レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「クレイジークライマー」

Media:アーケードゲーム、ファミコン等
Maker:日本物産

 これもかなり昔のアーケードゲームの名作である。
内容は、窓に両手をかけて高層ビルをただひたすらに最上階目指して登ってい
く、という文字通り、クレイジーなクライマーのゲームである。
窓はランダムに開いたり閉じたりするので、捕まっている窓が閉じるとそのま
ま墜落して1ミスになってしまう。
他にも窓から顔をだしてモノを落としてくる敵がいたり、鳥は糞をおとしてい
くし、キングコングまで邪魔をしてくるという念のいれようである。

 そもそも、キングコングまで出してしまうと、ビルを素手で登る男の物語、
以前に、キングコングがいることの方がよっぽど大事件のような気がするのは
おいらだけであろうか?。
そしてなにも、わざわざキングコングのいるビルを選んで登らなくても良いで
はないか、という気になり、彼があのビルに登るのは実はもっと別の隠された
理由があるのではないか?という気さえしてくる。

 このゲームの特徴としてまず上げられるのは2本レバーである。
普通のアーケードゲームというのは操作用レバー1本とボタン数個で構成され
ているが、クレイジークライマーに関してはボタンが一つもなく、レバーが2
本あるだけである、つまり右のレバーは右手、左のレバーは左手に対応してお
り、これを交互に上下に動かすことによりビルを登って行くのだ。
ちなみに左右に動かすことによってビルの壁面を左右に移動し、落下物をよけ
ることもできるが、ここらへんの操作系統がちょっと難しかったような記憶が
あり、せいぜいキングコングの手前くらいまでしか到達できなかった。


 このゲームの面白いところは、当時としては珍しかった合成音声で「ガンバ
レ!」というやけに無機質な声援がリピートされる点である。
おいらは観衆の声援だと思っていたが、その割には、ビルの住人は「死んでし
まえ!」といわんばりの表情で次々にものを落としてくるし、窓の開閉も容赦
なく行われる。

「出演者をひどい目にあわせて尚且つ声援を送る」というこの姿勢にバラエテ
ィ番組的な大衆の残酷さが感じられなくもないのである。

 ビルを登る、という内容は数あるゲームの中でも非常に珍しく、オリジナリ
ティが感じられるが、それだけに完成されすぎていためか続編やリメイク版も
あったが、基本的には絵や内容をちょっと変えただけで完全に初代のままだっ
たような気がする。

 ちなみに移植ものとしておいらが把握しているのは、ファミコンに専用コン
トローラー付きで移植されたものと、プレイステーション版で他のゲームとの
パックで発売されたアーケードクラッシックだけだが、小学生当時、おいらは
クレイジークライマーのLSIゲームを持っていた。
ちゃんと版権を取ったものかは不明だが、高層ビルをかたどったちょっと気取
ったボディに小さなレバーが2本ついており、かなり長い間遊んだ覚えがある。
こちらは、クリアした記憶があり、ビルの最上階に上がるとヘリコプターが降
りてきて、主人公がそれに乗って飛んで行く・・・という演出があったような
気がするが、それを見たおいらは「それならなにもビル登る必要ないじゃん・
・・。」と寂しく呟いてしまった。



AXL 2001

(2002.1.18追記)

クレイジークライマーに関して、浅野さんという方から以下の情報をお寄せ頂きま
した、浅野さん、ありがとうございます!(^_^)

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"彼があのビルに登るのは実はもっと別の隠された理由があるのではないか?"
の部分ですが、アーケードでの説明では、火災が発生したビルからクライマー
が救出ヘリに向かって登っていくところをTV中継しています。という説明で
した。
それで、火災なので鉄骨・看板の落下は有り得ると思うのですが、なぜ、おじ
ゃまMANという人が植木をクライマーに向かって落としたりするのかは不明
です。
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(2005.7.1追記)

JESさんから以下の情報をお寄せいただきましたので追記いたします。
情報を提供くださったJESさんに感謝いたします。
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詳しくは知らないのですが、もともとあの猿の名前は「キングコング」だったようですが、
映画「キングコング」を作った会社とニチブツがその名前についてもめて、結果的に
ニチブツが降りて、「キングゴリラ」と改名したようです。
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