レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「スーパーマリオブラザーズ」

Media :FAMILY COMPUTER
Maker :任天堂
種 別:右スクロール型アクションゲーム
発売日:1985年


 説明不要の名作アクションゲーム。
一般的にはこれを「初代マリオ」と呼ぶ場合もあるが、名義上はマリオブラザ
ーズ続編的ソフト、ただし、マリオブラザーズよりも人気・内容ともにこちら
の方がはるかに上。

 初めて実際に「スーパーマリオブラザーズ」の画面を見た時の気持ちは今で
もはっきりと覚えている、40%の失望と30%の違和感、そして残りの30
%期待だった。
まずどうして、このゲームを見た時においらが失望感を覚えたのかというと、
ゲーム発売前、発売予定の「スーパーマリオブラザーズ」というゲームタイト
ルからイメージしていたものが、マリオブラザーズのアップグレード版だった
から、である。

 今となっては「マリオブラザーズ」を知らないゲーマーも多いが、当時のお
いらにとっては、「マリオブラザーズ」はかなり入れ込んだゲームであり、未
だに大好きなゲームの一本である。
ところが実際に現れた「スーパーマリオ」のゲーム画面を見ると、明らかに「
マリオブラザーズ」とは全く違ったコンセプト、システムを持つゲームであり、
主人公のマリオやルイージを始め、土管などのマリオブラザーズ的なディティ
ールが僅かに残っている他は完全に別物だということがすぐに分かった。

 そして次に感じた違和感はそれまで、マリオが登場したゲームにスクロール
するゲームが1本もなかった、からだ。
マリオに限らず、ドンキーコングや初期のポパイなど、それまでの任天堂の定
番アクションゲームは全て画面固定型であり、右へ右へとスクロールするスー
パーマリオは、マリオに、というか、任天堂に合わないのではないか?と勝手
に感じてしまった。

 この時に味わった違和感を後年、マリオ64でも味わうことになるが、どち
らにせよ、おいらの予感はいい意味で外れてしまった。


 そして最後に感じた期待は、今までに任天堂がリリースしてきたどのゲーム
にも「スーパーマリオ」は似ていなかった、という事に対する純粋な期待感で
ある。


 念のため、簡単にゲームシステムを説明しておくと、主人公のマリオ(2P
の場合はルイージ)を操り、ステージの右端にあるお城までたどり着く、とい
うのが基本ルール。
ステージ構成は、合計8ワールド存在し、1ワールドごとに4つのステージが存
在する、全てのワールドの最終ステージにあたる4ステージでは、クッパの城
に潜入し、クッパを倒すことが目的に変わる。

 ストーリーは、キノコ王国のピーチ姫・・・というか、キノコ王国にも関わ
らず「ピーチ」姫が悪者のクッパにさらわれる、マリオは単身、ピーチ姫救出
の為にクッパの城へと向かう・・・というようなところである。

 実はこれくらい有名なゲームになると殆ど書き尽くされてしまっていて、逆
に書くことがなくなってしまうのだが、おいらがこのゲームで受けた衝撃の中
で最大のものは、1ワールドの2ステージ、いわゆる地下ステージといわれる場
所で、マリオが画面の最上部を構成しているブロックの上に乗れてしまう、と
いうことだった。

 画面最上部のブロックというのはいわゆる「屋根」の役割をしており、ここ
を走っていけば敵に出会う心配が全くない。
普通、こういう行為はゲーム中の「禁じ手」とされ、そういう状態に至らない
ように、メーカー側でチェックが入れられるものだが、「スーパーマリオ」は
その禁じ手をいとも簡単に使ってきたのだ。
しかもゲーム中にはワープゾーンや隠しルートなどが数多く存在しており、む
しろそれを探すことにゲーム性を持たせているのだ。


 今までに何度も書いてきたように、おいらはゲームに限らず、苦労嫌いな人
なので、「ゲーム中に無理やり苦労させようとする」制作サイドの態度がどう
にも気にいらないのだが、それだけに、このマリオの「屋根の上を走れる」と
いう自由度の高さと懐の深さには非常に驚いたのを覚えている。


 スーパーマリオに関しては、例えばオールナイト・ニッポンが企画した、タ
モリ等が出てくるバージョンが存在するとか、隠し(バグ)も含めると256ス
テージ存在するとか、色々な伝説があるが、それらに全て触れることはできな
いので、星の数ほど存在すると思われるスーパーマリオグッズに関しては、レ
コードのみを紹介したいと思う。

 これはスーパーマリオのBGMに歌詞を乗せてシングルレコードで発売されたも
ので、おいらが知っているだけで2バージョン存在する、このうち有名な方は
谷山浩子が歌っているもので、マイナーな方はどこの誰が歌っていたのか、い
まだによく分からないもので、おいらが持っていたのは悲しいかな、後者であ
った。

 それでも当時は聞きまくっていたいたせいか、もしくはそれだけ長い時間ス
ーパーマリオをやりこんだせいなのか、未だに半分くらいは空で歌詞を覚えて
いる、という実にどうでもいいスキルを持っているのだ。


 ちなみにおいらの部屋には、いまだに初代ファミコンがあり、数年前中古シ
ョップのワゴンの中で200円で売られていたスーパーマリオを見つけたので
久しぶりにプレイしてみたところ、実に不思議な感覚に襲われた。

 10年以上プレイしていなかったゲームなので、当然、隠しキノコや隠しル
ートへの入り口などは完全に忘れていたつもりだったが、隠しアイテムがあり
そうな場所にくると頭とは無関係に指が動いてしまうのだ。
しかも、その8割以上が当たっており、当時いかにこのゲームをやり込んだか
を改めて思い出した。
10数年のブランクを経てもちゃんと「覚えていてくれた指」に感謝しつつ、
その日はかなり本気でプレイしてしまった。



AXL 2001

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