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「バーガーバーガー」

Media :Play Station
Maker :GAPS
種 別:経営シミュレーション
発売日:1997年

 自称「舌ゲー」
ハンバーガーチェーン経営シミュレーションゲーム。
プレイヤーはハンバーガーチェーンのオーナーとなり、他店との競争に勝ち抜
き、100店出店することが目的となる。
シミュレーションゲームとしては同列のゲーム、ザ・コンビニなどと大差がな
い、或いはむしろ物足りない印象の方が強いが、バーガーバーガーの最大の魅
力は自分の好きなバーガーを開発してショップに並べられることだ。

 ゲーム開始当初は重ねられる段数も少なく、使える材料も多くはないが、ゲ
ーム中開発投資を行ったり、各種イベントにより豪華なバーガーの開発が可能
になっていく。
逆にいえばバーガーバーガーの魅力といえる部分はこれだけで、SLGとして
は非常に単調なものに仕上がっている。
多かれ少なかれ、この手の経営SLGは経営が軌道に乗り、ライバルを押さえ
込んでしまった中盤以降は単調になりがちだが、バーガーバーガーの場合は他
のゲームと比べても中盤以降、極端にやること(やる必要のあること)が少な
くなってしまう。
ゲーム自体の目標は100店舗出店なのだが、一ヶ月間に出店できる店数に制
限があり、これは最大でも5店舗くらいが限度となる為、どれだけ資金があっ
てもゲームをクリアする為には無為にゲーム中の時間で1、2年はひたすら出
店を繰り返すだけの作業的な遊び方になってしまう。

 だから、経営SLGとして見た場合、お世辞にも良い点数をつけられるゲー
ムではないのだが、それを補って余りあるほど、バーガー作りにはハマってし
まう。
別に開発したからといって自分で食べられるわけではないのは分かっているが
画面の中に自分で考えたハンバーガーを再現させて、開発する時の快感はちょ
っと他のゲームでは味わえない。

 以前、「ハンバーガー(バーガータイム) DataEast」のレビューを書いた
時にあのゲームのおいらにとっての魅力は、その圧倒的な「美味しそうぶり」
にある、と書いたが、まさにあれを発展させた魅力を持っているのだ。

 ゲームの難易度としては、極端に厳しいHARDランクを除いては低めに設定さ
れているのだが、このゲームの場合コツを掴んでいないとEASYでもあっという
間にゲームオーバーになってしまうなどゲームバランス的には多少問題を抱え
ている。

 おいらは最近中古で買ってプレイしたが、ネット上にも攻略情報が少なく苦
労したので、簡単にコツを書いておくと、このゲームでは出店時に立地条件に
より店のランクが決まるが、最初の店は最低でも星3つは欲しい。
逆に言えば星2つ以下の場合は、リセットして他の場所に出店しなすべきだろ
う。
そして、このゲームで最もわかり辛く、ゲームの肝でもある部分として、「結
局、どういうバーガーが売れるのか?」という問題があるが、材料や段数が乏
しい序盤の場合、とにかく、肉を多目にして多段で重ねる売れ行きが良くなる。
つまり、ダブルバーガー系のメニューで攻めるのが有効なのだ。

 また、食材同士にも相性があり、これは多岐に渡るのでおいらもあまり把握
していないのだが序盤で使えるコンビネーションとしては、ポークパティ・キ
ャベツ・とんかつソースの組み合わせで中盤以降、ポークパティをフライ調理
(つまりとんかつに)出来るようになればさらに売上は上がる。

 後はよほど無理をしない限りは大丈夫だと思うのだが、あまり定石通りに進
めてしまうとこのゲーム本来の魅力である好きなバーガーを作るという遊び方
が出来なくなってしまい、その点を取ると物足りないゲームになってしまうの
は今までに書いてきた通りだ。

 またこのゲームの場合、「舌ゲー」を名乗る割には、一般的に美味しいと思
われるバーガー(例えば現実に存在するバーガーショップでの人気メニューの
再現)が必ずしも売れるわけではない、という点に非常に疑問が残る。

 基本的には万人受けするゲーム、というよりもある程度、好きな人向けのゲ
ームだと思うのだが、少年時代バーガータイムに胸をときめかせたことのある
人には一度はプレイして欲しいゲームである。



AXL 2002

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