レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「スターソルジャー」


Media :Family Computer,MSX,Super Famicom
Maker :HUDSON
種 別:2Dシューティングゲーム
発売日:1986年


 キャラバンコレクションとしてリメイクされたスーパーファミコン版はとも
かくとしても、今見るとこのゲームがMSXで発売されていたことに言いようのな
い違和感を感じてしまう。
言われてみれば、確かに当時ハドソン独自のBee-Card(カードタイプのROMカー
トリッジでSG-1000用のセガ・マイ・カードや後にPC-Engineで登場したHu-Card
と同じ規格のもの)で店頭に並んでいたのを思い出すことができるが、このゲ
ームに関してはそれほどファミコン版の印象が強く、ファミコン時代のシュー
ティングゲーム全盛期を代表するゲームであるといえよう。

 ハドソンは前年にテーカン(現テクモ)のアーケード用シューティングゲーム
「スターフォース」を自社でファミコンで移植すると共に、同タイトルの腕を競
う全国キャラバンを開催している。
スターソルジャーは前年のキャラバンの盛り上がりを受けて、キャラバン用ゲー
ムとなるべく開発されたタイトルで、タイトルやシステム的にはスターフォース
の流れを汲んではいるものの、よりパワーアップ要素なども加味されより派手な
ゲームに仕上がっている。


 さて、このゲームのことを語るに当たって忘れてはいけないのが「高橋名人」
の存在である。
別に忘れていてもいいのかもしれないが、スターフォースのレビューの時も触れ
なかったし、この翌年のキャラバン公認ソフトのヘクター87や高橋名人の冒険
島のレビューをすることもないような気がするので、やはり触れておこう。
1秒間に16回、ファミコンのボタンを連射することができるという「16連射」
を最大の武器に当時、子供達の絶大なる支持を得ていた、ファミコン名人の先駆
けで、その存在はハドソンのキャラバンシューティングに限らず、ファミコンブ
ームの一つの象徴として現在でも記憶されている。

 が、しかし、おいらは当時あまり名人に対して好意的な感情は持っていなかっ
た。元々が不器用な方なので、シューティングやアクションは苦手で、アドベン
チャーやRPGに傾倒しつつあったおいらにとっては、16連射の高橋名人より
アドベンチャーゲームの早解き王、山下章の方が興味があったし、名人が残した
有名な標語、「ゲームは一日一時間」に対しては子供故に頼むから余計なことを
言わないでくれ、と思っていた。


 というようなわけで、高橋名人ブームには個人的にちょっと引いた地点で、見
ていたおいらではあったが、スターソルジャーはかなり欲しかった。
おいらはどういうわけかこのゲームを自分では購入せず、友人の家でばかり遊ん
でいたのだが、4ステージごとに登場するボスキャラの「ビッグスターブレイン」
の画面の半分以上を覆い尽くす巨大さに一目惚れし、ファミコンでこんなのが出
てくるのか!と胸をときめかせ、随分と遊ばせて貰った思い出がある。

 内容は前作(?)スターフォースと同じく宇宙空間を舞台とした縦スクロール
シューティングゲームであり、空中、地上の二種類の敵が存在するがどちらも一
種類のショットで破壊することができ、ステージ毎にボス(スターブレイン)が
登場するなど基本フォーマットはスターフォースを完全に踏襲している反面、地
上の下に潜ることができたり(この時は無敵となる)、三段階のパワーアップが
可能となっており、最強状態では周囲五方向へのショットの発射が可能となる。


 スターフォースでシューティングに目覚めたファミコン世代のシューティング
ゲーマーをこの上なく燃え上がられた作品で、当時はもうコロコロコミック等を
読んでいなかったので、あまり詳しいことは知らないのだがこのソフトを公認ソ
フトに開催された第二回全国キャラバンは(翌年がヘクター87で、翌々年が野
球ゲームのパワーリーグだったことを考えると)最高の盛り上がりを記録し、そ
のひと夏の熱狂は今でもインターネットのホームページなどで当時の参加者の思
い出話などから推測することができる。

 ちなみにおいらは、スターソルジャーを持っていなかった上に、人前で披露で
きるほどシューティングがうまかったわけでもないので、キャラバンなど夢のま
た夢で、当時も、そして現在もそういった人々を内心、羨ましいなー、と思いつ
つドラクエのレベル上げにいそしんでいるのであった。



AXL 2003
(2003.10.24 修正  文章中の表記"Bee-Card"が"Be-Card"となっておりましたので
         修正いたしました。ご指摘いただいたレゲーFANの白神さん
         に感謝いたします(^_^))

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