レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「ワイルドガンマン」


Media :Family Computer
Maker :任天堂
種 別:光線銃ゲーム
発売日:1984年


 ファミリーコンピュータ専用光線銃シリーズ第一弾。
ファミコン世代のゲーマーなら、「ああ、アレねえ・・・」などといいつつ何
故かため息まじりに鼻の頭でもかいてしまいそうな、アレだ。
ゲームの内容を簡単に説明すると、まず標準モードであるゲームA、Bの場合、
画面に敵のガンマンが現れ、「ファイア!」という掛け声の後、敵よりも早く
光線銃をホルスターから抜き取りテレビ画面に向けてショットすることができ
ればそのガンマンを倒すことができる。

 これだけ短い文章でこれだけ簡潔に説明できてしまうゲームも珍しいが、「
それがすべて」なのだ。

ゲームCの場合は、酒場の窓や扉などからランダムに顔を出すガンマンをこれ
また相手より早く倒していくことが目的で、こちらは、相手ガンマンの出現場
所を狙う必要がある。

 ゲームAとBの差は難易度だけなので、つまりはワイルドガンマンというの
は大きくわけで2つのゲームモードによって構成されている。


 ファミリーコンピュータ専用光線銃シリーズのソフトは、このワイルドガン
マンを皮切りにダックハント、ホーガンズ・アレイの3本が発売されたが、こ
のワイルドガンマンのみ、ソフト、光線銃、ホルスターの3点がセットになっ
たものが販売されており、他の2本はそれぞれソフト単品と光線銃(ホルスタ
ーは含まない)が別売されていた。

 実は、おいらの場合、どういうわけか、後の2本のソフトは買ったが、この
ワイルドガンマンのみ未所有で、後に友達にソフトだけ借りて遊んだ覚えがあ
る。
当然、ホルスターも持っていなかった、というより、ホルスターなどというも
のがあることさえ知らなかったので、このゲームが「ホルスターからの早撃ち
を前提としたゲームである」ということすら知らないまま、「ファイアー!」
の掛け声と同時に相手を瞬殺し、暗黒のハイスコアの山を築いてしまったよう
な気がする。


 だが、逆にホルスターを持っていたとしても、バカ正直に腰にホルスターを
巻いてファミコン相手に、いちいちホルスターから銃を抜いて早撃ち真剣勝負
を挑む・・・というのも、どこか根本的に健全な人生というものから遊離して
しまっているな気がする。

 何にしても、ワイルドガンマンをはじめ合計3本の光線銃ゲームは、ファミ
コン専用初の周辺機器必須ゲームではあったが、お世辞にも「名作」や「佳作」
という言葉からは程遠い、地味な存在であり、光線銃がなければ何の役にも立
たない上、光線銃があったとしても、これといって何かの役に立つとも思えず、
いつしか中古ショップのワゴンセールの常連となってしまうのだが、そもそも
何故光線銃だったのだろうか?

 任天堂は、後のスーパーファミコンでも、「スーパースコープ」という名称
で専用の光線銃ならぬ光線バズーカ砲を発売しているが、こちらも先輩の光線
銃と同様、あってもなくてもいいような数本の専用ソフトに囲まれ、その後は
孤立無援・・・・という寂しい人生を送っている。

 さすがに、Nintendo64に光線ものは出なかったような気がするが、ゲームキ
ューブにも今のところ光線系の周辺機器は発売されていないようだが、そもそ
も任天堂は、テレビゲーム業界に参入する以前に、おもちゃとしてその名も「
光線銃」なるものを販売していた歴史があるのだ。

 おいらが子供の頃にはこれの後継機(あるいは他社の亜流)のCMをやって
いたが、それは、壁に専用のターゲット(ちょうどダーツの的のような形のも
の)をかけておいて、離れた場所から専用の光線銃でショットすると、当たり・
外れの判定、また当たった場合はどの位置(エリア)に命中したかということ
を表示する能力を持つおもちゃだった。

 これが結構儲かったらしく、後のファミコン専用光線銃の発売に影響を与え
ているような気がするのだが、その割には、任天堂製の花札のゲームというの
は1本もないので、単なる偶然かもしれない。




AXL 2002

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