レトロゲームレビュー/名作、クソゲー等ファミコン時代から網羅

「バンゲリングベイ」

Media:ファミリーコンピュータ
Maker:ハドソンソフト(ブローダーバンド)


 他人様のホームページなどで、何本かこの「バンゲリングベイ」のレビュー
を読ませて頂いたが、このゲームの評判は一様に悪い。
「クソゲー」の代名詞ともいわれることまであるらしいのだ。

 しかし、おいらはこのゲームそのものは非常に面白いと思う。
少なくとも、あの当時、こういうゲームは他にはなかった。
知らない人の為に説明しておくと、このゲームは、「合計6つある敵、バンゲ
リング帝国の秘密基地を見つけ出し、攻撃ヘリ、アパッチで爆撃し、全て破壊
すればOK」という内容である。
これだけだと、普通のシューティングゲームのようだが、このゲームは、アク
ションシューティング型のシミュレーションゲームではないか?とおいらは思
う。
というのは、敵の秘密工場は時間が経つと自分の周りに高射砲を設置していっ
たり装甲が堅くなっていったり・・・と、工場だけに自軍を強化していくのだ。

 しかも、単に敵の工場を見つけて攻撃するだけではなく、敵の戦闘機が自軍
の空母を攻撃してきた場合には、敵の戦闘機と戦い、殲滅しないと空母が撃沈
されてしまう。
空母が撃沈されると弾薬補給やダメージ回復などに支障をきたす上に残機体数
がいつく残っていても、その一機だけになってしまう。
また時間が経つと、敵の造船工場で戦艦が建造され、さらに時間が経過すると
その戦艦が自軍の空母目指して移動を始める、戦艦が空母まで到達すると空母
が沈められてしまうので、その前に敵戦艦を爆撃し撃沈する必要がある・・・
・・・など、その凝り方は尋常ではない。

 しかも、敵の戦艦が建造された場合、建造された戦艦が出航した場合、味方
母艦が敵戦闘機の襲撃を受けた場合などはちゃんと画面にメッセージが表示さ
れるのである。

 ちなみにこのゲームの作者は、シムシティの作者と同一人物である。
なるほどと思わせる凝り方だが、このゲームの評判がなぜあそこまで悪いのか?
おいらは、このゲームをファミコンに移植し、大々的に宣伝を打ったハドソン
の宣伝方法に問題があったのではないか、と思っている。
というのは、ハドソンはこのゲームの発売前に煽り過ぎた。
しかもその広告内容は「実際どんなゲームなのか?」ということをかなりボカ
したままで、「画面数は100画面」だとか「2Pコントローラーマイクに「
ハドソン」を叫ぶと何かが起こる!」といった想像力をかきたてる部分ばかり
を宣伝しすぎた為、発売日にこのゲームを購入し、プレイしてみたおいらの最
初の感想は「話がまるで違う」であった。

 例えば、「画面数は100画面」というのは、単純に100画面分の広大な
マップの中でゲームがプレイできる、ということだが、ニュアンスとしては、
1画面でプレイするステージが100画面ある、ことだと思っていた。
ハドソンがそれ以前に発売したロードランナーやナッツ&ミルクがステージ数
の多さを売りにしていた為に、自然そちらの方をイメージしてしまったのだ。
しかも、このゲーム自体、小学生には少々とっつきにくい、。
操作もユニークだが、それだけに慣れるまでに多少の練習を必要とする。
その結果、胸の中で極限まで膨らんだ期待と、現実に目の前に出てきたこのゲ
ームの間のギャップが「クソゲー」論を生んだのではないか?とおいらは考え
ているが、ゲーム自体はかなりちゃんとしたものだし、実際おいらは面白いと
思う。
特に、出航してしまった敵戦艦への決死の爆撃はかなり燃えるシチュエーショ
ンだと思うのである。

 ちなみにこのゲーム敵の攻撃を受けるとダメージが蓄積していき一定以上の
ダメージが蓄積されると操作系統がかなり不安定になったまま、しばらく惰性
飛行したあと墜落するというシステムだった。
墜落前にかなり不安定になっても多少は自分の意志で操作できる上に、運よく
(?)敵工場や敵戦艦の上に墜落することができれば大ダメージを与えられる
ので、工場や戦艦近くでこの状態に陥った場合、当時の清く正しい小学生男子
は、みんなその場で突然「私とてザビ家の男・・・」などといつつ、もれなく
「ガルマ・ザビ化」するという現象を起こしていた。



AXL 2001

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