この随想録の壁紙や詩歌名作紹介をみても分かる通り、私は梅、特に白梅の花が大好きである。私が梅花を好きになったのはいつのことであろう・・・遠い昔のことで、よく憶えていない。しかし小学生の頃には図画工作の時間にしきりに梅の絵を描いていた記憶があるので、それ以前である。
我が実家の庭にはさほど立派ではないが、梅の木が一本生えている。私の親父殿が植えたものであるらしい(祖父談)。この梅は毎年冬の終わりごろに、それほど多くはないが白い花を咲かせる。その爽やかな香りが私にとっては春が来るということの象徴であったのか否か・・・おそらくその梅を見て育ったゆえに梅が好きになったのではないかと思われる。
今、何故梅が好きかと問われると、私はこう答えるであろう。まだ寒さも和らがぬ蒼穹に映える白い、一見可憐でしかし凛とした花。そしてその仄かに香る爽やかな香り。それらは華麗なわけではないが、確かな存在感を持ち、我が心に何か凛としたものをもたらしてくれるからだ、と。むう、上手く言葉に出来なかった・・・。そんなことはどうでも良い。兎に角梅は私の中では最高の花なのである。
因みにこのホームページのタイトル、蒼穹薫風は、張り詰めた空気ではあるが、しかし抜けるように青い天と、そこに微かに春の兆しである梅の香りを乗せて吹く風・・・即ち蒼穹と薫風、梅を中心とした情景を思い浮かべて付けたタイトルである。中国史には全く関係がない。いや、どうでもいいが。
さてさて、私の梅好きは年が上がるに従って段々と昂じてくる。中学校の頃の美術の絵画は殆ど梅を題材にしていたし(工作やらポスターやらは別だが)、書道でも梅を題材にした和歌や漢詩を取り上げるようになった。修学旅行で梅の名所、大宰府に行くことが決定した時は狂喜したものである。もっとも季節がずれていた為梅花は見ることができなかったが。日本史の人物の中で菅公が好きな所以もこれにあるのかもしれない。そういえば彼の和歌も記憶したものである。
「東風吹かば にほいおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」
何となく思いで深い歌である。因みに『大鏡』では第五句を「春な忘れそ」としている。いや、やはりどうでもいいのだが・・・。
アパートで一人暮らしをする身となった今はあの庭の梅の木もあまり見ることが出来なくなってしまったが、それでも自分の心の中には永遠に止め置かれている。梅・・・やはり最高の花である。

大幅に話は変わるが、何も私は梅以外の全ての花が嫌いなわけでもなんでもない。ただ梅に対する思い入れが強いだけである。因みに好きな花ベスト3は、一位:梅、二位:桜、三位:桃 である。やはりどうでもいいのだが。