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けっきょく南極大冒険

Media :MSX(ROM版),Family Computer等
Maker :KONAMI
発売日:1985年
種 別:アクションゲーム


 とことんクラシック音楽には縁がない。
このレビューを書くにあたって、「けっきょく南極大冒険」といえばあのBG
M・・・ということで、ゲームで使われている曲の元曲を紹介しようと思って
いたのだが、どう頭をひねってみても曲名が出てくる気配すらない。
忘れてしまった、というよりもはなからタイトルなど知らなかったような気も
する。
たまにメロディーを文章で再現しているのをみかけるが、例えばおいらがこの
曲を文章で再現すると「タラララー・タラララー・ズンチャッチャ・ズンチャ
ッチャ・・・」となるのだが、実際のところこれで曲をイメージできるのは元
曲を聴いたことがある人に限られるような気がするので、あまり意味のある行
為だとも思わない。

 一昔前のあまり流行らない遊園地のメリーゴラウンドで使われていそうで、
尚且つ「エリーゼのために」ではない曲の方だ、という強引な説明もできない
こともないが、あまり悩みすぎると内容をレビューする前に終わってしまいそ
うなので、内容の紹介に移りたい。


「けっきょく南極大冒険」
タイトルが既にしてオヤジギャグの領域に足を踏み入れている。
ストーリーは、ペンギンが南極を一周するというもので、そもそもどうしてペ
ンギンが南極を一周するのか、とか、ステージごとに設けられている残りタイ
ムは一体何を意味しているのか?という疑問もないではないが、それらの疑問
も「それこそがゲームだから」というヒトコトで片付いてしまった平和な時代
のゲームである。

 画面構成は意外なことに、ポールポジションやスペースハリアーののように
自機(ペンギン)を背後から捕らえており、画面の奥にあるものが前に迫って
くることによってペンギンが前に進んでいることを表現している。
プレイヤーは方向キーの上下でペンギンのスピードを調節することが出来、障
害物(クレパス)は左右に動いて避けるか、ジャンプでかわすことができる
(ただし、クレパスから顔を出すアザラシはジャンプしてもかわせない)また、
たまにクレパスから飛び出してくる魚を取ることで、残りタイムを増やすこと
もできる。

 このゲームでは南極のある観測基地から別の観測基地までの間を1ステージ
とし、最終的には南極を一周してスタート地点の基地まで戻ってくるのだが、
実は戻ってきたからといって何らかのエンディングが存在するわけではなく、
ゲーム自体は無限ループで続いていく。

 実はこのゲーム、システム的にいうとかなり、レースゲームに近い。
勿論、順位という概念は存在しないし、そもそも順位を競うべきライバルもい
ないのだが、画面構成、前からくるものをひたすら避けて時間内に目的地に辿
り付くというシステムは、ポールポジション以降の擬似3Dレースゲームと同
じなのだ。
発売は1985年。つまりポールポジションの3年後だが、オリジナルがアーケード
ではなくMSX対応ゲームであったことを考えると、いかにも単純で始祖的なイメ
ージのあるこのゲームも実はなかなか頑張っているような気がする。

 しかし、恐らくMSX版より有名なのがファミコンに移植されたもので、KONAMI
のファミコン参入第一作もこのソフトである。
おいら自身も、MSX版の方は、ショップのデモで見かけただけでプレイしたのは
もっぱらファミコン版なのだが、当時としてもファミコンゲームとして見ると
いかんせん地味な印章があり、もっぱら同時期に発売されたイー・アル・カン
フーの方ばかりプレイしていた。

 しかし、シンプルながらも実はなかなかよく出来たゲームで、例のBGMを
聞きながらプレイしていると、いつの間にか時間を忘れさせてくれるなかなか
の良作であり、同じKONAMIの名物キャラであるツインビー兄弟や、ゴエモンと
比べると両者が初登場時から比べると見る影もなくデフォルメされてしまって
いるのに対し、このゲームのペンギン君は、それなりに面影を保っているとこ
も妙に好感が持てる。



AXL 2002

(2005.7.1追記)

BGMに関してゆりさんより以下の情報をいただきました。
ゆりさん、ありがとうございます。
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けっきょく南極大冒険ですが、そこで使わ
れてる曲は「スケーターズワルツ」という曲だと思います。
(うろ覚えなので、間違ってたらすいません…)
ペンギンが可愛くて、夢中になって遊んでました^^
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