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本将棋 内藤九段将棋秘伝


Media :Family Computer
Maker :セタ
種 別:将棋ゲーム
発売日:1985年


 実は小学校の頃「囲碁将棋クラブ」の副部長だった。
そんなわけで、こう見えても将棋にはちょっとばかりうるさい・・・といいの
だが実は全然うるさくない。
そもそも、囲碁に至ってはルールも知らないし、将棋の方だってかろうじてル
ールを知っているだけで、腕の方は本当に弱い。
こんなに弱いくらいならいっそのことルールを知らない方がよっぽどシアワセ
だった・・・と思うくらいに弱い。

 そんなおいらがナニユエに「囲碁将棋クラブ」などというところに所属して
いたかと言えば、学校で所属するクラブを選ぶ際に「とにかく楽で何もしなく
ても良さそうなクラブはどこか!?」と考えた時に、実におあつらえ向きのよ
うな気がした・・・。
それ以上でもそれ以下でもない理由から、基本的においらと同じように人生と
いうものをやり過ごしていた友人と一緒に入部し、気がついたら部長と副部長
になっていた、というだけの話である。


 さて、本作「本将棋」はファミコン初の将棋ソフトであり、メーカーは、セ
タというアーケードで麻雀等をリリースしていた会社である。
基本的に将棋ソフトというのは、プログラム技術の進歩やハード性能の進化に
比例して強くなっていくらしいので、ファミコン初、パソコンソフト等を含め
ても初期の将棋ソフトにあたる本作はあまり強くはない。
どのくらい強くないかといえば、おいらが一生懸命やれば「引き分け」に持ち
込める程に強くないのだ。
ちなみにおいらは、今までプレイした全ての将棋ソフトに於いてコンピュータ
に勝利したことはタダの一度もなく、引き分けも本ソフトだけである。


 いかんせん将棋ソフトなので決して語ることは多くないのだが、本ソフトの
みの特徴的な試みとして本作では「待った!」が可能になっている。
「待った!」とは言うまでもなく、相手が自分にとって致命的な一手を打った
際に「(その手を)待って欲しい」と頼み込む、というよく考えると本将棋の
ルールとはまるで関係のないいわば反則技のことだが、本作ではプレイヤーが
コンピュータに「待った!」をお願いすることが出来るのだ。

 それも一度「待った!」しただけでは待ってくれないが、ボタンを何度も押
すと待ってくれる、というシステムになっているが、逆に言えばボタンさえ押
せばいつでも待ってくれるので、ヘボ将棋もここに極まれリという作りになっ
てしまっている。


 今も昔も決して将棋好きではないおいらがどういう了見でこのソフトを発売
日に購入したかはよく覚えていないが5800円というかなり洒落にならない金額
をきっちり支払って購入したことだけは確かである。
思えばこのソフトが発売された1985年8月だけでも結構な数のソフトが発売され
ているし、その中にはかの名作「ドルアーガの塔」も含まれるのに、何を勘違
いして本将棋などを買ってしまったのだろう。
思いあたることがあるとすれば、それはコンピュータ将棋という存在の物珍し
さを「これで将棋を勉強すればきっと強くなれるに違いない」という勝手な思
い込みだったような気がする。

 結局、おいらが将棋ソフトを購入したのは、このソフトが最初で最後となっ
た。



ALX 2003

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