
(イタリア、FW)
スキラッチが代表のユニフォームに袖を通したのがたった 16回しかないことを考えれば歴史の片隅に埋もれていた としても不思議ではない。 しかし、その経歴に最も印象的な7試合を含むことで 世界サッカー史に名を残すことに成功した、 それだけの運が味方したとすればやはり非凡である。 90年イタリアW杯直前に負傷したエース、ビアリの交代要員 として22人の最後の枠に滑り込み「ベンチに座れるだけで幸せ」 と述べた25才の青年はあれよあれよという間にゴールを量産、 準決勝にまでチームを導いて一躍脚光を浴びた。 ストライカーとしては低身長ながら抜群のポジショニングの センスを活かし常に最小のタッチでゴールに押し込む 職人肌の選手で華麗さには欠けるものの 思いきりと効率のよいシュートを武器に活躍、 果敢にゴール前に飛び込む姿で多くのファンを酔わせた。 シチリア(シシリー)島パレルモの出身で家が貧しかった為 に高校を中退してプロに転じ18才で当時2部だった メッシーナに入団した。 家族を養うために努力した結果が実り7年目(89年)に 名門ユベントスへ移籍。 同シーズンのUEFAカップ、コパ・イタリア優勝に貢献し 好調ぶりが買われてW杯代表に呼ばれている。 初戦のオーストリア戦で交代要員として出場、0-0の均衡を ファーストタッチのヘディングで破り母国を救ったのを皮切りに チェコスロバキア戦で2ゴール、準決勝のアルゼンチン戦では 敗れたものの先制点をあげて気を吐く。 その怒涛のゴールラッシュにより「トト(救世主)」の名前が 献上されホスト国イタリアを熱狂の渦に巻き込んだ。 特に故郷のシチリア島では彼がネットを揺するたびにお祭り 騒ぎが起こったほど。 3位決定戦でもゴールして得点王の成績を残している。 以後トップスターの道を歩み92年にインテルへ移籍、 決勝には出場しなかったが93ー94シーズンUEFAカップ で再び優勝。 ご存じのように翌年からジュビロ磐田に所属した。 リネカーに続くW杯得点王Jリーガーとして鳴り物入りの 入団ではあったが勇猛果敢なスタイルがたびたびケガを 誘発したため十分活躍できずに34才でユニフォームを脱ぐ。 代表での得点記録はわずかに7点。 そのうち6点はW杯でのものであり以上の事実が彼の半生 のすべてを物語るといえるだろう。 175センチ70キロ。 シンデレラボーイ、スキラッチは スカンチという名前で登場する。 元Jリーガーの意地にかけても スーパーサブとして貴重な働きをしてくれるだろう。 |
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(パラグアイ、FW)
チラベルトを中心とした堅守が光ったフランスW杯の 代表には間に合わなかったが翌年のワールドユースと コパ・アメリカで大活躍、この男の得点力があれば98年 ももっと上位を狙えただろうと多くのものに信じ込ませた。 ユース大会に出場したことからも分かるように 今年でようやく19才になる正真正銘の新星だが 才能に疑いの余地はない。 190センチに迫ろうという大型な身体に似合わず スピードとボールタッチに優れた選手で密集地帯を かい潜る巧みでしなやかな動き、身長の高さを活かした ヘディングなどストライカーに要求される能力を 殆ど兼ね備える。 大舞台での勝負強さにも定評がありブンデスリーガの 舞台で順調に育てば(今、まさにそうなっているところだが) 世界サッカー史に名を残すプレイヤーになるだろうと 周囲の期待は大きい。 99年のナイジェリア・ワールドユースで注目され コパ・アメリカで代表デビューする直前に地元の名門 オリンピアからドイツの名門バイエルン・ミュンヘンに 引き抜かれ日本円で約16億円という巨額の移籍金が 伴ったことで「1300万ドルの男」と呼ばれて名を上げた。 本大会でもその評価に違わぬプレーを連発、初戦の ボリビア戦こそ沈黙したものの対日本戦ではエスパルス のDF・斎藤俊秀を翻弄し2ゴールを叩き込んで才能の 高さを証明した。 予選リーグ突破のかかったペルー戦ではドローのまま 試合終了直前、冷静にGKをかわして決勝ゴール。 準々決勝でウルグアイに敗れたが個人としては 海を渡った後も活躍を続ける。 順応することが難しい欧州のトップリーグで2試合目に して1ー0の決勝ゴールを奪うなど早くも非凡なところを 見せつけ懐疑的であったベッケンバウアーでさえ頷かせる プレーで巨額の投資が正解であったことを明らかにした。 積極的に周囲に解け込もうとする真面目さや 甘いマスクでも(とりわけ女性に)評価を高めており 気候が寒くなった時の動きの質に問題を抱えるものの それも経験が解決するだろう。 189センチ80キロ。 期待の新星・サンタクルスは セントキルスという名前で登場する。 パラグアイと対戦するときは、彼の動きに要注意だ。 |
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(アルゼンチン、守備的MF)
「10番の位置は自分のプレー範囲としてはあまりに狭すぎる」 そんな本人の弁も決して大言壮語には聞こえない。 マラドーナ以後のアルゼンチンに現れた俊英の一人で イタリアと並び世界最高リーグとされるスペインにて 最大の評価を獲得、中盤の底「メディオ・セントロ」の 選手としてはグアルディオラとまったく甲乙つけがたい。 左利きで長身、肩まで伸ばした長髪がトレードマークで 視野の広さを最大限に活かした長短のパスや 守備から攻撃への迅速で鋭い切り替えなど その鶴のように優雅なプレーぶりから 「エル・プリンシペ(王子)」の名を頂戴したほど 大衆にアピールした存在となった。 殆どの同国人選手と異なり裕福な家庭の出身で 大学卒というキャリアも手伝ってか もの静かで理知的なキャラクターで知られる。 少年時代に1年間だけ タジャレス・デ・レメディオス・デ・エスカラーダという 長ったらしい名前の地元クラブでプレーしていたが マラドーナが育った名門、アルヘンティノス・ジュニアーズ と親善試合をした後即座にこのチームから勧誘を受けて 入団した。 18才で一軍昇格してから瞬く間にスターになったが 90年、クラブの管理上のミスで自由契約となり その騒ぎの末にスペインのテネリフェに加入、 カナリア諸島の一つにある小さなクラブを UEFAカップで戦えるチームにまで成長させたあと 94年レアル・マドリードに移った。 ここで彼本来の攻撃センスが完全に開花。 94ー95、96ー97シーズンのリーグ優勝を受けて 欧州チャンピオンズリーグ制覇、 98年のトヨタカップも手中におさめる。 15才の時にU16南米選手権を制するなど若い頃から その時々の最前線で戦ってきたが20才でイタリアW杯 のフル代表に選出されたものの大学卒業間近だった レドンドは学業の優先を理由にこれを辞退している。 実はビラルド監督の思想との相違という説もあり、 98年フランス大会では長髪禁止令を出したパサレラ監督 に公然と反発し世界最大の祭典への出場を自ら蹴った。 これらの事実からも分かるようにお坊ちゃんの育ちでは あっても常に自分の意志を明確に持つハートの熱い選手で そのために世界トップレベルの選手ながら代表出場数は 飛び抜けて少ない。 それでも、マラドーナとの不仲を指摘されながら 94年アメリカ大会でベスト16、 本人は精彩を欠いたと語るものの 優勝した93年のコパ・アメリカ、 92年のコンフェデレーション・カップ優勝など 随所に印象的なタイトルを残すのはさすがだ。 今年31才になるが、日本で有終の美を飾れるか。 186センチ78キロ。 マドリードの王子、レドンドは レドルーという名前で登場する。 中盤の底という地味なポジションに 光を与えられる選手は決して多くはない・・・。 |
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(ブラジル、センターバック)
次々と名選手を送り出すサッカー王国ブラジルの 唯一の泣きどころとして本格的なセンターバックが 育たないという現実があるが長い歴史の中でも 数少ない例外となったのがジュリオ・セザールだった。 190センチに迫ろうかという長身で敵のセンタリング をことごとく弾き返す抜群の肉体的強さを誇り ヘディングの強さは言うに及ばず 並外れたキックのパワーでも話題になった。 危険地帯をいち早く察知して現れる読みの深さと 勘の鋭さにも定評があり「黄金の中盤」の余韻を残す 86年メキシコW杯のイレブンの中でも 最も光り輝いた選手の一人。 大会後フランスのブレストのオファーを受け 15才の時から8年在籍したグアラニを離れて渡仏した。 翌年にモンペリエに移り 89ー90シーズンのフランスカップを置き土産に セリエA屈指の名門ユベントスに加入、 92ー93のUEFAカップで優勝を遂げた。 94年から移ったボルシア・ドルトムントでは自身の キャリア中最も多くのタイトルを獲得、加入年度からの 2シーズン連続のリーグ優勝と それを受けたチャンピオンズリーグ、 トヨタカップも勝ち抜いて世界一の座を手に入れる。 98年は母国のボタフォゴから再びドルトムント、 ギリシャのパナシナイコスを経て 現在はドイツのベルダーブレーメンに落ち着く。 自ら辞退を繰り返した為に代表出場はわずか15試合 に留まるがトニーニョ・セレーゾらが抜け 攻撃力が落ちた86年のセレソンにあって 堅実な守備の中核を担いハリスコ・スタジアムで プラティニ率いるフランスに土をつけられるまで 4試合を無失点で切り抜けた功績は大きかった。 フランスとのPK戦では5番手に登場して失敗したが 本大会での素晴らしい活躍で世界に一躍名を売り 世界中のメディアから絶賛された事実は見逃せない。 188センチ82キロ。現在37才。 カナリアの鉄壁、ジュリオ・セザールは セガールという名前で登場する。 メキシコ大会で聞かれたような賞賛の声が 彼の行くところ常につきまとうに違いない。 |
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