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ファイヤープロレスシリーズ寸評


ファイヤープロレスリングシリーズ発売年表

1989年 (PC-E) ファイヤープロレスリング・コンビネーションタッグ
1991年 (PC-E) ファイヤープロレスリング・2nd bout
1991年 (SFC) スーパーファイヤープロレスリング
1992年 (MD) サンダープロレスリング列伝
1992年 (PC-E) ファイヤープロレスリング・レジェンドバウト
1992年 (SFC) スーパーファイヤープロレスリング2
1993年 (SFC) スーパーファイヤープロレスリング3・ファイナルバウト
1994年 (SFC) ファイプロ女子・オールスタードリームスラム
1994年 (SFC) スーパーファイヤープロレスリング・スペシャル
1995年 (PCE-SCD) ファイプロ女子・憧夢超女大戦全女vs JWP
1995年 (SFC) スーパーファイヤープロレスリング・クイーンズスペシャル
1995年 (SS) ファイプロ外伝・ブレイジング・トルネード
1995年 (SFC) スーパーファイヤープロレスリングX
1996年 (PS) ファイヤープロレスリング・アイアンスラム'96
1996年 (SS) ファイヤープロレスリングS 6men Scramble
1998年 (PS) ファイヤープロレスリングG
2000年 (WS) ファイヤープロレスリング for wonder swan
2001年 (DC) ファイヤープロレスリングD
2001年 (GBA) ファイヤープロレスリングA
2002年 (GBA) ファイナルファイヤープロレスリング〜夢の団体経営〜
2003年 (PS2) ファイヤープロレスリングZ

合計 21本
 但し、ファイナルバウトイージータイプやX Premiumなどの別バージョンは
 含まず。




ファイヤープロレスリングシリーズ寸評

ファイヤープロレスリング・コンビネーションタッグ

Media :PC-Engine Hu-card
Maker :HUMAN
発売日:1989年

   シリーズ第一作。
  それまでのプロレスゲームにはなかったクオータービュー、連打ではなく
  タイミングで技をかけるシステムの搭載など新世代プロレスゲームの到来
  を予感された傑作。
  また、悪役レスラー乱入の裏技、タッグ固定制など後のファイプロにはな
  い要素も含まれれていた。
おいらは当時高校二年生で近所のディスカウントショップで発売日に購入。
  毎日こればかりやっていた。

ファイヤープロレスリング・2nd bout

Media :PC-Engine Hu-card
Maker :HUMAN
発売日:1991年

   第一作からタッグを自由化し、レスラーを刷新、グラフィックを向上さ
  せた作品。登場レスラーにはこの頃ブレイクしていた北尾光司、アルティ
  メットウォリアーなど(ただし非実名)も登場。
  技のアニメーションはそれなりに増えたが、これとった特徴がないのも確
  か。
  当時のおいらは専門学校生、原宿でバイトしていたのでバイトの休憩時間
  に新宿まで出て購入、すぐに原宿に戻りナゼかラフォーレのトイレに籠も
  って説明書を熟読していた思い出がある。

スーパーファイヤープロレスリング

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1991年

   プラットフォームをスーパーファミコンに移しての第一作。
  フラットフォームの向上によりグラフィックは進化したものの、内容的に
  は、レスラーの刷新のみ。
  登場レスラーでははじめてジャイアント馬場が登場。
  専門学校のプロレス好きな友人と遊びまくった作品。
  ナゼかファイプロに馬場は出ないと思っていたので、その点では驚かされ
  た。


サンダープロレスリング列伝

Media :MEGA DRIVE
Maker :HUMAN
発売日:1992年


   タイトルだけ見るとまるで他社から出たファイプロ類似品のようだが、
  メーカーはHUMAN。
  グラフィックはかなり癖がある(というかひどい)、登場レスラーもそれ
  迄の比較的分かり易いアレンジから一部モデルレスラー不明なくらい強烈
  なアレンジが加えられた。
  思うに、ファイプロ作品にしたかったのだが完成品のクォリティの問題か
  ら断念したのか、MEGA DRIVEという新プラットフォームでファイプロとは
  別のブランドを作ろうとしたが、後が続かなかったのか興味の尽きない異
  色作品。
  先述のプロレス好きな友人が購入。
  おいらは当時、一人暮らしをしており、メガドライブは実家に置いてあっ
  た為購入しなかったが、正直「買わなくて良かった・・・」と思ったのは
  内緒。


ファイヤープロレスリング・レジェンドバウト

Media :PC-Engine Hu-card
Maker :HUMAN
発売日:1992年

    PC-Engine Hu-Card版としては最後の作品。
   そして後のファイプロシリーズの方向性を決定付けるエディットシステ
   ムが搭載された最初の作品。
   それまでのファイプロに比べてレスラーの一枚絵が妙にアニメ調になっ
   たのが印象的。
   エディットレスラー登録数は僅か4人だったが死ぬほど遊びまくった作
   品。

スーパーファイヤープロレスリング2

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1992年

    スーパーファミコンとしては2本目。
   期待していたレスラーエディット機能も搭載されず、またまた単なる焼
   き直しだが、隠しレスラーとして登場したタイガーマスクを対角線上に
   振るとムーンサルトで回避するのは死ぬほど驚いた。
   (タイガーマスクが最初に登場したのはレジェンドバウトだが、このシ
   ステムは本作が初。)


スーパーファイヤープロレスリング3・ファイナルバウト

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1993年

    遂にエディット機能が搭載されたスーパーファミコン版ファイプロ。
   使用可能レスラー数はなんと50人以上。
   普通、10〜20人が相場だった当時のプロレスゲームとしては桁外れだっ
   た。
   この作品で初登場したリック・スタイナー、スコット・スタイナーのス
   タイナーブラザーズのゲーム内での名前が「ビッグ・スタミナ」「スモ
   ール・スタミナ」となっていたのに地味に受けた。
   エディットシステムもレジェンドバウトに比べ洗練されており、寝ても
   覚めてもファイプロ三昧だった。


ファイプロ女子・オールスタードリームスラム

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1994年


    初の女子版ファイプロであると共にはじめて実名選手が登場したファ
   イプロでもある。契約は全日本女子との単独契約だったらしく他の団体
   の有名女子レスラーは「イエローウーマン」だとか「グリーンウーマン」
   などという「思い入れ拒否」な名前がつけられ、なまじ特定団体と契約
   してしまったが故の「お察し下さい」ぶりを見せ付けることとなる。
   初の女子版という意味では特筆すべき作品ではあるのだが反面、エディ
   ット機能も搭載されておらず、飽きが来るのは早かった。


スーパーファイヤープロレスリング・スペシャル

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1994年

    システム的にも内容的にも大きく進歩した作品。
   システム的には自ら走ってのギロチンドロップや、キングコング・ニー・
   ドロップなどそれまでのファイプロではシステム上再現不可能だった技が
   使用可能になり、UFCブームの煽りから各種格闘技選手やマウントパンチな
   どバーリトゥード系の技が多く搭載される。
   反面、監修にプロレスライターで海外プロレス事情通の斎藤文彦氏を向え、
   WWF(現:WWE)系選手の大幅増加を計る。
   また初めてストーリーモードが搭載された。
   それまで選手選択時に表示されていたレスラーの一枚絵(イラスト)が本作
   割愛されたが、レスラー選択時にはキャラクターそのものが表示され、しか
   も、一部のキャラクターは試合時のコスチュームではなく入場用のコスチュ
   ームを着ていた。

   尚、このゲームの初期ロットにはCPUレスラーはコーナーポストには昇る
   が絶対に飛ばない(そのまま降りる)、という不可思議なバグがあった。
   うろ覚えの記憶だが、前作までのファイプロはレスラーはコーナーポス
   トに昇ると相手で立っていても必ず飛んでくるので、この辺を是正しよ
   うとして失敗したのではないかと思う。
   後にメーカーはバグの存在を認め、ソフトを郵送することで交換に応じ
   てくれたが、完全なファイプロバカだったおいらは郵送の時間がもどか
   しく、再度新品を購入してしまった。


ファイプロ女子・憧夢超女大戦全女vs JWP

Media :PC-Engine Super CD-ROM2
Maker :HUMAN
発売日:1995年

    残念ながら未プレイ。
   既にPS,SSなどの次世代機が発売されていた当時、我が家の初代CD-ROM2
   はピクリとも動かなかった。
   ファイプロシリーズとしては初めて媒体にCD-ROMを使用している為、内
   容的な興味は尽きない。


スーパーファイヤープロレスリング・クイーンズスペシャル

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1995年

   こちらも女子版。前作には付かなかったエディット機能が搭載され、遊
  び甲斐は大幅に増加した。キャラクターのグラフィックも男子同様だった
  前作に比べて女子らしく線の細いグラフィックに刷新された。
  おいらがプレイした女子版としては当然最高の出来なのだが、メニューな
  どのテキストロゴがウルトラマンのそれそっくりだったり、エディットレ
  スラー登録時に聞かれるカラオケのレパートリー数やら好きな色という項
  目が何に影響していたのかは永遠の謎。


ファイプロ外伝・ブレイジング・トルネード

Media :SEGA Saturn
Maker :HUMAN
発売日:1995年

   ファイプロではないファイプロ。
  オリジナルは同名のアーケードゲームで、2Dながらもレスラーのグラフ
  ィックは大幅に強化されより鮮明に大きくなったが、ゲーム性はファイプ
  ロとは大きくかけ離れた、いわばHUMAN版マッスルボマー。
  ファイプロ外伝というサブタイトルはあくまでも売上げの為でしかなく、
  サンダープロレス列伝に敢えて(?)ファイプロの名前を使わなかった過
  去のプライド(?)と悲しくなる。
  ただ、この頃はスーパーファミコンでのファイプロシリーズが健在だった
  為、お遊びとしてまだ許せる範囲ではあった。

スーパーファイヤープロレスリングX

Media :Super Famicom
Maker :HUMAN
発売日:1995年

   スーパーファミコン版ファイプロシリーズ最終作。
  スペシャルの直接の続編となるが、方向性はスペシャルとは大きく変わっ
  てしまい「グラフィックを大きく、リアルにする」為に他の多くのものを
  犠牲にしてしまった作品でもある。
  確かにグラフィックは前作比でリアルにはなったものの、レスラーの動作
  の速度は目を覆うばかりに遅くなり、レスラー数、技数も減少してしまっ
  た。同時期にBPSがXとは真逆の方向性を打ち出した「バーニングプロレス」
  というファイプロ亜流作品を発売していたのが印象に残る。
  余談だが、この作品から武藤敬司がハゲはじめたような気がする。
  (普段は分からないがフォール時に頭のてっぺんが光っていた)
  というか、そんなことはどうでもいいので、元のファイプロに戻して欲し
  かった。


ファイヤープロレスリング・アイアンスラム'96

Media :Play Station
Maker :HUMAN
発売日:1996年

   Xでスーパーファミコン版ファイプロは最後となったが、その時点では
  まだ次のプラットフォームが何になるか、シリーズそのものは存続するの
  か?といったファンにとって最も重要な情報は公開されていなかった。
  そんな時にひょっこり発売されたPS初のファイプロ。
  しかもグラフィックはポリゴンへと一新された。
  勿論、購入はしたものの、レスラーがポリゴン化したということはファイ
  プロファンにとっては悲劇でしかなかった。
  レスラー数や使用可能な技の激減、システムの退化は本作を既にファイプ
  ロとは呼べない、別の何か、へと押しやってしまった、後のキング・オブ・
  コロシアムのプロトタイプともいえる作品だが、これは当時に於いてもや
  はり試作品に過ぎなかった。
  現在、「プロレス戦国伝」と共にPSワゴンセールの常連として余生を送る。
  しかし、後に訪れるシリーズの終焉がどのような形で来るのかを予想させる、
  という点では意味のある作品。

ファイヤープロレスリングS 6men Scramble

Media :SEGA Saturn
Maker :HUMAN
発売日:1996年


   32bit次世代機で発売された初めての正統派ファイプロ。
  ファイプロとしては初めて6人タッグマッチが可能となり、入場シーンが
  追加された。
  サターンというプラットフォームのお陰で、前作Xでのヴィジュアルとし
  ての進化と、前々作スペシャルのシステムとしての進化を見事に融合させ
  ることに成功した。
  が、サターン版としては最初で最後のファイプロであり、同時にファンに
  とっては「年末の風物詩」になりつつあった年末のファイプロの新作発売
  はこれが最後になる。
  余談だが、このゲームの発売前、HUMANはパソコン通信の方のNity Serve上
  に本作専用のフォーラムを開いていて、情報の提供やファンの質疑応答を
  行っていた。


ファイヤープロレスリングG

Media :Play Station
Maker :HUMAN
発売日:1998年

   前作から約2年の沈黙を経てPS上で復活したファイプロ。
  同時にHUMAN発売のファイプロとしては最後となってしまった。
  元々はSのPSへのベタ移植ということで開発がはじまったらしいが、S発
  売からかなりの時間が経過していることから、ストーリーモードやエディ
  ットレスラーランキングモードなどのD独自の要素を追加しており、かな
  り遊べるファイプロとなっている。
  内容的には、HUMAN最後のファイプロとしても充分に納得させられるだけの
  ものはあるが、プラットフォームがPSになった、ということはセーブ、ロ
  ードに関してサターンに比べて不自由が多い、ということでもあり、本作
  ではクイックセーブ(メモリセーブ)が可能となっていたが、やはり短時
  間だけ遊ぶことの多いファイプロでは実セーブ・ロードの長時間化は正直
  キツイものがあった。


ファイヤープロレスリング for wonder swan

Media :Wonder Swan
Maker :加賀テック
発売日:2000年

   未プレイ。
  HUMANの倒産に伴い、権利を取得した加賀テックによって復活したファイ
  プロ。とはいえプラットフォームがWSということで前作からの進化、とい
  うより「携帯で遊べるファイプロ」という意味の方が大きいのではないか
  と思われる。
  ちなみに加賀テックというとあまり馴染みのない会社に聞こえるが、実際
  にはPC-Engine時代に活躍したナグザットのこと。
  現在ナグザットは加賀テック(加賀電子グループ)の子会社化したらしい。


ファイヤープロレスリングD

Media :Dream Cast
Maker :スパイク
発売日:2001年

    同じく権利を取得したスパイクによって遂に本格的復活を果たしたフ
   ァイプロ。WS版とは違い次世代機上のファイプロの集大成的な作品で、
   システム、演出、レスラー数、技数の全てが及第点をつけられる。
   またDCのハード上の特性を活かし、新技のダウンロード販売なども行わ
   れていた様子。
   このゲームが発売された頃、おいらはDC未所有だったが後にDCの製造終
   了に伴い本体価格が9800円になったのを機に購入。
   現在のところ最後にハマったファイプロとなる。


ファイヤープロレスリングA

Media :Gameboy Advance
Maker :スパイク
発売日:2001年

    未プレイ。
   GBAのクォリティは凡そスーパーファミコンと同程度、ということで携
   帯機ながらもスーパーファミコン時代のファイプロを彷彿とさせるグラ
   フィクのファイプロ。
   しかし、ファイプロシリーズとしては初めてとなるセコンドという概念
   の導入など単なる携帯ファイプロで終わらない魅力を持つファイプロで
   ある。


ファイナルファイヤープロレスリング〜夢の団体経営〜

Media :Gameboy Advance
Maker :スパイク
発売日:2002年

    未プレイ。
   GBAファイプロ第二弾だが、今作にはサブタイトルにもある通り、ファイ
   プロ初の団体経営モードが搭載された。
   このモードの存在は、初期に行き詰まったファイプロを見事復活に導い
   たレスラーエディットシステムの再来ではないか、と当時は期待してい
   たのだが、団体経営モードは今作で最後となってしまった。


ファイヤープロレスリングZ

Media :PlayStation2
Maker :スパイク
発売日:2003年

    恥ずかしながら未プレイ。
   「ファイプロ最終作」と銘打たれたファイプロで、パッケージは白地に
   毛筆の文字で「ありがとうファイプロ」「さようならファイプロ」と字
   書かれているだけ、という知らない人が見たら逃げ出しそうな濃さであ
   る、別にパッケージが恥ずかしいので買わなかったわけではなく、内容
   的に新品購入するほどの魅力を感じられなかった。
   期待していた団体経営モードも付かず、Dのマイナーチェンジにストー
   リーモードがついただけ、という内容は、内容的に低迷していた初期フ
   ァイプロの新作を見るようで、最終作としてはあまりに悲しい。

   ファイプロシリーズは事実上同社の実名ポリゴンプロレスゲーム、「キ
   ング・オブ・コロシアム」に引き継がれるようで、確かにポリゴンにも
   関わらずレスラー数、技数、エディット、システムともファイプロ以上
   という出来の良さは素晴らしいと思うのだが、1ゲームにあまりに時間
   がかかり過ぎるという問題が「キング〜」にはある。
   決して試合時間が長過ぎるというわけではなく、PS2用HD無しで、赤、緑
   の両作を融合して遊ぼうとする場合、起動毎にディスクチェンジで2枚
   のディスクを読むことを要求され、何をするにもロード待ちで、気軽に
   遊べることのが売りの一つだったファイプロの後継作としては不満も少
   なくない作品である。

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