旅行記・山陽本線篇
(名古屋〜博多)
五時四十分。私は名古屋の友人宅を出発した。東海道線岐阜行六時四十分発に乗るためだ。名古屋市営地下鉄に揺られ、一路名古屋駅へ。到着は六時三十五分。切符を買っていなかったので危うく間に合わないところであったがとりあえず券売機で岐阜までの切符を慌てて買い、ぎりぎりセーフ、岐阜へ到達することができた。
ここで米原までの切符を買い、大垣行の電車に乗り換え、大垣へ。名古屋〜岐阜間・岐阜〜大垣間はあまり長くないので座れなかったがあまり苦痛ではなかった。大垣では米原行に乗り換える・・・筈だったのであるが、駅の複雑な構造に惑わされ、訳の分からぬ電車に乗ってしまい、えらく辺鄙な地に到達してしまった。困り果て、一旦大垣に戻ることに。大きな時間のロスである。各駅停車の旅は電車の連絡がなかなか難しいので、少しのミスが致命傷になることもある。焦って(?)米原行の電車に飛び乗り、米原へ。ここで西へ向かう電車を捉えることとなった。
米原に到着すると、向かいのホームに姫路行の電車が待っている。これこそ天佑、とばかりにその電車に乗り(さらに運のいいことに座ることもできた)、関西へ。途中京の都や大阪、神戸などの大都市を通過しつつ、城下町・姫路に向かう。京都からは東海道線から山陽本線に変わって、管轄がJR東海からJR西日本に移っている。電車は無事姫路に到達した。私は岐阜から米原までの切符しか買っていなかったので、精算機で精算することに。だが、考えてみれば岐阜〜京都間と京都〜姫路間は先ほども述べた通り管轄が違う。果たせるかな精算機に精算を拒否されるという古今稀な体験をし、窓口に行って調べてもらってやっと改札から出ることができた。乗り換えまでの時間が幾分長かった故に救われた。皆さんも切符を買う時は留意されたい。
さて、姫路からは改札を出る手間を省く為に一気に博多までの切符を購入。まずは岡山を目指すこととした。遂に関西圏から中国地方へと入ったのであった。岡山では名物のきび団子を食べたいなあとか思っていたのであるが、いかんせんキオスクに売っているものは高い。さらに博多まで切符を買ったことが足枷となって、断念せざるを得なかった(泣)。次回こそは必ず・・・。
岡山からは広島県の岩国行の電車に乗った。車窓には長閑な田園風景が広がる。さらに暫くすると瀬戸内の海が見えてきた。折りしも朝から曇っていた空は晴れ、陽光が水面に煌く。絶景かな、絶景かな。四国もはっきりと目視することができた。いつか機会があれば上陸してみたいと思う。話は戻って、電車は広島の都市部に入り、少しの間広島市電と並行するような形となった。これもそのうち乗ってみたいものの一つである。車窓には瀬戸内海が広がる。すると私の視界に一際目立つ赤鳥居が飛び込んできた。かの有名な日本三景の一つ、安芸の宮島である。荘厳な赤鳥居は私を惹き付けてやまない。ここもいつか訪れようと思う場所の一つである。今度は中国・四国地方を旅しようかなあと密かに(?)思ったり。そうこうするうちに電車は終点・岩国へ。ここで下関行の電車に乗り換えることとなる。
岩国を出る頃には日の入りの時刻に。瀬戸内に沈む雄大な夕日を拝することができた。あまりにも美しく、筆舌に尽くしがたいものである。徳山辺りに到達した頃には日はとっぷりと暮れてしまった。しかし日暮れて道遠し、博多はまだ先。漆黒の闇の中を電車はさらに進む。そして下関に到着した。
ここで小倉行の電車に乗り換え。遂に関門海峡を越え、九州入りである。トンネルを抜けるとそこは我が故地、九州であった。自然と懐かしさと嬉しさが胸にこみあげる。感傷に浸る間もなく電車は終点・小倉へ。二日目の終着地・博多は目と鼻の先である。
小倉を出て暫くすると、スペースワールドが見えた。中学校の修学旅行で行った場所である。実に目にしたのは五年ぶり。時の流れの早さを痛感した。北九州の都市部を駆け抜け、電車は遂に九州第一の首邑、福岡へ。博多駅で電車を降り、明日へ備えることとする。因みに博多駅は何故か私の大好きな駅の一つである。どうでもいいが。
今日は実に朝の五時半から夜十時半まで、実に十七時間近く電車に乗って、九州に至ることができた。長旅である。しかしたまにはこんなのんびりした旅も良いのではないかと思えるほど充実した一日であった。旅は明日も続く。さて、明日はどんな日になるのであろうか。