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スペースハリアーII

Media :MEGA DRIVE
Maker :SEGA
種 別:擬似3Dシューティング
発売日:1988年


 最近では行政の指導などが入る為、あまりお目にかかることはなくなったが
メガドライブやスーパーファミコンが発売された頃までは発売されたばかりの
人気ハードは品薄の為か、比較的当たり前のように抱き合わせ販売が行われて
いた。

 抱き合わせ販売とは、人気のある商品と人気のない、しかも小売店が処分し
たいと思っている在庫商品をセットにして販売する方法で、個人的に一番凶悪
だと思ったのがスーパーファミコン発売時に不人気が予想されるスーパーファ
ミコンのソフトどころか、旧ファミコンの不人気ソフトまで抱き合わせで購入
せざるを得なかったことだ。
この時は、スーパーファミコン本体にアクトレイザーとパイロットウイングス、
それにファミコン用のタイトルは失念してしまったがいずれにせよ、かなり罪
深い何らかのソフトが3本ほどセットになっていて、5万5千円ほど。
結局、購入した時にスーパーマリオワールドとF―ZEROも単品で買ったの
で、トータルで7万円を突破してしまい、いまだに酒を飲んで思い出しては腹
を立てる原因になってしまっている。

 さて、おいらがメガドライブ本体を購入したのは、1989年の正月のことたが、
実はこの時も抱き合わせで本体を購入するハメになってしまった。
ただし、この時は本体ではなくソフトが品薄だったのか、或いはたまたまおい
らが購入した店の事情なのかはわからないが、本体と同時に発売された二本の
ソフト、スーパーサンダーブレードとスペースハリアーはソフト単品での購入
が不可能で、これらの販売は本体とのセット売りのみとなっており、おいらは
確かスーパーサンダーブレードのセットを購入したと記憶しているのだが、ス
ペースハリアーIIも比較的すぐに手に入った記憶があるので、ソフト不足は案
外早めに解消されのかもしれない。


 というわけで、スーパーサンダーブレードと共にメガドライブ本体と同時発
売された本作は1985年に体感ゲームとしてアーケードに登場し大人気となった
スペースハリアーの続編、しかもアーケード版のIIは存在しない為、メガドラ
イブのみのオリジナル作品として登場したのだ。

 簡単に内容を紹介しておくとこのゲームでは前作スペースハリアーの10年後
の世界を舞台としており、システムは前作同様ビハインドビューの強制スクロ
ールで前方から迫り来る敵をショットで撃墜する、というシンプルなもの。
尚、II独自の特徴としてはじめからステージセレクト(開始ステージを選択)
できる機能がついている。

 続編の為、厳密にそれ迄に他機種でリリースされたスペースハリアー(I)と
比較することは出来ないが、そのゲーム画面はメガドライブの高性能をアピー
ルするのに何ら不足のない豪華なもので、おいら自身、この画面を広告やテレ
ビなどで見てメガドライブの購入を決めたのだが、実のところこのゲームに期
待していたほど満足できたか?と言われると素直には頷けない部分が多々ある。


 これはあくまで個人の趣味の問題かもしれないが、このスペースハリアー唯
一の続編に対しておいらが感じた最大の不満は「なんだかスペースハリアーっ
ぽくない」というものである。

 勿論、先述したようにゲームシステムは紛れもなくスペースハリアーのそれ
であり、前作に登場した敵キャラクターも多数最登場している。
当時の「家庭用スペースハリアー」として考えればクォリティも決して悪いと
は思わないのだが、このスペースハリアーIIの持つ世界観は前作のものとはか
なり異質であり、全体的に妙におどろおどろしい雰囲気に仕上がっていて、突
き抜けるような明るさが魅力の一つだった前作と比較するとどうにもしっくり
来ないのだ。


 また、独自のシステムである開始ステージのセレクト機能も、好きなステー
ジからプレイが可能というのは本来プレイヤーにとっても嬉しい機能な筈なの
だが、それが何の苦労もなく初めて電源を入れた瞬間から可能になっているこ
とで、このゲームに関しては攻略要素というのがどうしても希薄にならざるを
得ない、というデメリットもある。

 つまり、普通のゲームなら最初はステージ2までしか行けなかったが、練習
の甲斐あって今はステージ5まで進めるようになった、という攻略の達成感が
あるが、好きなステージから気軽にスタートできることで、そういった達成感
を味わうのが難しくなり、極端にいうと自分が今、どの程度の腕前なのかを判
断することさえ難しくなってしまっているのだ。


 これまた個人の趣味の領域になってしまうのだが、厳密には別作品ながらも
同時期にPC-Engineで発売されたスペースハリアー(I)の方がおいらにとっては
面白く感じてしまった。

 キャラクターの大きさや、画質の面だけで言えば間違いなく本作の方が上な
のだが、本作はPC-Engine版に比べて、シューティングとしての爽快感やスピー
ド感などの面がいまひとつで、敵を撃墜したときの効果音も盛り上がりに欠け
るものがあった。


 そんなわけでスペースハリアーとしてはかなり不満もあった本作だが、気軽
に遊べるシューティングという意味では、問題のステージセレクト機能も有効
だったし、メガドライブのソフトの中では、後々まで遊んだソフトである。



AXL 2003

(2003.10.3追記)
「スペースハリアー唯一の続編」と書きましたが続編とはちょっと違うものの
厳密にはSEGA MARK IIIに番外的な「スペースハリアー3D」という作品がある
んですよね(^^;
ご指摘いただいた「レゲーFAN」の白神裕久さんに感謝いたします(^_^)

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