「サバッシュ2〜メヒテの大予言〜」(エミュレータ復刻版) Media :Windows 95/98/Me/2000 Maker :サバッシュ2復刻委員会(オリジナル版:POPCOM SOFT) 種 別:海洋RPG 発売日:2001年9月8日 この「おいら的あの頃ゲーム」のレビューで取り上げたのが縁で本当に復刻 版を制作することになってしまった記念すべきソフト。 ことの起こりは、「おいら的あの頃ゲーム」の読者、沙羅羅さんからのメール で、レビュー記事として取り上げたサバッシュ2を「たのみcom」(ユーザーの 投票により商品化して欲しい商品を募り、商品化にトライしてくれるサイト、ゲ ーム関係では、開発中止になったタイトルや未発売の続編などが多い)に「サバ ッシュ2」の再販を申請しても良いですか?問い合わせを頂き、そういうことな ら、専用のサイトを立ち上げて告知しましょう、と1時間くらいで作成したのが 現在の「サバッシュ2復刻委員会総本部」である。 これが2001年3月のことだ。 勿論最初は、たのみcomを介して当時のファンに投票を呼びかけることを目的と していたが、途中から復刻委員会そのものがサバッシュ2の復刻を担当させて頂 くことになる。 これは、サバッシュ2の画像使用の件で原作者の三遊亭円丈師匠にメールを差し 上げたことと、掲示板で「ベロ」さんという方からエミュレータを使用しての復 刻なら可能なのではないか?というアイディアを提供して頂いたことによるもの で、この話を師匠にお伝えしたところ、二つ返事で是非お願いします、というお 返事を頂くことができた。 エミュレータというのは、例えばwindowsで他のゲームマシンや過去のパソコン などの特定のマシンで動くソフトを動かすソフトのこと、サバッシュ2の場合、 NekoProjectIIというPC-98エミュレータが、PC-98の振りをすることにより、PC- 98用ソフトであるサバッシュ2を動かしている。 この方法ならば、エミュレータ上で動くディスクイメージ・ファイルさえあれば 簡単にWindows上でサバッシュ2をプレイすることができる、というわけだ。 ただし、オリジナル版のサバッシュ2には、コピー防止用プロテクトなるもの がかかっており、これを解除しない限り、表面上コピー(ディスクファイル作成) できたように見えても、内部で、コピープロテクトプログラムが働き「絶対にク リアできないゲーム」になってしまう。 このプロテクト解除もおいら一人ではどうにもならなかったのだが、当初からご 協力頂いたあるまさんや、ぐらさんのご助言、ご協力により何とか成功、ただし、 5年以上もMS-DOSに触っていなかったおいらは、誤って解除の為に使用したPC-98 21のハードディスクを丸ごと消去してしまった。 さて、なんとかディスクイメージファイルを作ったのはいいが、問題は、こ れだけでは動作しない、ということである。 ディスクイメージファイルは、いわゆる「ソフト」であり、これを動かすのは 「本体」、つまり、PC-98エミュレータが必要なのだ。 実は最初は、ディスクイメージファイルのみを販売し、エミュレータはユーザ ー各自で用意して貰う、というのも考えたのだが、これだと、エミュレータに 関する知識がない人にはかなり敷居の高いものになってしまう。 ところが、エミュレータ本体というのは、例えばそれそのものがシェアウェ アーであったり、動作させる為には、PC-98本体からBIOSと呼ばれるデータを吸 い上げる必要があったりと、安易に同梱させることが非常に難しい。 そんな中、あるまさんのご紹介で、"Neko-Project II"というBIOS不要のフリー エミュレータがあると聞き、早速原作者の方に事情を説明し、ソフトの同梱を お願いする。 快く同梱を許可して頂き、この時点でリリースする為に最低限必要なものを揃 えることに成功した、確か4月か5月くらいの話である。 さて、次は、ディスクイメージファイルとNeko Project IIというエミュレー タの組み合わせでサバッシュ2が完全動作するか?というチェックを行わなけ ればいけない、実はエミュレータでソフトを動かす、ということそのものに実 はかなり無理があり、一見、ちゃんと起動するように見えてもエミュレータと ディスクイメージの組み合わせによっては特定の箇所で動作が止まってしまう という可能性もあるのだ。 テストプレイヤーを「おいら的あの頃ゲーム」で募集し、約三ヶ月に渡って テストプレイを続ける。 製品に同梱する為のマニュアルの執筆に入ったのもこの頃だ。 復刻版サバッシュ2のマニュアルは、オリジナル版のマニュアルをベースに、 トータル的な序盤攻略法や、エミュレータ独自の操作方法や注意点の追加、そ して、くらげさんのご協力により、オリジナル版では付録としてついてきた巨 大なワールドマップを画像ファイルマニュアル内に組み込み、さらに、陽☆☆ さん、百千万さんによる膨大な用語辞典を付けて、最終的に、陽☆☆さん、百 千万のヘルプファイルコンバートチームのお二人が、おいらには到底理解でき ない、htmlヘルプファイル形式という魔法の呪文を駆使して完成させて下さっ たものである。 これら全てが完成し、テストプレイでも特にこれといった問題はなかったこ とが確認されたのが、8月の半ば、vectorのサイトに公開されたのが9月8日 のことである。 ここまでが復刻版開発の流れだが、この間、原作者の円丈師匠やオリジナル 版プロデューサーの安藤さん、シナリオプログラマーの三宅さんといった、オ リジナル版製作者の皆さん、そして、復刻版制作に当たってご助言、ご協力を 頂いた、あるまさん、ぐらさん、陽☆☆さん、百千万さん、くらげさんを始め とする皆さんの暖かいご協力があったことを改めて書いておきたい。 というか、これらの人々の協力がなければ、絶対に復刻版が発売されることは なかったはずである。 これだけは自信をもって言えるのだ。 実際、おいらがやったのは、マニュアルの執筆と、実際的なディスクファイ ル作成作業、そして、トータル的なプロデュースくらいのもので、肝心の試用 テストやら、マップスキャニング、ヘルプファイルコンバートなどは全てこれ らの人々の協力によるものである。 さて、何とかインターネットの片隅で陽の目をみることができた復刻版サバ ッシュ2だが、これだけは・・・という心残りな点も残っている。 それは、フロッピー版のディスクイメージ配布になってしまった為に、ゲーム 中、指示に従って何度もディスクファイルの入れ替えをしなければいけない、 という点である。 ハードディスクを丸ごとイメージファイルとしてしまうことが出来ればこの 辺の面倒な作業は一切必要なかったのだが、ハードディスクにインストール作 業を行う為には、OS(NEC版MS-DOS)の組み込みが不可欠で、実際、この為に協力 者のぐらさんはNECの担当者の方に直接掛け合って下さったが、エミュレータ上 での動作にあたっては、十分なサポートが出来ない、という理由によりNECから の許諾を得ることはできなかった。 確かに、天下のNECが許諾を出す以上、最も至極な理由だが、この点だけが心残 りである。 最後に、今後の展開などについて・・・。 実は、サバッシュ2復刻プランには、今回の製品とは別に「パッケージ版サバ ッシュ2」の発売プランがある。 これは、CD-ROMにデータを入れて通販などで販売するというもので、当たり前 の話だが、CD,ケース、CDジャケットなどが付く。 当初は、ちゃんとしたマニュアル本もつける、という話があったのだが、経費 がかかりすぎる為にあっさりと断念。 発売時期等は完全に未定で、実は、DL版がある程度売れないと、発売の為の費 用が捻出できない、という切ない台所事情もあったりするのだ。 というのも実は、今回のDL版に関しては「資本金0」でやってしまったのだ。 そもそも、サバッシュ2復刻委員会というのは、ちゃんとした組織でも何でも ない、その名称からある程度人数がいると思っている方も多いかもしれないが、 サイトを作るにあたって、おいらが「ハッタリだけで」命名してしまった名前 で、DL版作成や現在スタンバイ状態にあるパッケージ版作成などプロジェクト ごとに協力して下さるメンバーはある程度いるのだが、別に給料を払っている わけではなく、サークル的な意味合いの強いもので、資本力というものがまる でない。 あるとすれば、おいらのお小遣いくらいのものである。 その為、実は本当に出るのかさえ不透明だったりするパッケージ版だが、も しパッケージ版を発売できるようなことがあれば、それは今回の復刻プロジェ クトがある程度成功した、ということでもあるのだ。 AXL 2001 関連リンク:サバッシュ2復刻委員会 |