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「イーアルカンフー」


Maker :KONAMI
Media :アーケード、FAMILY COPUTER、MSX,PLAY STATION等
発売日:1985年(アーケード、ファミコン、MSX)
種 別:格闘アクションゲーム


 格闘ゲームのはしりである。
ちなみにファミコンでは、これ以前に発売されたゲームで、多少なりとも格闘
的な要素を含んでいたゲームは、「アーバンチャンピオン」のみだが、あちら
は、ストリートボクシングといった感じでパンチしか使えない為、初の本格的
(?)総合格闘技(?)ゲームが、この「イー・アル・カンフー」である。


 内容は主人公の「リー」を操り、そのステージの敵と1対1の格闘戦を繰り
広げ、勝てば次のステージへ、負ければ1ミスという単純明快なものである。
ステージは全部で5つあり、少なくともファミコン版では、それにプラスして
ボーナスステージが1つある。
ファミコン版では・・・と書いたが、このゲーム、アーケード版とファミコン
版では、かなり内容が違う。
基本的なゲーム構成は同じでも、まず敵キャラや背景などが大きく変わってお
り、操作感も同じゲームとは思えない。
アーケード版の方がファミコン版よりも多少複雑なアクションが可能だが、「
面白さ」という面では、やり込んだせいもあるだろうが、ファミコン版の方が
上ではないかと思う。

 ちなみに移植作品の中では、MSX版は「ファミコン型」(ファミコン版がMSX
型、なのかもしれないが・・・。)で、最近他のコナミのアーケードゲームと
バンドリングで発売されたPLAY STATION版はアーケード型(というか、そのま
ま)である。

 今回は個人的な趣味からファミコン型のイー・アル・カンフーを元にして書
かせて頂くが、イー・アル・カンフーは、おいらの記憶ではコナミのファミコ
ン参入極初期の作品で、第一弾の「けっきょく南極大冒険」に続いてリリース
された2本目のソフトである。
当時のテレビCMでは、「コナミの会長」を名乗るじーさまが出てきて、どう
見ても「ピップ・エレキバン」のCMのパクりとしか思えないチープなCMを
放映していた記憶がある。

 「訴訟のコナミ」といわれ、アルゴリズムからえば「ブロック崩し」よりも
単純で何の芸もないビートマニアやDDRを始めとする、「音ゲー」で「コナ
ミがゲームの世界を新しくする」などと大風呂敷を広げ、ゲーセンで文字通り
「踊るアホウに見るアホウ」という醜態をさらす若者を全国区で広めてしまっ
た現在のコナミとは隔世の感がある。

 ・・・とまあ、個人的な愚痴はともかくとして、イー・アル・カンフーであ
る、和訳すれば「1、2のカンフー」ということになり、往年の教育テレビの
小学一年生向けの算数学習番組「1、2のさんすう」のパクりではないか?と
いう気がしないでもないタイトルのこのゲーム。

 単純で、しかも「それほど奥が深くない」というところが、苦労嫌いなおい
らのハートをガッチリと捕らえて、一時期おいらは狂ったようにこのゲームを
プレイしていた。
何せプロレス好きのおいらにとっては、プロレスどころか、格闘ゲームがほと
んど無かった当時のファミコンで唯一、「これはプロレスなんだ」と自分に暗
示をかけることにより、「無理矢理プロレスゲームをやっているような気分に
なれる」ゲームだったのだ。

 あまりにもやり込み過ぎてついには無限パターンのハメ技を発見してしまい
100ステージ目指してプレイしたこともあったが、何故か、おいらが持って
いたカセットは、40面から60面くらいでかなりの確立で画面がバグり、そ
れっきり動かなくなってしまうので、結局100ステージクリアが出来たかど
うかは覚えていない。

 ちなみにファミコンオンリーのユーザーには意外と知られていない話かもし
れないが、このゲームには続編がある。

その名も「イーガー皇帝の逆襲」というタイトルで、ストーリー的には、「イ
ー・アル・カンフー」の主人公、リーの息子のリー・ヤングが主人公で、内容
としては、「スパルタンX」型、つまり、そのステージのボスと戦う前に、ザ
コと闘いながら横スクロールのステージを進んで行くというタイプである。

 しかし、このゲームは何故か「リーヤングの膝くらいまでしかない大きさの
ザコキャラが5人くらいで編隊を組んで宙に浮いたまま突撃してくる」という、
どう考えても、前作よりもシューティングゲームであるグラディウスの影響の
方が強い、というなんともヘンなゲームであった。

 この「イーガー皇帝の逆襲」はおいらの知る限り、MSXでしかリリースされ
ておらず、何故かファミコンでも未発売のままに終わっている。
当時おいらが好きだった「魔城伝説」というファンタジー系のストーリーであ
りながら、どう見えても縦スクロールシューティングゲーム、というゲームも
肝心の初代はファミコンでは発売されず、似ても似つかない「大司教ガリウス」
という続編のクソゲーのみ、「これでも食らえ!」といわんばかりにファミコ
ンでリリースされたが、そのクォリティたるや(というかジャンルからして全
くの別物だった。)「魔城伝説」とはくらぶべきもないものだった。
というわけで、意外とコナミのMSX専用ソフトはあなどれないのである。



AXL 2001

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