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沙羅曼蛇

Media :アーケード、FAMILY COMPUTER、MSX等
Maker :KONAMI
種 別:強制スクロール方ティーティングゲーム(縦・横)
発売日:1986年
(20049.26追記 本レビューはファミコン版を元にしております)

 グラディウスの続編・・・なのかどうかは意見が分かれるところ。
というのも、グラディウスに
はこれとは別にグラディウス2というゲームが存
在するからだ。
とはいえ、間違いなくグラディウスファミリーに属するゲームだし、パワーア
ップシステムの存在や独特の世界観など、ほぼ初代グラディウスを踏襲している。

 おいらはグラディウスのファミコン版に限ってはそれこそ毎日のようにプレ
イしたが、この沙羅曼蛇というゲームに関してはあまり馴染みがない。
何故なら、難しすぎるのだ。
グラディウスもアーケード版は決して難易度の低いゲームではなかったが、こ
の沙羅曼蛇はそれをはるかに凌ぐ難易度を誇るゲームなのだ。


 シューティングゲームはインベーダーを祖として生まれ、やがてアーケード
ゲームの王者に君臨する人気ジャンルだが、その過程でいくつかの流れに分岐
していく、例えば、スターフォースのような「連射こそ我が人生」という連射
重視タイプ、または、難易度を押さえ、キャラクターをコミカルにすることで
ゲームが不得意なおいらのような人や女性でも楽しめる、スカイキッドのよう
なゲーム、そしてひたすらパワーアップと敵の弾を避けまくることに人生をか
ける、硬派な超難易度のシューティングゲーム。

 1980年代後半にブームになったのが最後の超難易度のシューティングゲーム
であり、そのブームの火付け役とはなったのは、恐らくこの沙羅曼蛇ではない
だろうか。
このブームは沙羅曼蛇に続くグラディウスシリーズは、他のメーカーがリリー
スしたゲーム達によって支えられ、ストリートファイター2登場と共に突如と
して訪れた格闘ゲームブームまで続くこととなる。


 そんなアーケードゲームの歴史の一時代を切り開いたゲームが、この沙羅曼
蛇だである・・・が、それでもおいらには馴染みがない。
軟派なゲーマーであるところのおいらにとって、超難易度シューティングブー
ムは一言でいうと「いい迷惑」だったのだ。

 小学生や中学生の頃の小遣いなどはたかが知れているし、どうせ使える小遣
いが決まっているのなら、難しいゲームに本気で挑戦して一瞬にして浪費する
よりは、そこそこ簡単なゲームを何種類も楽しんだ方が得だと考えてしまうの
である。


 どうもおいらは生まれつき、「努力」とか「苦労」という言葉が嫌いなので、
努力して上手くなったゲーム、というのは一本も無い。
楽しいから何度もプレイして、そのうちに多少上手くなったゲームはあるが、
うかうかしていると開始直後に死んでしまうようなゲームを本気になって攻略
してやろう、という向上心が全くないのだ。

 この性格はいまだに直らず、友達に借りた家庭用のアクション系のゲームを
プレイするときもまず最初に探すのは、「OPTION」と書かれたメニューである。
勿論、難易度を一番下まで下げる為である。
そして、最も低い難易度でクリアしたゲームを、「じゃあ、今度はもうちょっ
と難しいレベルでやってみよう!」などと思ったことは生まれてこのかた、一
度もない。



 というわけで、沙羅曼蛇に馴染みがないのは、おいらとは水と油のようなゲ
ームだからなのだ。
しかし、難易度のことは別にしても、このゲーム、あのグラディウスの続編(
?)だけあり、非常にクォリティの高いゲームに仕上がっている。

 なんといっても、1986年当時のゲームとしては圧倒的なほど美しいグラフィ
ックを持っていたし、火龍やエジプトのツタンカーメンをモチーフしたような
ボスキャラのデザインなど、独特の世界観をしっかりと築きあげていた。

 さらに、当時の常識を覆す演出として、横スクロールのステージと縦スクロ
ールのステージが交互に挿入されていのも斬新だった。

 他にも突如として訪れる高速スクロールなどの演出、これは分かりやすくい
うと車に乗って住宅街の路地を走っていたら、突如として車が勝手に100k
くらいのスピードを出してしまい、しかもブレーキが壊れている、というよう
な状況に陥るとよく分かるが、友人のプレイを横から見ていたおいらは、あま
りに殺生な演出に思わず「てめえら、人間じゃねぇ!」などとつぶやいてしま
ったほどである。


 ちなみにこの沙羅曼蛇もファミコン版として移植されている。
こちらは自分ではさすがに買う気ならず、友人が買ったのを見せて貰っただけ
だが、やはりグラフィック的な面でアーケードと比べるとかなり寂しいものが
あった。
そういえば、この沙羅曼蛇のファミコン用ROMカセットは、スケルトンになって
おり、透明なカバーを通して中の基盤を見ることができた。
i-Macの登場により、一気にメジャーになった「スケルトン」だが、おいら的に
は生まれて初めて「スケルトン」という言葉を耳にしたのは、沙羅曼蛇が最初だ
ったような気がする。



AXL 2001

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