アミノ酸2

「アミノ酸最先端の健康パワー」と題された今回。
どんな無理な展開なのでしょうか?

はじめに
私がこのサイトを作るきっかけとなったのが前回放送の「アミノ酸」です。実験もとんでもなくデタラメ、内容もお粗末極まりないもので、不足してないものを摂取したって意味ないじゃんって思いながら見ていました。ダイエットアミノ酸では摂取するだけで効果があるというイメージを視聴者に与え、過剰摂取の弊害については全く言及していませんでした。そんな内容で勘違いした視聴者がアミノ酸に殺到したのはみなさんご存知のとおり。


解説の前に私のひとこと


アミノ酸は全く不足していません
飲んでも無駄ですって



「アミノ酸第2弾」
今回は前回の2つの効果にプラス3つの効果、「集中力アップアミノ酸」、「脳機能活性アミノ酸」、「肌再生アミノ酸」を取り上げ、「21世紀の栄養素アミノ酸を知り尽くす60分」だそうです。ここでスタジオに場面が切り替わりました。


堺正章
「20世紀はビタミンの世紀、21世紀はアミノ酸の世紀と言われています」




、堺正章が勝手に言ってます



菊間アナ
「ということで今日も色々な情報をお持ちのゲストの皆さんです」


地井武男
「あんまり知らないですねー」


原千晶
「全くわかりません、知らないです」





やっぱり情報ないじゃんかよ〜〜



「免疫力アップアミノ酸」
現代人は疲労やストレス、不規則な生活が免疫力を低下させているそうです。これは正解なのですが、そういった原因を改善しましょうという親切な番組ではないために、解決するためには「アミノ酸を飲みましょう」といういつもの展開です。スポーツ選手は特に風邪を引きやすい身体だとして、雪印のジャンプ選手がアミノ酸を飲んでいると言っていました。ここでミスターアミノ酸(←何ですかこれ)K1ファイターの角田信朗の登場です。


血液検査を行い「免疫細胞機能検査」と称して基準値の26000〜53000cpmに比べ角田選手は43568だそうですが、何を測ったのかを番組では言っていませんでした。これについてはよくわかりませんでしたので手元にある検査辞典や医学書を探してみましたが見つけられませんでした。ちょっと気になるところですが、いずれにしても角田選手一人の数値は何の意味もありません。


ここでは角田選手がアミノ酸愛用者であることと、アミノ酸を摂取すればこうなると言うことを結びつけるためのお遊びといったところでしょうか。ちなみにスポーツ選手が風邪をひきやすいのは激しい運動のための疲労が抵抗力を低下させるからです。


ここで、山梨大学教育人間科学部、小山教授の登場です。しかし今回登場する専門家達は免疫とはおよそ関係ない学部の先生たちばかりで、免疫学の権威にはやはり相手にされていないようです。で、先生曰く、「アミノ酸が細胞のエネルギーとなり免疫機能を高める」んだそうです。ここでは番組の言うアミノ酸なんて全く関係なく、人体に必要なアミノ酸を説明しただけです。


ここまでの解説を受けて、免疫力をアップさせるアミノ酸は、グルタミンとアルギニンだそうです。ここからはCGを使った説明です。まずグルタミンはT細胞の材料になって免疫細胞を増やし、アルギニンはマクロファージの攻撃力を増やすんだそうです。ちなみにアルギニン酸には旨味(うまみ)があり、化学調味料として広く使用されています。ここは個々の説明について調べる時間がありませんが、そんなことわかったからといって・・・






何の役に立つんだよ〜〜
すぐに忘れるか・・・


さらに効果的にビタミンA、C、Eを多く摂取すればいいとしていましたが、ビタミンAは妊婦さんが摂りすぎれば奇形の可能性があるなんていう親切情報は微塵もありません。まあ、緑黄色野菜は積極的に食べたい食材なのでって前回も含めてさて何回言ったでしょうか?


ここでスタジオに場面が切り替わりましたが、


地井武男が痛快な一言
「これって食物から摂れないんですか?」

菊間アナ
「カロリーオーバーになるぐらい食べないと摂れません」





は あ?
かわいいんだけど何いってんだか



「肌再生アミノ酸」
いつもの何の意味もない実験です。7人の20代後半から40代前半の女性を集めて、実験前の肌の水分量と油分量がアミノ酸を飲んで2週間でどう変わるかを測定したり、モニターに映し出したりしていました。番組スタッフも参加していたんですが彼女は26歳で、実験前は60歳、実験後には25歳に若返っていました。その他の人も水分量は2倍、油分量は4倍に上がり、これを受けて番組では「確実に肌が若返った」としていました。どうせ乳液(水と油を練り合わせた物)かなんかを塗って調べたんでしょう。


念のために言っておきますが・・・





肌の再生には28日かかります
菊間アナ矛盾に気づいてます


当然2週間なんていう短期間では再生は不可能ですし、良い結果を見せてこれまた「アミノ酸を飲みましょう」とする番組の強引な展開のためのお遊びです。


続けて肌に何が起こったかということをCGを使っていつも通りしゃあしゃあと説明していましたが、間違いではないもののやはりアミノ酸に結びつけるための過程に過ぎません。まずプロリン、アルギニンはコラーゲンの材料となり、さらにコラーゲンの運びや細胞マトリックスの材料にもなり摂取すると肌のハリ、保湿力が高まる、システインはメラニンの過剰生成を抑え活性酸素を抑えた結果、シミ、皮膚がんの予防になる、というものでした。


そしてプロリン、アルギニン、システインを摂取するポイントが出てきました。


「ビタミンCとの併用が不可欠です」








ビタミンCだけで十分です
当たり前だけど・・・


この後スタジオでの試食(?)ですが、なんともマヌケな音楽に乗って白い粉をベロベロなめる姿を視聴者はどう感じたのでしょうか?



「ある子のコーナー」
今回の質問は「アミノ酸を摂りすぎると太るのか?」というアミノ酸中毒で少々おかしくなった視聴者からの質問です。ビタミン類やこういう栄養素はカロリーをほとんど考えなくても構いませんが、このことは東大の大谷先生が同じ事を言っていました。しかしここで注目しておきたいのが現在わかっているアミノ酸の摂取量。


「1日必要量4000〜6000mg」


ここでスタジオでのアミノ酸の量を食事別に紹介していました。

朝食→ごはん、味噌汁、納豆、漬物→13200mg
昼食→パスタ、サラダ→20800mg
オヤツ→ケーキ、レモンティー→4700mg
夕食→ハンバーグ、ごはん、ヒジキ、味噌汁、漬物→32400mg





十分すぎるほどです
当たり前ですって



菊間アナ
「食事以外で摂るときは4000〜6000mgを参考にしましょう」






何言ってんだよ〜〜〜
必要量だろそれ



ここでこの番組は大きな矛盾をかかえてしまいました。まあ、これは「はじめに」で言ったとおり、不足なんかしてませんのでアミノ酸についてごちゃごちゃ言っても過剰に摂ったからといって過剰には働かないということです。そのへんが全くわかってないようです。



菊間アナ
「それぞれの食材には20種類のアミノ酸がバランスよく入っています」







わかっとんかい



「脳機能活性アミノ酸」
もう解説する必要もなくなってきましたが、軽く触れておきます。アミノ酸が脳機能の活性化に関係あるとする研究が期待を受けているそうです。これはアミノ酸が脳の活性化をするのではなく、そのメカニズムに関係があることが解明されてきたというだけで、特別そのアミノ酸を飲んだら活性化するものではありません。


埼玉医科大学、野村教授という、白髪で頭が薄く、しゃべるのもまどろっこしい老人が登場です。その野村おじいちゃんがする実験とは、アミノ酸を飲んでいるという国士舘大学サッカー部の選手がボールを蹴る時の脳波を調べるというものです。結果はいわずもがな。当たり前の結果に開いた口がふさがりませんでした。ここでも当然そうなることにアミノ酸を結びつけています。


野村教授
「ドーパミンが放出され脳の中で活発に働いています」







それがどうしたってんだよ〜〜



さらにはMRIまで持ち出して脳の血流を調べていますが、これも無意味な計測。番組の解説はチロシンはドーパミンの材料で集中力アップし、トリプトファンはセロトニンの材料で脳疲労を回復させ集中しやすい状態を作るんだそうです。この2種類を一緒に摂ると効果は半減すると野村おじいちゃんは言っていました。そんなことはどうでもいいことですが、ここでは12歳以下の子供が摂取するとアミノ酸バランスが崩れるので控えるようにとのおまけの解説もありました。しかし実際このような放送を疑うすべを知らない親が子供に服用させる危険は十分あるわけです。


ここでまたまたスタジオでの実食。白い粉を舐める姿はやはり異様です。しかしここで畑山隆則がこの番組を困らせる発言をしていました。



畑山隆則
「アミノ酸は補助食品ですから本来は食事で摂るものなんです。身体が健康でなければアミノ酸を飲んだって肌だけ健康になることはありえないです。結局食事で整えるものなんです」



この発言に堺正章と菊間アナはしどろもどろ・・・







ざまーみろ
クックックッ



今回の感想
トンデモ指数300%の内容でした。こんな内容を信じてアミノ酸を買い漁る視聴者は時間とお金の無駄です。ただし激しい運動をするプロスポーツ選手などなら別ですが。でも今回は畑山の発言が今までの迎合主義的なゲストにはない冷静なもので、番組の邪魔をされた堺正章や菊間アナの狼狽ぶりが面白かったです。しかし色んなものが次から次へと出てくるもんで。この番組に限らず何かをすすめる番組を見るときには「はたして不足しているのか?」ということに疑問を抱いてよく考えて見ることをおすすめします。私はいつもそういう視点で見ています。


さて次回は亜鉛
どんな味気ない展開なのでしょうか?
(亜鉛は味覚に大切です)