春日憶李白

唐 ・ 杜甫

春日李白を憶う

書き下し文

白や詩に敵無し
飄然として思いは群ならず
清新なるは[ゆ]開府
俊逸なるは鮑参軍
渭北春天の樹
江東日暮の雲
何の時か一尊の酒もて
重ねて与に細かに文を論ぜん

杜甫が春の日、遠く離れた江東にいる李白のことを思って詠んだ詩。彼ら二人の友情が良く表れている。特に前半で李白をライバル視することなく素直に誉めているところに好感がもて、清々しい気分にさせてくれる。
この詩は私がはじめて隷書の条幅を書いたときの題材であった。書きながら杜甫の心情が伝わってきて、何とも言えず心地よく書くことができたことを記憶している。私が杜甫の詩が好きになる契機となった詩である。