レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「スペースハリアー」

Media:アーケード(特殊筐体)、PC-88SR、FM-77AV,X1,X68000,PC-6001、ファミコン、PC-Engine、
       Super32X、セガ・サターン等
Maker:セガ・エンタープライゼス


 その昔、ゲームセンターでは「体感ゲーム」というのが流行したことがあっ
た。体感ゲームというのは、F1ゲームのようなシートがついた「乗りこみ型」
の大型筐体に乗りこみ、なおかつシートや筐体そのものが、ゲーム中の自機の
動きに合わせて本当に動く、というシステムである。

 その先駆けがこの「スペースハリアー」というシューティングゲームである。
プレイヤーは、主人公ハリアーを何故か、戦闘機の操縦桿のような一本レバー
で操り、迫り来る敵をハリアーが持つバズーカ砲のようなもので片っ端から打
ち落とすのだ。
視点は、ハリアーの真後ろから捉えた視点で、ハリアーは常に前方に向かって
猛スピードで進んで行くので敵は画面奥からハリアーめがけて突っ込んでくる
という画面構成になっており、当時としては美麗だったグラフィックも手伝っ
てかなり迫力があった。

 そもそも、人間であるところのハリアーを操縦桿型の1本レバーで操作する、
という点においらは違和感を覚えていたが、このゲームをやったことがない人
にとっては、この説明でどこがどのように体感するのか分からないと思うので
さらに説明すると、「ハリアーは超能力者」という、どう考えても後付けとし
か思えないような設定があり、彼は、画面内を飛行機のように飛びまわること
ができる。
つまり、ハリアーが上昇した場合には、戦闘機と同じように筐体そのものの前
方部分が上を向き、右に移動すると右部分が斜め下にさがる、というシステム
である。

 しかし、これを書きながら思ったのは、このゲーム、操縦桿型レバーといい、
人間のハリアーに超能力者という設定をつけてまで空を飛べるようにしてみた
り、そもそも「ハリアー」なんていう名前をつけるくらいなら何故、最初から
戦闘機のゲームにしなかったのであろうか?

 セガはこの後「アフターバーナー」というこれまた名作として現在まで名前
の残る戦闘機型の体感ゲームを送り出すが、そのこととこのスペースハリアー
というのは何か繋がりがあるのだろうか?


 ところでこの「スペースハリアー」当時の人気ゲームだった為、数多くの家
庭用ゲーム機や、パソコンに移植されている。
スペースハリアーがまだタイムリーだった頃に移植されたものの中では、個人
的には、PC-Enzine版が最高傑作だったと思っているが、意外とファミコン版
もハードの制約が多い割に頑張っていた。

 逆の意味で衝撃を受けたのは、NECのパソコンPC-8801mk2SRシリーズに移植
されたバージョンである。
そもそも当時のパソコンは、現在のパソコンと違ってアクション系のゲームを
するのにはまるで向いていない。
20万以上するようなパソコンであっても、高速で絵を動かすことに特化され
た、1万4800円のファミコンには遠く及ばなかった。
そのファミコンですら完全移植は不可能だったこのゲームをパソコンに移植し
ようと考える方がどうかしているとおいらは思うのだが、とにかくパソコンシ
ョップでPC-88版の画面写真を見たおいらは衝撃に打ち震えた。

 ハリアー本人の絵はかろうじて判別てきる程度のものではあったが、高速で
ハリアーめがけて突っ込んでくる多彩な敵キャラは全て「色違いの四角」でし
かなかったのだ。しかも平面の。
おいらの頭にはその時に即座に「バキュラの大逆襲」というちょっとマニアッ
クなタイトルが浮かんでしまったが、とてもじゃないが、あれがスペースハリ
アーだとは思えなかった。

 ちなみにこのゲーム、難易度もそれほど高くはなく、アクションゲーム音痴
のおいらですらワンコインで3面くらいまでは進めた記憶がある。
クリアを目指すよりも「撃って撃って撃ちまくる」という爽快感のあるゲーム
なので、ブームが過ぎた後もおいらはゲーセンに入るたびに1度はプレイして
いた。


 このゲームに関するおいら的な思いでとしては、中学3年の三学期頃、卒業
前にどうしても想いを打ち明けたい女の子がいて、日曜の朝、友人とゲーセン
に行って一人、このゲームに興じながら、今日こそは電話してみようかな・・
・・?と毎週のように何度も決意しながら、結局夕方になると勇気がでなくて
なかなか電話がかけられなかった、という非常に個人的なエピソードがある。



AXL 2001
(2003.9.5)情報追記 対応機種に関して

対応機種にX1,PC-6001を追加いたしました。情報を提供してくださったしちん
さんに感謝いたします(^_^)

(2004.9.26)情報追記 対応機種に関して

対応機種にFM-77AV,X68000を追加いたしました。情報を提供してくださった
AGEさんに感謝いたします(^_^)

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