小茂田茂は若い頃から勝利への「案内人」、“guia(ギア)”コモダ
と称されて来た、日本代表の顔とも言えるスーパースター。
スペインでプレイするようになってからは世界的な評価も高くなり、
コモダと組みたいと他チームから移籍して来るFWまで居た。
2005年6月、ドイツW杯最終予選突破を決めた直後、記者会見を
開いた小茂田は「サッカーでメシを食う生活はオシマイ」と引退を
発表する。
突然の、そして30歳という年齢での現役引退に日本中が驚く中、
小茂田は1人息子の燈(ともる)を連れて姿を消した。
1ヵ月後、小茂田が姿を現したのは福井県の和久実村。
市町村合併で「和久実」の名が消滅しそうな村のスイカ作り名人
タキの家を訪れた小茂田はタキ以上のスイカ名人として村の人間
となり、和久実村を息子の故郷にしてやりたいと話す。
スイカ作りを教える代わりにタキが出した条件とは自分の手伝いを
する為にサッカーを諦めた孫、倖男にもう一度サッカーをやる気に
させることだった。
タキの条件を受け入れた後、和久実村の幼稚園に勤めている妹、
ふみえの家を訪れた小茂田は突然の現役引退の理由を話す。
小茂田がスペインに単身赴任している間、妻の瑛美は育児ストレス
のはけ口を酒に求め、その影響で燈は「愛情遮断症候群」になり
成長が止まってしまっていた。
自分に出来る事は妻を実家で休ませ、息子と一緒に暮らせる親父
になることしかないと考え、和久実村にやって来たのだった。
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