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究極タイガー

Media :アーケード、PC-Engine,FAMILY COMPUTER,MEGA DRIVE,X68000等
Maker :TAITO(販売)東亜プラン(開発)
種 別:縦スクロールシューティングゲーム
発売日:1987年


 おいらははっきり言ってシューティングが苦手である。
しかし、下手の横好きゲーマーであるおいらにとっても、この「究極タイガー」
というタイトルには非常にそそられるものがある。

 「究極タイガー」と聞いただけで興奮してしまう。
この興奮は「カツ丼」という言葉を聞いた時の興奮に似ている。
しかし、何故か「冷やしたぬき」では興奮できないように、「究極タイガー」
以外のシューティングタイトル・・・例えば「アーガス」と聞いてもまるで興
奮しない。
これが「頭脳戦艦ガル」あたりになるとそのまま布団を敷いて寝てしまいたく
なる。


 さて、一応簡単にゲームの内容を説明しておくと、プレイヤーは自機となる
戦闘ヘリを操り、例によって単身敵地に乗り込み敵戦力の殲滅を目指す。
基本的な武器であるショットは、中ボス破壊で手に入るパワーアップアイテム
を取る毎にパワーアップしていき、最終的には、自機の幅の5倍くらいの広範
囲から夥しい数のショットを発射できるようになる。
また、中ボスはパワーアップアイテム以外に、ショットそのものの種類を変更
するアイテムを出す。
これは、一定時間ごとに色が変わり、取った時の色によってショットの種類が
変わる仕組みになっている。

 そして、ショットとは別に「ボム」といわれる広範囲を破壊できる爆弾を装
備しており、初期状態では3発まで使うことが出来る。

 ボムを使えば、画面の3分の1くらいの範囲の敵を焼きつくすことが出来る
上に範囲内の敵弾も全て無効になるので、対ボス戦以外にもザコに囲まれて逃
げ場を失いそうになった時にも効果的である。

 しかし、ボムは投下してから爆発するまで若干の時差があるので、「危なく
なってか使っても手遅れ」になってしまう、ここがポイントで、その使用には
的確な状況判断が求められる。
いくらボムを貯めておいても、自機がやられてしまえば元も子もない。
まさに「命あっての物種」なのである。


 「究極タイガー」の魅力はその圧倒的な爽快感にある。
このゲームの難易度はかなり高めだが、それでも、パワーアップした状態で、
無数に沸いて出るザコを一掃するときの爽快感は他のゲームではちょっと味わ
えない。
例えていうなら、「スターフォース」の「破壊する気持ち良さ」を極限まで高
めたもの、という感じである。


 今尚傑作としてシューティングゲーマーに語り継がれる究極タイガーだけに
数多くの移植作品が存在しているが、ハード的に完全移植が可能になったPS版
を除いて、個人的な見解を書かせて頂くと「誰が何と言おうともPC-Engine版」
なのである、誰も何とも言わなくてもPC-Engine版でもあるのだが、とにかくP
C-Engine版はオリジナルが持っていた「破壊する気持ち良さ」が余すところな
く移植されている、という点で非常に評価できる。

 ちなみにファミコン版というのもあり、こちらの移植を行ったのはCBSソニー
である。
「あの、CBSソニー」である。
一体、どうしてこういうことをするのだろうか?
どうして、いくら言っても分からないのだろうか?
おいらは思うのだが、CBSソニー作品で例えば、「聖飢魔2」というゲームがあ
るが、あれは、まだいいと思うのだ。
何故ならば、あのゲームはCBSソニーという会社が存在しなければ、存在し得な
いゲームだったからだ。
「存在しない方がいい」という意見も最もだが、良くも悪くもファミコンソフト
全体のバリエーションを考えた時に、「枯れ木も山の賑わい」というか「ウツボ
カズラもジャングルの賑わい」的な意味では貢献できていると思うのだ。

 しかし、「究極タイガー」の移植は違う。
「やりやがったな!」という感じがする。
逆にいえば、CBSソニーさえ移植しなければ、もっとマシなメーカーが移植した
はずの作品なのだ。
なまじCBSソニーなんかが移植したから、ファミコンの究極タイガーはこれでお
しまい!ということになってしまった、という点で非常に罪は重い。


 ちなみに、そのファミコン版究極タイガーの出来については、「CBSソニーの
作品としては驚くほど出来が良い」ただ、ファミコンということを差し引いても
「究極タイガーとしては驚くほど出来が悪い」
そんなゲームである。



AXL 2001

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