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「ジョイボール」

種別  :ファミリーコンピュータ専用増設コントローラー
    (連射機能付き)
メーカー:HAL研究所


 いつ日にか、一度でいいので大声で言ってみたいと思っていたことがある。
それは、「ジョイボール、使いやすいよ。」ということだ。

しかし、世の中のジョイボールに対する目は決して温かくはない。
当時のおいらの友人達もジョイボールを操り楽しそうにゼビウスに興じるおい
らのことを「哀れなる哉、小さき者よ!」という目でいたし、世間的な評価も
「連射機能を最初につけたというだけで有名になった、世紀末を象徴するご乱
心コントローラー」ということになっているので、人前で「ジョイボール、使
いや・・・。」くらまで言った途端に顔面にパンチが飛んできそうな情勢なの
で今までなかなか表だって主張する機会がなかったが、あれは本当は使いやす
いのである。

 ちなみに一応説明しておくと、ジョイボールというのは初代ファミコン専用
の別売りコントローラーである。
特徴としては先ほど書いたように、初めて連射機能(1秒間16連射)がつい
た、という事の他に、普通スティック状になっているレバー部分が「ボール」
であった。という点である。
何を言っているのか理解できないかもしれないが、レバーの形が球体になって
おり、それを掌で包み込むようにして操作するのである。

 それにしてもジョイスティックやジョイボールの使用法をあまり懇切丁寧に
説明すると、なんだか、卑猥な雰囲気が漂ってくるような気がしないでもない
ので、説明はこれくらいにして先に進むのである。

 つまり、このレバーが球体になっているという点がジョイボールが使いにく
いと言われる第一の要因である。
確かにジョイボールの操作感覚はレバーでいう「傾く」という感覚が乏しく方
向レバーがちゃんと入っているのかどうかが分かりにくいという難点がある。
しかも、球体である為、どっちが上なのか下なのか判別がつき辛く、上へ移動
しているつもりが斜め上に上がって行ったり・・・と、とかくとっつきにくい
コントローラーであることは認める。

 おいらも買った当初は、連射機能だけが目当てだったので足の指でジョイボ
ールのボタンだけ押しながら操作は標準コントローラーで行っていた。
しかし、ある時に気づいたのは、このコントローラーは意外と使いやすい、い
や、このコントローラーに限っていえば何時間プレイしても絶対腕が疲れない、
という点である。

 レバー型のコントローラーは長時間プレイしたり、激しい動きを要求するゲ
ームの場合、手首にかなりの負担がかかるが、ジョイボールに限ってそれが無
いのである、しかも慣れれば微妙な操作も思いのままだ。
というわけで、おいら的にはファミコンコントローラー史上最高のコントロー
ラーはこのジョイボールだった、と未だに思っているが、さりとてこのコント
ローラーがアスキースティックのように現在まで残っていた場合、格闘ゲーム
などの複雑な技コマンドに対しては悲劇的な対応しかできなかったかもしれな
い気はするのである。



AXL 2001

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