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五目ならべ

Media :Family Computer
Maker :任天堂
種 別:五目ならべ(^^;
発売日:1983年


 ファミコンにとっては初期ラインナップソフトに続く、いわば「追加ソフト
第一弾」にあたるのが本作、五目ならべである。
尚、同じ追加ソフト第一弾は「麻雀」だけであり、今にして思えば他人事なが
らもあまりに偏向したチョイスだと言わざるを得ない。

 碁盤と碁石を使ったゲーム画面から、知らない人は「囲碁」だと思うかもし
れないが、このゲームはあくまでも「五目ならべ」であり、本碁をプレイする
ことは出来ない。
まあ、たとえ出来たところでおいらは本碁のルールを知らないので、同じこと
ではあるのだが、それにしてもこのソフトは当時の子供には人気がなかった。
子供達の間では同時発売の麻雀も人気はなかったが、こちらの方は家でお父さ
んがプレイしたり、または大人になって麻雀のルールを覚えてから遊ぶという
ことも可能だったが、五目ならべの方はあまりそういった話を聞くこともなく、
少なくともおいらの周りでこのソフトを持っていたのは、おいらだけだった。

 念のため、簡単にルールを説明しておくと、五目ならべとは黒と白、それぞ
れの碁石を担当するプレイヤーが交互に石を置いていって、縦・横・斜めのい
ずれか一列に連続して自分の碁石を5個並べることが出来た時に勝利となる。
基本的にも応用的にもただそれだけのルールである。

 裏技もなければ、隠しステージも存在せず、楽しいキャラクターが出てくる
わけでもなければ、やり込み要素も存在しない。
そんな地味一直線なゲームに当時とはいえ子供達が興味を示す筈もなく、ファ
ミコンブームが加熱し、店頭からファミコン本体やソフトがあらかた姿を消し
た時にも、誰を恨む風もなくただ黙っておもちゃ屋のウィンドウの中で佇んで
いたのがこのソフトだったと記憶している。


 そんなソフトをおいらは持っていた。
購入したのは1984年の正月。
お年玉を貰ったのは良いが、買うソフトがなかったのだ。
この時点で発売されていたファミコンソフトの総数は9本。
その内、まだおいらが持っていなかったのは、本作を除けば麻雀とポパイの英
語あそびだけであった。

 つまり、ポパイの英語あそび、麻雀、五目ならべの三択で五目ならべを選択
したのだ。
何といっても麻雀は全くルールが分からなかったし、分かるようになる、とい
う気もしなかった。
ポパイの方は他の二本に比べれば見た目はまだしも楽しそうだったものの、当
時のおいらは小学校5年生。
英語で遊ぶのはご免蒙りたいお年頃だった。
そんなわけで五目ならべである。
今にして思えば、そんなに無理して3800円も出してこのソフトを買うくら
いなら、その3800円を瓶にでも詰めて裏庭に埋めておいてくれれば今から
掘り返しに行くのに・・・という気がしないでもないが、とにかく買ってしま
ったのだ。

 五目ならべという古典的な遊びを模したゲームではあるものの、強引にジャ
ンル分けをすればこれはいわばパズルゲームのようなもので、反射神経が一切
必要ない代わりに思考力だけはふんだんに必要で、コンピュータの方も基本的
に「勝ってやろう」ということ以外は何も考えていないらしく、今も昔も思考
力に恵まれていないおいらはいいように負け続けて三が日を過ごした。
以後もこのソフトに勝ったことは一度もない。



AXL 2003

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