レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「スペースインベーダー」

Media:アーケード....その他恐らく殆どの機種に移植されてます(^^;
Maker:TAITO


 発売から20年以上もたった現在までも未だにリメイクが作り続けられる、
シューティングゲーム不朽の名作「スペースインベーダー」である。
このゲームがブームになったのはちょうどおいらが小学校1年生の頃だった。
おいらもご多分に漏れず「日給100円」という台所事情もなんのその、その日
の全財産であるところの百円玉を握り締め、ゲームセンターに通いつめた。

 当時、学校では「ゲームセンターへの出入り禁止」という規則があったたが男
子は誰もそんなこと知ったことじゃなかった。
あるクラスメイトが、「○○(近所のゲームンター)のインベ−ダーが1回50
円になった!」という感動的な最新情報を持って朝の教室にかけこんできた時な
どは、その日一日、彼は英雄として扱われていた。

 とにかく「なんでブロックを崩さなアカンねん?」という根本的なところにい
まいち納得できなかった、当時の少年達に「悪い奴らが現われた!地球を守る為
にやっつけろ!撃って撃って撃ちまくれ!」という単純にして、彼らにとっては
この世の真理ともいうべき、分かりやすいスタイルのこのビデオゲームはおいら
も含めて少年達を熱狂の渦に巻き込んだ。

 当時は、コンピューターゲームの著作権というものがあったのかなかったのか
分からなかったような時代なので、かなり盛大に盗作版も横行した。
おいらは何の因果かコモドール社のマックスマシーンという家庭用ゲーム機より
のマイコンを持っていたが、このマックスマシーンにも別の名前で「移植度10
0%オーバー」のインベーダーが移植(?)されていた。

 他にも、インベーダーブームの当時、「テレビベーダー」というインベーダー
(のパクリ)専用テレビゲーム機が発売された。
その当時の家庭用テレビゲームというのは、まだROMカートリッジ方式ではなく、
ゲームが最初から基盤に焼きつけてある為、始めから入っているゲームしかプレ
イできない、という大胆なコンセプトがまかり通っていた。
しかも、この「テレビベーダー」、オリジナルのインベーダーに比べてドットが
かなり粗い為、絵が汚く、しかもハード的な制約の為かインベーダーは最下段一
列にのみしか配置されていない。
インベーダーにミサイルをヒットさせる為に、インベーダーが1段上に移動する
のだ。
同時に全てのインベーダーを表示することが難しかった為の苦肉の策だと思われ
るが、子供の頃のおいらは、この根本的なところでインベーダーをバカにしてい
るようなコンセプトが好きになれずすぐに飽きてしまった。


 ところで最初に、「発売から20年以上たった現在でも未だにリメイク版が作
り続けられる」・・・と書いたが、正直、おいらはいまだにこのゲームのリメイ
ク版を作り続ける、タイトーに少し不信感を持っている。
早い話が「しつこ過ぎる」のである。
純正なリメイクを何年かに一度、家庭用ゲームの世代交代期にリリースするのは
それなりの意味があるかもしれないが、インベーダーリターンズを始め、兄弟作
品の数があまりにも多すぎ、そして節操がないのである。

 なんとなく、過去に一度だけ偶然メジャーデビューの直前までいった元ロック
少年がそれから10年以上たっても酒を飲むたびに際限なく同じ話を繰り返すの
を聞かされる・・・という、あのやるせなさを伴った不快感をおいらはタイトー
のこの姿勢に覚えるのだ。



AXL 2001

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