナが「老人性不器用症があなたを襲う」などと脅しをかけています。宮崎先生のコメントでは運動会でころぶ、ころんで骨折するということが若い人の間に増えているんだそうです。
これを老人性不器用症などと言っていますがこのような医学用語はありません。若い世代に老人性などという言葉を使って脅しをかけるためだけの造語でしょうか。


若い世代の体力低下は「はじめに」で解説したとおりですが、変な理屈をつけて脅しをかけるより、「適度な運動をした方が筋力を維持するのには大切です」と放送したほうがよっぽどマシなのですが、そんなことは当たり前の事でインパクトに欠けるので放送しません。また番組で言う「変身運動」などもちろん継続できるはずもありません。



「骨のゆがみ」
ここでは背骨のゆがみ、ネコ背、O脚X脚が腰痛や内蔵機能の低下、ホルモン異常を引き起こすと思いっきり脅しをかけています。現代人は特に骨のゆがみが激しいとしていましたが、いつの時代の人たちと比較したのでしょうか?この番組は毎回「現代人」という言葉を使いますが過去のデータを出してくるものはほとんどなく、一部を除き想像の産物といっていい内容です。


続いて骨のゆがみを「バンザイポーズ」でいろんな人をチェックしていました。両手を真上に上げて左右のバランスを見ていましたが、これだけで判断できるはずもありません。背骨のゆがみを見るには立位体前屈のように身体をかがめて左右の肩甲骨の高さを調べる方法がわかりやすいです。しかし、少々のゆがみは誰にでもあるもので矯正をしなくてはいけない状態ならば医療機関で調べてもらう必要があります。整体では解決しませんよ。


さて、ここで東京老人センター、細井先生のコメントが入りました。「若い人ほど骨の健康は悪い」だそうです。全くそのとおりです。これも私が番組解説であちこちで書いているものです。番組ではお父さんのお小遣いが18年前と同じレベルに下がってきているそうで、その結果が昼食に現れているとのことです。定食→牛丼、ハンバーガーに変わってきていると説明がありましたが、これはそうかもしれません。吉野家やマクドナルドの売上が右肩上がりで上がっていることを見ればわかります。今は狂牛病の影響が出ているかもしれませんが、経済的なことを無視すれば私の意見は、


「そんなものを日常的に食べるべきではない」です。



マクドナルドにスーツ姿のおっさん連中が大量に押し寄せる姿にも、


「ついでにマックシェイクなどいかがですか?(泣)」


などとマニュアルどおりにニコニコしながら、けなげに話し掛けるバイトの若い女の子の泣きそうな顔が目に浮かびます。

「じゃあ、ポテトを(笑顔)」


おじさんもついつい少ないお小遣いをはたいて注文してしまいます。マクドナルドおそるべし。


では骨の健康を保つにはどうしたらよいか?番組では偏った食事、運動不足、いらいら、ストレス、無理なダイエットが骨密度減少の原因だと説明がありました。いらいら、ストレスは原因ではなくカルシウム不足による結果の一つの症状ですから変ですが、まあおおむね妥当な内容です。これは私がいつも言っていることです。


ちなみにビタミン、ミネラルの中で最も不足しているのはカルシウムです。他の栄養素は逆に過剰です。カルシウムは牛乳でと思っている人はたくさんいると思いますが、これには注意が必要です。番組で骨密度を測定し、実際の年齢と骨年齢を比較していましたが、30代でも20代の骨密度を保っている牛乳生産者の男性がコメントしていました。「毎日牛乳2リットル飲んでいます」と。

まさか直接牛の乳首にむしゃぶりつくじか飲みですか?


牛乳には例えば「3.5」と表示のあるものがありますが、この数字はその牛乳に含まれる乳脂肪という脂肪の量を%で表したものです。ですからこの牛乳を1リットル飲めば同時に35グラムの脂肪を摂取することになります。先ほどの男性は1日2リットルですから、無加工の牛乳の脂肪割合が高いことを考えれば
80グラム以上は牛乳だけで脂肪を摂取している計算になります。


30代であれば50グラム以下には抑えておきたいので、カルシウムが摂れるからといって牛乳を大量に飲めば脂質の割合が高くなります。そのことは当然番組では考えていません。骨量が年齢より多かったということを強く印象付けるために牛乳の大量摂取がよい事だと言わんばかりの放送です。この人の血管は大丈夫でしょうか? 参考までにカルシウムの1日摂取量は600ミリグラムが目標で、牛乳なら600ミリリットルで摂れます。皆さんカルシウムは大切ですよ。



「脳のゆがみ」
脳のゆがみの恐怖と題して図形を使った実験をしていましたが、これなどはゆがみなんていう訳のわからないものではなく、単なる知能指数です。脳の機能を使わないことを番組では再現フィルム調で放送していましたが、この内容は、なんと電子レンジのスイッチを指で押すという動作をさして脳を使わないと言っていました。脳を使って冷えた食品の「あたため」ができるのでしょうか? 何も考えずに放送したとしか思えません。


やはり番組スタッフは脳みそが大きくゆがんでいるようです



さらにナレーションは、脳の代わりに器械が仕事をする→脳機能の衰え→脳のバランスの崩れ→前頭連合野の衰え→アルツハイマー、脳血管性痴呆、と脅しをかけています。まあ、脳を適度に働かせるということは脳の機能維持には大切なことなので良しとしますが、脳血管性痴呆は高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、喫煙、運動不足などの生活習慣が深く関係していますので脳の機能を使うことなどには全く関係がありません。アルツハイマーだけでは脅し文句として物足りないとでも思ったのでしょうか?


続けて作業記憶について、主婦の料理実験とか数字の記憶実験をしていましたが、だからどうしたの?というレベルの訳のわからない実験です。前頭連合野の作業記憶を説明するために実験したのでしょうが、実験によってわかったことは作業記憶には個人差があるということです。


「ある子のコーナー」
ここでは前頭連合野の働きをアップさせる食材を紹介していました。タンパク質補給には大豆、肉類、アミノ酸(←またか)、その他DHAを多く含むマグロやサバなどが機能をアップさせるということでした。しかし、私がいつも言っている食事バランスを崩さない食生活を送っていれば前頭連合野など全く考える必要はありません。

この後番組からの結びの言葉もなく終わってしまいましたが、今回も・・・


番組を見ても健康にはなんにも役に立ちません


今回の感想
今回はスペシャルとしての放送でしたが、内容はヘタな脅しのオンパレードでした。なぜこんなに脅しをかける必要があるかを考えればわかるというものです。「あるある大事典」が人々の健康を手助けするとでも言いたいのでしょうが、
ほとんどの放送はなんの役にも立ちません
少しはまともになってきたかなーと思ったのですが、やはりこの番組はトンデモ不健康番組です。
1時間半のアトラクションごくろうさまでした。


さて次回は・・・ストレス解消
どんなじれったい展開なのでしょうか?