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「マッピー」

Maker :namco
Media :アーケード,FAMILY COMPUTER,MSX等
種 別:固定画面アクションゲーム
発売日:1983年(1984年 FAMILY COMPUTER)


 namcoを代表する名作ゲームの1本。
内容は、マウス・ポリス(ネズミのお巡りさん)の主人公マッピーを操って、
ニャームコの屋敷から盗品を取り戻す、というもの。
ニャームコの屋敷はトランポリンを使って各回を行き来できるようになってお
り、ニャームコや、ミューキーズに捕まると1ミスになり、そのステージを盗
品を全て回収すれば1ステージクリアである。

 また3面ごとにボーナスステージがあり、BGMが鳴り終わる迄に、全ての風
船を割ることが出来ればパーフェクトボーナスを貰える。

 それほどやり込んだ、という記憶はない割に、気がつくといつもやってい
たのがこのマッピーというゲームだった。
マッピーを語る上でどうしても外せないのは、BGMである。
おいらはあまりゲームミュージックに興味がある方ではなく、家庭用ゲーム
に至っては、大抵の場合テレビの音をミュートにして自分の好きな曲を聴き
ながらプレイする方だが、マッピーの曲は大好きである。

 ゲームミュージックとして最初にレコード化されたのは、やはりnamcoのゼ
ビウスだが、BGMに限って言えば、マッピーの方が上だと思っている。
(ゼビウスのBGMに比べると普遍性という面では負けているジャンルの曲かも
知れないが。)
ついでに書いてしまうと、ステージBGM、ボーナスステージ専用BGM等も素晴ら
しいが、おいらが一番好きな曲は、何故かネーム入れの時のBGMだったりする。


 ゲームミュージックという分野にも大きな影響を与えたマッピーだが、女性
にも受け入れられたゲームという意味でも草分け的存在である。
パックマンもそうだったが、シューティングゲーム全盛のアーケードゲーム界
にあって、女性でも気軽に遊べるコミカルなアクション性や、何よりもキャラ
クターの可愛らしさが一際目を引いたゲームである。

 そして一番最後になってしまったが、勿論ゲームとしても一級品である。
まず、トランポリンを使ったアクションという斬新性があり、マッピーは、
ニャームコ、ミューキーズ等の敵キャラに対しては直接的な攻撃手段を持たな
いので、廊下で前後から挟み撃ちを食ったらそれまでである。

 その為、常に敵の位置と、攻撃に利用できるドアの位置、そして目指す盗品
の位置を頭に入れながらプレイするという、戦略性もある。
さらに、盗品も漠然と集めるのではなく、それぞれ1対づつある同じ種類の盗
品を連続して取ればボーナススコアが入り、さらに、ラジカセ・テレビ・パソ
コン・絵画とスコアの低いものから高いものへと取ることでさらに得点が上が
る。

 女性向きの絵柄、戦略性のある内容などから考えれば、やはりパックマンの
流れを汲んだゲームかもしれないが、それを感じさせないオリジナリティなど、
どれをとっても一流のゲームである。


 しかし、以前からどうしても気になっている事がある。
それはこのマッピーというゲームの設定である。
先ほども書いたように、ポリスであるマッピーが盗品を取り返す、というのは
分かるのだが、このマッピー君は盗品を取り返すだけで、泥棒であるニャーム
コ達からは逃げ回っている。
まあ、敵が猫で主人公がネズミなので仕方がないといえば仕方がない話だがそ
れにしても泥棒から逃げ回る警察官というのは、他に類を見ない設定である。

 しかし仮に、この設定を取り払って見ると事態は逆転する。
つまり、主人公がネズミの警察官で、敵が猫の泥棒という設定を一旦忘れてと
にかく、「家人に捕まらないように、屋敷にあるものを全て取る」ゲームだと
するならば、どう考えても、主人公の方こそ泥棒である。

 またもや勝手な推測だが、このゲーム、実は元々はそういうゲームではなか
ったのだろうか?
ただ、なんらかの理由により「主人公が泥棒ではまずい」という事になり、設
定を後付けしたのではないかという気がしてならない。

 どう考えても「ネズミのお巡りさん」という設定には無理があり過ぎるよう
な気がするのだ。


 ところで、マッピーといえば、当時、ナムコが開発した「迷路脱出ロボット」
にこのマッピーのデザインが使われ、よくニュースなどで取り上げられていた
が、あの「マッピー」はどうなったのだろうか?



AXL 2001

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