亜鉛

「亜鉛不足があなたを襲う」と題された今回。
どんなデタラメな展開なのでしょうか?

はじめに
ミネラルとは物質を構成する元素のうち水素、炭素、窒素、酸素の4元素以外の元素をいいます。ミネラルの必要量は非常に微々たるものですが、身体に与える影響は大きく、生きていくためには必ず必要です。カルシウム、カリウム、ナトリウム、リン、イオウ、塩素、マグネシウムの主要ミネラルと共に、必須微量元素として鉄、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブテン、コバルト、クロム、そして今回放送の亜鉛があるわけです。


平成12年度から使用している第6次改定栄養所要量では栄養素の欠乏とともに、過剰摂取による弊害も生活習慣病の予防の観点から導入されました。つまり食べすぎの人が多いのです。またバランスよく食べていれば当然不足は起こりませんし、もし不足しているようでも番組の言う特定の食べ物ばかりを食べるのではなく、あくまでもバランスを重視するべきです。いずれにしても特別考える必要はありません。


特定の栄養素に注目するのではなく、そんなことより肥満の解消や逆にやせすぎの解消、、脂肪や食塩摂取を控える、野菜をたっぷりと摂る、大豆製品を上手に取り入れる、といったことのほうがはるかに大切です。この番組はそういうことがまるでわかっていません。まあいいです。それでは見ていきましょう。



「亜鉛の恐怖」
ナレーション
「拝啓、小泉純一郎様」




↑なんですかこれ
わけわかりません

いきなりこんな意味不明のナレーションから始まった今回の導入。人気ばかりでなにもしない、景気は悪くなる一方なのに今だに具体策がないばかりか、国民に痛みばかりを押し付けようとする・・・アホらしいので以下省略。


ナレーション
「あるあるでは5年間かけて病める日本人の足りない栄養素を調査し、食に対する見直しを提言してまいりました」

とえらそうなことを言っていますが、はっきり言って





大きなお世話です
もう止めなさいっつーの


全ては食事バランスにあるのですが、この番組を見れば見るほどバランスは崩れていきます。そしてぬけぬけと前回放送を振り返っていました。「01.1月14日放送 ビタミンC」→不足していません。「01.5月6日放送 ビタミンB1」→これも不足していません。「01.7月1日放送 ビタミンE」→不足なんぞしてません。一番足りないのはこの番組の思考能力です。


続けてナレーション「各大学や研究機関と金銭的ネットワークを結び今日本人にもっとも足りない栄養素を調べました」と言っていますが、こんな低俗番組と提携している関係機関には近づかないほうが無難です。ここまでは「大変役立つ番組だ」と自分勝手に必死に言っていますが、そういうことは他人が評価することであって、自分で言うことじゃないです。自分で自分をえらいなんて言ってるこの番組は非常に哀れです。


さてここで足りない栄養素を調べる、杏林大学、柳沢博士の登場です。ここでの調査は85人の大学生を調査した結果、突出して足りないのは亜鉛だそうです。先生曰く「14%ぐらいの学生が潜在的に亜鉛が不足しています。これは食事の影響があります。」だそうですが、そりゃそうでしょ。大学生なんつうーものは、メシなんて考えて食ってません。中には考えている人もいるかもしれませんが、男なんてほとんどやることしか考えてません。しかし亜鉛にだけ注目するんではなく、「はじめに」で書いた食事バランスが何より大切です。よって柳沢ちゃんはお金に目がくらみましたとさ。


続けて柳沢博士
「たかが亜鉛と考えていると大変なことになりますよ」


さらに1冊の本
「発育障害、運動失調、免疫不全」


さらにさらにナレーション
「これは病気以前の問題で身体の歯車が狂い、人間として生きていけない状態を意味する」






ちょっと待たんかい



不足傾向があるのかどうかも学生でしか調べてないのに、それだけを取り上げて病的状態を脅しに使うのはどういうことか。まあ、これはこの番組が使ういつもの手法なので今更めずらしくもないのですが、本当に不足が深刻であれば国が何らかの指針を出しているはず。ここは恐怖を植え付けるだけのいつもの展開です。


さて、「亜鉛の働きとは」ということで、札束を数えながらにやにやしている柳沢博士がコメントしています。「亜鉛の主な働きは酵素を助けることです。食事で摂るタンパク質を身体の組織にするには酵素の働きが不可欠です」だそうですが、ここはデタラメなことは言えませんので正しいことを言っています。ただし亜鉛だけではなく、他の微量元素にもいえることです。


ここで必要量を提示しています。アメリカでは男15mg、女12mg(1989年設定)と所要量が決まっているのに、日本には設定すらないなどと言いながら、男12mg、女9mg(1997年)としていました。「設定すらない」と言ったこの番組は、やはり調査ということを大幅に怠っているようです。平成12年の「第6次改定栄養所要量」では亜鉛などのミネラルの年代別必要量と上限がきちんと決められています。ここでこの番組の信用性は、といってもはじめからないのですが、ゼロを下回りついにはマイナスの局面に入ってきました。日本の経済とこの番組はどうやら連動しているようです。


ですから12mg、9mgというのは正しい数字ではありません。全ては書き出せませんが、18〜29歳で男11mg、女9mg、30〜49歳で男12mg、女10mgが正しい数字。子供の場合はおおよそ4〜6mgが目安です。


ここで無意味な街頭インタビュー。
食事内容を聞いて亜鉛の量を推測しナレーションです。


「およそ8割が所要量に達していないことがわかりました」






およそ8割が信用に値しないことがわかりました
信用できるかこんなもん


さらにナレーション
「小泉純一郎様、この現状をどう思われますか?」






なんじゃそりゃ?
スタッフキチガイになったのか?


ここまでの長い前振りを終えてスタジオに場面が切り替わりました。

菊間アナ
「ということで今日もいろいろな情報をお持ちのゲストの皆さんです」
(というネタを書こうと思ったけどやめた)


堺正章
「生命維持まで危うくなってくるのが今回のテーマです」

以下、私の解釈





番組存続まで危うくなってきた今回もデマです
すんなり出ましたこの言葉



「亜鉛の驚くべきパワー」
ここでも相変わらず脅しのオンパレード。「知らず知らずに日本女性迫る、亜鉛欠乏の危機」だとか亜鉛が欠乏すると顕著に現れるのが老化で、これを進行させるとか言いたい放題好き放題。老化の学説はたくさんあって今だにはっきりわかっていないのに、こんなへなちょこ番組に何がわかるもんかってんだ。そして細胞分裂に欠かせないとか、味覚に異常が現れるだとかの説明がありました。これは当たり前ですが、ただの脅しのネタにしか見えませんでした。


そこでここまでの事を証明しようといういつもの「あるある実験」です。ここでは20〜50代の男女17人が登場です。対象人数はマシになってきたものの、まだまだ個人差の域を出ない人数です。各17人ならまあまあまともな結果が出るのにどうしていつも中途半端な実験しかしないのでしょうか?それは・・・




都合が悪いからです
個人差でごまかしなさんなって


ここで、「ろ紙ディスク法」という方法が出てきましたが、これは味覚検査法として実際に試されている方法ですからこの番組にしてはまともな検査です。いつも得体の知れない機械で何を測ったのかを隠す従来のお遊びからは多少は進歩したようです。しかし人数が少ないために、どうしても個人差が数字に反映されてしまいます。


方法は、甘い、塩辛い、苦い、すっぱい、という4種類の味を5段階に分けたろ紙に染込ませ、それを薄いほうから順番に舌に乗せていき、味を感じた時の濃度で判定するというものです。そして結果が出ました。17人中4人は正常で、13人は味覚障害の疑いがあり、77%が該当するというものでした。


しかし味覚障害というものは何も亜鉛の不足だけが原因ではなく、舌炎、老人性変化、顔面神経麻痺などもあったり、全身的には貧血、肝不全、糖尿病、中枢神経障害や薬物性、心因性のものがありますので、亜鉛は大切ではあるけれど、それだけで判定できるものではありません。ちなみに味覚障害が疑われる人の原因が亜鉛不足の場合は3割程度。そういったことはわかっていてもひたすら隠します。っていうか、調べてないんでしょ?まあ、いいです。


ナレーション
「このように亜鉛不足の被害は確実に広がっているのです」



このように考察不足の弊害が確実に視聴者に広がっているのです
いいかげん影響考えなさいって


この後さらに続きます。亜鉛不足は細胞の老化を防ぐ材料であるアミノ酸が手に入らないとか、タンパク質分解酵素のカルボキシペプチターゼの手助けをしているとか、CGを使って説明した後で、発育障害だの免疫不全だの運動失調だのなんだのかんだのかんじゃいやっ、痛いっ。ここもまた程度の低い脅し。


ここでスタジオに戻って問題発言の多い菊間アナがひとこと。
「あるある独自の調査によると、亜鉛不足の味覚障害が年間14万人づつ増えているそうです」
だそうですが、これは日本口腔咽頭科学会が集計したデータと完全に一致します。独自の調査などと信用させたいがためにデータを出してきたように見せかけて、なんのことはない単なるパクリです。しかもそこのデータでは原因の3割が亜鉛不足だということですから、14万人が不足というのは完璧なウソです。こういうことはそのデータを見たときに書いてあるはずなんですが、わざと隠匿しているとしか思えません。なんというお粗末な番組なんでしょうか。


「ためしてガッテン」を人間だとすると、「特命リサーチ200X」は最近の放送を見るとオランウータンあたり、
そして「発掘!あるある大事典」は・・・




アメーバですか?
考える能力ありません


菊間アナ
あるある独自の調査によると、亜鉛不足の味覚障害が年間14万人づつ増えているそうです」





嘘八百じゃんかよ〜〜
八百ってどういう意味だ?



「亜鉛の更なるパワー」
ちょっと書くの疲れてきました。昨日も実は飲んだんですが、酔って帰ってビデオ見て、ポーズボタンを押しながら紙に書き写してまた再生。早送り早送り、再生、スロー、再生。早送り早送り、おっといい場面だ巻き戻し再生、よしここだ。再生再生、スロー、ちぇっ芝居はどうでもいいんだよ。早送り早送り早送り早送り、ヤッホー出た出た再生。今日はこの場面でって何の話ですか?


亜鉛はタンパク質の合成に大切な働きをしているそうです。亜鉛がないとタンパク質の合成はできないと番組では言っていましたが、ここは正しい情報です。っていうよりねじ曲げる事ができない情報です。さらに60兆の細胞のDNAは自動更新されるとか、亜鉛にその指示を出すのがジンクフィンガーだとかの説明がありました。ジンクフィンガーはよくわかりませんが、そんなこと放送したって役に立たないだろって毎回思います。なぜかというと難しいことをもっともらしく説明することであたかも教養番組であるかのように錯覚させるためと、単なる脅しの為の伏線です。


ナレーション
「亜鉛不足は生命維持に更なる危険が!!!」





ほらね(邪悪な笑顔)


ここでなぜか24人の幼稚園児にアンケートです。思考能力が未熟な彼らへの質問は

1、疲れたと思うことがある→園児にそういう概念はありません。彼らは疲れたら寝ます。

2、肌がカサカサしていると思う→本人より親が心配します。

3、怪我をしてもなかなか治らない→こんなこと考える園児はいません。

4、よく風邪をひく→よくひくかどうかなんて目安がわかりません。

5、アレルギーがある→アレルギーということ自体理解できているとは思えません。

6、物忘れ、忘れ物が多い→園児への質問としてはよろしくありません。知能に関係します。

7、イライラする事がよくある→人格がまだ形成途中の彼らにこんなこと聞いても参考になりません。

8、すぐ目が疲れる→園児に眼精疲労があったら恐いです。


結果は24人中16人が3つ以上印がついた不足気味、中でも3人が完全不足だそうです。
この結果を受けて番組のナレーション。

「6割以上が亜鉛不足!!!」





やっぱりね(あきらめの笑顔)


「亜鉛の摂り方」
ここで女子栄養大学の安田先生の登場です。曰く「野菜に含まれる亜鉛の量は年々少なくなっているのです」だそうですが、これはそうだと思います。今われわれが食べている野菜は化学肥料や農薬漬けのとんでもないものなのですが、そういった大切なことを深く追求しないで、ここでは単にダシに使われています。


そして亜鉛の吸収を阻害するものとしてカルシウム、食物繊維が出てきました。この2つは今の日本人に不足していると言うデータがはっきり出ています。それなのにそんなことは無視して極端に不足していないと思われる亜鉛を摂取するために大切なカルシウムや食物繊維をないがしろにするのは賛成できません。


さらに納豆や穀物に多く含まれるフィチン酸、カフェイン、タンニン、加工食品に多いポリリン酸が亜鉛の吸収の邪魔をするそうです。フィチン酸の過剰摂取は確かに亜鉛の吸収阻害をするといわれていますが、常識的範囲なら全く問題ありません。しかし「納豆」の放送では「全世界を救う」なんて言っておきながら、ここではまるで邪魔者扱い。一貫性のないとてもおかしな番組です。





矛盾をどうすんだよ〜〜
いいかげんにしなさいって


結局、牡蠣にレモンをかけて食べると吸収率がいいとする実験でしたが、そんな実験でわかるもんかってんだ。結果は牡蠣にレモンをかけたらめちゃくちゃうまいということがわかったのです。まとめとして番組ではビタミンCやクエン酸を一緒に摂ればいいとしていましたが、吸収の邪魔をするカルシウム、食物繊維のことについては尻切れトンボ。そっちの方がよっぽど大切です。皆さん勘違いしないでください。亜鉛の吸収を気にしてカルシウム、食物繊維を減らさないように。


しかし、牡蠣にレモンはうまいですよ





誰か私に牡蠣をめぐんでください

知らんがな〜ってか?



今回の感想
特に今回も特定の栄養素だけに注目してやんややんやと騒いでますが、やはりカキとサプリの宣伝にしか見えません。前回の放送は不足なんて全く考えなくてもよいアミノ酸を取り上げて1時間無駄に過ごしましたが、今回も不足しているのかどうかをいいかげんな実験やデータ、街頭インタビューのみで断定し、視聴者に恐怖を植え付けるだけの低俗番組路線は健在でした。亜鉛不足は食生活の乱れた若者や高齢者に増えているのは確かですが、そういった正しい情報を伝えるのではなく、ただ単に恐怖心を与え、この番組で解決しましょうとする内容は非常に下品です。ちょっとマシになってきたかとも思ったのですが、前回、今回共にどうしょうもない放送です。


さて次回は・・・敏感肌
どんな感じやすい展開なのでしょうか?