「ナッツ&ミルク」 Media :FAMILY COMPUTER,FM-7等 Maker :ハドソン 発売日:1984年(ファミコン版) 種 別:画面固定型アクションゲーム 「ナッツ&ミルク」である。 なんとなく、「ああ、ナッツ&ミルクか・・・。」で終わってしまいそうなゲ ームなのだが、このゲーム、実は知っている人や遊んだことのある人が多い割 には詳しいことは意外と知られていない。 その前に簡単に内容を説明しておくと、画面はサイドビュータイプの固定画 面で、内容はアクションゲーム、主人公を使って画面にある全てのフルーツを 集めた後、恋人の家に到達すれば1ステージクリアーとなり、合計で50面が 用意されているどちらかといえば思考性の強いパズル・アクションゲームであ る。 これだけなら、当時のプレイヤーは誰でも知っているかもしれないが、そも そも、このゲームに出てくるキャラクターの名前、つまり「ナッツ」がどれで 「ミルク」がどれなのか?ということだけでも大きな誤解がある。 意外と主人公の名前が「ナッツ」で、恋人の名前が「ミルク」だと思ってい る人が多いが、実際には、主人公の名前が「ミルク」で、敵約のキャラクター の名前が「ナッツ」なのである。 ちなみに、恋人の名前は「ヨーグル」ちゃんというらしい。 ここでストーリーを簡単におさらいすると、主人公の「ミルク」君は、フル ーツを全て集めて、恋人の「ヨーグル」ちゃんの家に行かなくてはなりません、 しかし、途中にライバルの「ナッツ」くんが邪魔をしてくるので上手くよけて フルーツを集め、一刻も早く「ヨーグル」ちゃんの元へ行って下さい、という ことになる。 しかし、これは飽くまでもファミコン版での話だ。 実は、このゲームのオリジナルは、ファミコンではない、詳細な機種は不明だ がFM-7等で販売されていたパソコン版がオリジナルとなっており、オリジナル では、設定からゲーム内容に至るまで全てが別物となっている。 オリジナル版での設定では、「ヒロイン(!)の「ミルク」ちゃんを操り、 言い寄ってくる「ナッツ」くんをかわしてフルーツを全て集めて下さい。」と いうのが簡単なストーリーとゲーム内容となっている。 つまり、オリジナル版では、主人公の性別が変わってしまっているのだ。 常に好きな女の子にソデにされ続ける、「若大将」シリーズにおける青大将( 田中邦衛)的な役回りを演じているナッツくんはともかくとして、オリジナル 版では、主人公の「ミルク」がファミコン版の「ヨーグル」ちゃんを兼ねるよ うな役回りを演じている点が非常に興味深い。 当然、オリジナル版では、フルーツを集めた後に恋人の元へ行かなくてはい けない、という制約が無く、しかも画面構成事態がサイドビューであるファミ コン版に対して、トップビューとなっている。 当然、ファミコン版にあった「ジャンプ」という概念は存在せず、代わりに主 人公はなんと、壁(床?)に穴を空けることが可能になっているらしい。 パソコン版ナッツ&ミルクに関しては、おいらも当時なんとなくそういうもの があるらしい、ということくらしか知らなかったし、詳細な情報となると極端 に情報量が少なくなるので、この程度のことしか調べられなかったが、ファミ コン版ではほぼ別物としてアレンジ移植されたものと見て間違いないようだ。 さて、肝心の本ゲーム(ファミコン版)だが、ハドソンのファミコン参入第 二弾(第一弾はロードランナー)として1984年夏に発売されている。 ハドソンは最初にファミコンに参入したサードパーティなので、ファミコンで サードパーティから発売されたゲームとしても2本目となっており、しかも発 売は第一弾のロードランナーとほぼ同時である。 ロードランナー、ナッツ&ミルク共にパズル要素の強いアクションゲームで さらに、ステージ数は当時のファミコンとしては驚異的な50面を誇り、さら にどちらにも、ファミコン初のマップエディット機能がついている、というこ とで、姉妹作といった印象が非常に強い。 各メーカーにより多くの機種に移植されたロードランナーに比べると、どう してもマイナーなイメージの強いナッツ&ミルクだが、ロードランナー以上に アクション性が強く、1マップが数画面分あったロードランナーより、ぱっと 見で戦略が立てられる、という点でおいらはナッツ&ミルクの方がとっつき易 かった覚えがある。 ちなみに、マップエディットでもずいぶん遊んだが、おいらは、「もっと難 しいステージを作って挑戦してやろう!」などという向上心が皆無な人間なの で、ナッツ(敵)の出現位置を池の上に指定し、登場するなり、池に溺れ、ま た登場しては池に落とす・・・というようなマップを作ったり、ナッツ君の周 りをレンガで囲み監禁するなどという卑怯なマップを作っては、普段の恨みを 晴らしていた。 AXL 2001 |